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レーティング:[監訳者による格付け]
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MRSAのユニバーサルスクリーニング導入に関する考察★★

Considering the introduction of universal MRSA screening

S.J. Dancer*
*Hairmyres Hospital, UK

Journal of Hospital Infection (2008) 69, 315-320


メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対するユニバーサルスクリーニングを導入する病院が増加している。感染制御の名目で実施される他の多くの介入と同様に、MRSAのユニバーサルスクリーニングの有益性のエビデンスには依然として議論の余地がある。それにもかかわらず、スクリーニングには政治的関心が向けられ、今日では一部の国々では法的に義務化されている。本稿では、MRSAのユニバーサルスクリーニング導入の意義について検討する。必要となるリソースの問題に加えて、実施上の困難や実施がもたらす影響について十分に考慮されていないと考えられる。すなわち、検査室の職員の採用および勤務時間の調整、対象とするスクリーニング部位と検査法ごとの感度と特異度、病棟の隔離施設の不足、MRSA感染または保菌患者の適時的かつ継続的な管理、保菌職員が与える影響を考慮せずに患者のスクリーニングを行うことの倫理上の問題などである。さらに、MRSAを注視することによりMRSAの重要性が過度に強調され、法的な関心を促す可能性がある。MRSAの制御に寄与するのは、単にスクリーニングを実施すること自体ではなく、新規MRSA患者を発見した場合の迅速な行動であることを念頭に置くべきである。MRSA制御の方法としてユニバーサルスクリーニングを検討すべきであることに疑いの余地はないが、このスクリーニングをルーチンに行うにはさらなるエビデンスが必要である。

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監訳者コメント:
ユニバーサルスクリーニングとは、全入院患者を対象に行うMRSAスクリーニング検査である。しかしながら、全入院患者に占める保菌率は3%前後にとどまる。順天堂医院では、以前に保菌歴がある患者を対象に、再入院時にスクリーニングを実施しているが、保菌率は30%前後であり、潜在的保菌者を検出する効率は10倍高いことになる。スクリーニングを早期に実施し対象者をMRSA保菌者とみなして対応することで、感染対策を早期に実施することができ、病院全体で院内伝播を削減できた。しかし、結果が判明するまでの3日間の感染対策実施のコンプライアンスが今後の課題である。これについては、秘策を考えているので、お楽しみに。

監訳者注:
英国では医療系スタッフのスクリーニングの実施には消極的で、あらゆる対策をやりつくしてもなおアウトブレイクが収まらない場合などに限られている。もしスタッフが保菌しているとなれば、MRSAを媒介するリスクは保菌患者以上であろうに、「そこは棚上げしておいて患者ばかりスクリーニングしてもいいのか?」という問題が議論されている。

ロウベリーレクチャー2007(Lowbury Lecture 2007):発展途上国における結核の感染予防および感染制御の戦略―アフリカからの教訓★★

Lowbury Lecture 2007: infection prevention and control strategies for tuberculosis in developing countries - lessons learnt from Africa

S. Mehtar*
*Stellenbosch University and Tygerberg Hospital, South Africa

Journal of Hospital Infection (2008) 69, 321-327


世界保健機関(WHO)は、南アフリカ共和国を結核最流行国の上位10か国の中に位置づけている。同国で結核の罹患率が最も高いのは西ケープ州である。Tygerberg Hospitalおよびクワズール・ナタール州の医療施設で実施された調査からは、結核の院内伝播リスクが著しく高いことが示されている。感染予防・感染制御プログラムの提供に関する監査により、防御服は十分に支給されているものの、感染予防・感染制御の原則に関する医療従事者のトレーニングと理解が最も必要とされていることが明らかとなった。南アフリカ共和国の結核感染予防・感染制御の全国共通ガイドラインを作成する過程で、その多くは先進国の既存のガイドラインに由来するものであることが判明した。これらのガイドラインの原則は適切なものであるが、発展途上国の経済状態で実施するには現実的とはいえず、医療施設でもあまり実施されていなかった。強固な結核管理プログラムに影響を及ぼす因子は、貧困、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の併発、過密状態、結核の認識不足、および医療提供レベルのばらつきである。適切な知識基盤を築き、その上に立って正しい感染予防・感染制御の原則の枠組みの中で最良の実践を確立することが推奨される。

