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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌:オーストリアの2カ所の急性期病院における新たなspaタイプの発生

Meticillin-resistant Staphylococcus aureus: occurrence of a new spa type in two acute care
hospitals in Austria

W. Ruppitsch*, A. Stoger, O. Braun, B. Strommenger, U. Nubel , G. Wewalka, F. Allerberger
*Austrian Agency for Health and Food Safety, Austria

Journal of Hospital Infection (2007) 67, 316-322


分子生物学的手法を用いた多剤耐性菌のタイピングは、国の公衆衛生局の最優先課題である。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のルーチンのタイピングが2005年にオーストリアで開始され、プロテインA遺伝子の可変領域X(spa)のシークエンス解析、mec遺伝子群(SCCmec)の特性評価、およびPantone-Valentineロイコシジン(PVL)、エンテロトキシン、トキシックショック症候群毒素(TSST-1)、表皮剥離毒素遺伝子の検査を実施した。新規に同定されたt2023タイプを含む10種類の異なるspaタイプが、同一経営下の隣接する2病院由来の66株のMRSA臨床分離株から検出された。spaタイプt2023は、2005年12月に病院Aで最初に分離され、2006年には主流なspaタイプとなった(16分離株中9株)。病院Bでのt2023タイプの発生は依然として孤発的な事例であり、疫学的に病院Aからの転送患者と関連している可能性があった。spaタイプt2023は、spaタイプt001と極めて類似している。病院Aで分離されたspaタイプt001の菌株が示したエンテロトキシン遺伝子パターン、multilocus sequence type(MLST)法およびSmaIによるマクロ制限酵素(macrorestriction)パルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)パターンは、t2023のものと識別不能であった。疫学的相違から、感染制御策によりMRSAの交差伝播を防止できることが示唆された。病院Bのほうが病院Aよりも厳しいMRSA隔離策を導入しており、患者数に対する看護師数の比率が高く、感染制御に多くの医療予算を拠出していた。

サマリー 原文(英語)はこちら

監訳者コメント:
MRSAのタイピングは、MRSAがどこから由来し、どのような進化をとげ、現在のように分布生息しているのかを探るために重要であるが、シークエンスタイピングは識別能力が低いものの、安定性の高さから、院内での疫学には向かず、経年的かつ地理的に広範囲をカバーする分子疫学には向いている。PFGEは識別能力が高いものの、安定性に課題があるため、比較的小規模なセッティング(ICUや病棟レベル)の疫学に適している。最後のメッセージである、「医療資源を投入しなければ、MRSAを制御することはむずかしい」という部分は、感染制御に携わるすべての人々にとって、実感するとことであろう。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.