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基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)感染の危険因子の解析における対照群選択の影響:前向き比較対照研究

The effect of control group selection in the analysis of risk factors for extended spectrum β-lactamase-producing Klebsiella pneumoniae infections. A prospective controlled study

P.R.P. Behar*, P.J.Z. Teixeira, J.M.G. Fachel, A.C. Kalil
*Fundacao Faculdade Federal de Ciencias Medicas de Porto Alegre (FFFCMPA), Brazil

Journal of Hospital Infection (2008) 68, 123-129


本研究の目的は、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)感染の危険因子の解析における対照群選択の影響の評価である。患者372例を対象として、以下の4種類の前向き症例対照研究を同時並行で実施した。研究1(ESBL産生K. pneumoniae感染患者対非感染患者)、研究2(ESBL産生K. pneumoniae感染患者対ESBL非産生K. pneumoniae感染患者)、研究3(すべてのK. pneumoniae感染患者対非感染患者)、研究4(ESBL非産生K. pneumoniae感染患者対非感染患者)。リスクのある時間(time at risk;TAR、すなわち入院期間中)は最も重要な危険因子であった[研究1:オッズ比(OR)5.74、95%CI 2.26~14.59、P<0.001、研究2:OR 3.52、95%CI 1.47~8.43、P=0.005、研究3:OR 2.68、95%CI 1.57~4.58、P<0.001]。中心静脈カテーテル留置(CVC)は、研究1(OR 5.31、95%CI 1.67~16.82、P=0.005)および研究3(OR 2.10、95%CI 1.04~4.27、P=0.04)の危険因子であった。セファロスポリン系抗菌薬投与歴(PUC)は、非感染患者を対照とした研究のみの危険因子であった(研究1:OR 5.64、95%CI 1.90~16.72、P=0.002、研究3:OR 4.60、95%CI 2.09~10.13、P<0.001)。オッズ比は、ESBL非産生K. pneumoniae感染患者を対照群とした場合(TAR 3.52、CVC 2.07、PUC 1.97)のほうが、非感染患者を対照群とした場合(TAR 5.74、CVC 5.31、PUC 5.64)よりも一貫して低かった。対照患者の選択は、ESBL産生K. pneumoniae感染の危険因子の評価に極めて重要な役割を果たす。対照群をESBL非産生K. pneumoniae感染患者と定義した場合は、危険因子の重要性が一貫して過小評価された。


サマリー 原文(英語)はこちら

監訳者コメント:
耐性菌感染のリスク因子を明らかにする研究において、どの集団を対照群に持ってくるべきかという方法論に関する研究である。学問的には興味深いが、感染対策実践上は特に有益な結果が得られているわけではない。入院期間や中心ライン留置、抗菌薬投与歴など、介入が困難な因子が危険因子として同定されている。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.