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新生児のEnterobacter属菌の保菌:予測因子、追跡、および感染制御との関連

Enterobacter colonisation in newborn infants: predictors, follow-up and implications for infection control

M.C. van Rossem*, W.J. de Waal, E.J. van Hannen, M.A. Verboon-Maciolek, H. van Wieringen, D.A.M. Van de Vijver, Y. van Dyk, S.F. Thijsen
*Diakonessenhuis Utrecht, The Netherlands

Journal of Hospital Infection (2007) 67, 142-148


新生児集中治療室(NICU)では、Enterobacter属菌のアウトブレイクが頻繁に報告されている。本研究では、新生児のEnterobacter属菌保菌、保菌の期間継続、および隔離策の打ち切りによる菌の蔓延について、それぞれを規定する因子を調べた。第三次病院のNICUから転院した新生児に対して、Enterobacter属菌の有無、および保菌の潜在的予測因子の記録のスクリーニングを行った。感染が認められた新生児は入院期間を通してモニターし、保菌が認められた新生児には6カ月間、毎月スクリーニングを実施した。感染制御予防策としての隔離を中止し、6カ月後と12カ月後に全新生児に対してEnterobacter属菌の有無のスクリーニングを行った。保菌新生児15例および保菌のない対照新生児33例を、本研究の対象とした。多変量解析により、3日間を超える抗菌薬治療および1分後のアプガースコア8点未満は、Enterobacter属菌保菌と独立して関連することが明らかとなった。単一酵素による増幅断片長多型(seAFLP)法による分子型別により、22種類の遺伝子型が判明した。新生児3例は、退院後も同じ遺伝子型のEnterobacter属菌を保菌していたが、大多数の新生児では菌株が消失するか、あるいは別の遺伝子型の保菌が認められた。新生児病棟でEnterobacter属菌を保菌する新生児を対象とした感染制御策を中止したことによる保菌率の増加はなく、新規に感染した乳児はなかった。Enterobacter属菌に感受性がある新生児の隔離の必要性は示されなかった。

サマリー 原文(英語)はこちら

監訳者コメント:
耐性菌ではないEnterobacter属の集団発生を受けて、これらの監視培養と陽性新生児を接触予防策下に置くというのは、MRSAなどの耐性菌の保菌者に同様の措置を取っているオランダらしい手法である。結果的に、監視培養と陽性者の隔離の必要性が示されなかった。そもそもEnterobacter属は腸管内常在菌であり、それの感受性株の保菌者を隔離するという発想もオランダらしいが、やはり行き過ぎであろう。監視培養と陽性者の隔離による感染制御は、あくまで限定的に用いるべきだということを示すよい例だと思う。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.