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台湾の長期ケア施設におけるA型インフルエンザのアウトブレイク中のオセルタミビル使用

Use of oseltamivir during an outbreak of influenza A in a long-term care facility in Taiwan

Y.-M. Chang*, W.-C. Li, C.-T. Huang, C.-G. Huang, K.-C. Tsao, Y.-H. Cheng, S.-L. Chiang, S.-Y. Yang, C.-H. Chen, Y.-C. Huang
*Center for Disease Control, Taiwan, ROC

Journal of Hospital Infection (2008) 68, 83-87


ワクチン接種を受けた長期ケア施設の患者と職員に発生したA型インフルエンザアウトブレイクにおけるオセルタミビルの有効性を検討した。2004年1月下旬から2月8日までの14日間にわたり、職員14名中7名と入居者41名中14名がインフルエンザ様疾患またはその他の呼吸器症状を発症した。2月9日、インフルエンザ様疾患を発症した職員1名と入居者7名に対して発症48時間以内にオセルタミビル(75 mg、1日2回5日間)を治療投与した(治療群)。症状がないか呼吸器症状がインフルエンザ様疾患の診断基準に合致しない職員12名と入居者30名に対してオセルタミビル(75 mg、1日1回7日間)を予防投与した(予防群)。残りの入居者4名と職員1名は2日以上にわたってインフルエンザ様症状があったが(症状は消退)、オセルタミビル投与を受けなかった(非投与群)。予防群42名にインフルエンザ様疾患の発症者はなかった。A型インフルエンザウイルスの存在が24名で示され、その内訳は治療群8名中7名、予防群42名中12名、および非投与群の全5名であった。診断確定にはリアルタイムRT-PCR法のほうが抗原検出およびウイルス分離より感受性が高かった。即時のオセルタミビル治療投与と予防投与により、長期ケア施設におけるA型インフルエンザのアウトブレイク発生阻止が可能であった。

サマリー 原文(英語)はこちら

監訳者コメント:
すでに知られていることではあるが、オセルタミビルはインフルエンザウイルスを駆逐する薬剤ではなく、予防群でもインフルエンザウイルス陽性となっている点に注目されたい。また、国内からの報告ではオセルタミビル耐性ウイルスは極端に感染力が弱くなるとされていたが、ヨーロッパなどからオセルタミビル耐性の流行株も報告されるようになっており、高病原性鳥インフルエンザやまだ見ぬ新型インフルエンザの出現も踏まえて、細心の注意が必要である。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.