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監訳者コメント:
感染制御の原則は、万国共通で普遍的なものであるが、実践に落とし込んで徹底を図るには、頭でっかちではいけない。実践しようとする場所を取り巻く様々な因子の影響を考慮し、その場所に合った最適なベストプラクティスを探ることが重要である。
Prof. Lowburyは、臨床微生物学者であり、詩人であり、哲学者であり、また英国における近代感染制御の父でもある。毎年開催されるHospital Infection Society総会の基調講演は、長年の功績を讃えるために彼の名前が冠されており、最も目覚しい活躍をした人材を招いて受賞講演を行っている。受賞者には彼の詩集とともに記念の盾が贈られる。東アジアでは、1998年に順天堂大学の平松啓一教授が受賞している。

第三世代セファロスポリン系およびシプロフロキサシンの処方の変更はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌菌血症発生率の低下と関連する

Modification in prescribing practices for third-generation cephalosporins and ciprofloxacin is associated with a reduction in meticillin-resistant Staphylococcus aureus bacteraemia rate

L.D. Liebowitz*, M.C. Blunt
*The Queen Elizabeth Hospital NHS Trust, UK

Journal of Hospital Infection (2008) 69, 328-336


メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による院内感染症発生率を低下させるために、シプロフロキサシンおよび第三世代セファロスポリン系抗菌薬の静脈内投与を自制する教育的介入研究を実施した。2か月間の介入プログラムの実施前18か月間と実施後16か月間の病院および集中治療室それぞれのMRSA菌血症発生率を観察し、その効果を評価した。病院全体のMRSA菌血症発生率は、本研究の終了時点で62.9%低下し(P<0.001)、MRSA保菌率は38.4%低下した(有意差なし)。本研究期間中、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)菌血症エピソードが同時に減少することはなかった。シプロフロキサシンおよび第三世代セファロスポリン系の院内調剤用量は、それぞれ80.4%および75.2%の減少を示した。集中治療室のMRSA血流感染症の全発生率は低下したが(1,000床・日当たり4.200対0.272)、有意差は認められなかった。

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監訳者コメント:
抗菌薬の処方がMRSAのprevalenceに影響を与える研究は多数出されているが、その中から統計的に因果関係が強いとされる第三世代セファロスポリン(英国ではケファロスポリンと発音する)とシプロフロキサシンについて、処方量とMRSA分離率の相関を検討した研究である。あまりにもシンプルな比較すぎて、そのほかの交絡因子(confounders)がないかどうか、かんぐってしまう論文である。Study designから見れば、エビデンスレベルはやや弱いように思う。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症有病率が高い病院における髄液シャント設置時のバンコマイシンおよびセファゾリン予防投与の比較★★

Vancomycin versus cefazolin prophylaxis for cerebrospinal shunt placement in a hospital with a high prevalence of meticillin-resistant Staphylococcus aureus

E. Tacconelli*, M.A. Cataldo, A. Albanese, M. Tumbarello, E. Arduini, T. Spanu, G. Fadda, C. Anile, G. Maira, G. Federico, R. Cauda
*Catholic University, Italy

Journal of Hospital Infection (2008) 69, 337-344


国際的なガイドラインでは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症有病率が高い場合は、手術時にバンコマイシンの予防投与を実施すべきであるとしている。髄液シャント設置時の予防的抗菌薬として、バンコマイシンおよびセファゾリンの有効性と有害事象を比較するために、前向き無作為化臨床試験を実施した。MRSA感染症有病率が高い大学病院で、16か月間に髄液シャントを設置した成人の全連続症例を対象とした。患者をバンコマイシンまたはセファゾリンを術前投与する群に無作為に割り付け、感染症の発生を4週間追跡した。本試験の対象患者176例中88例にバンコマイシン、88例にセファゾリンを投与した。バンコマイシン群の患者は、シャント感染発生率が有意に低かった(4%対14%、P=0.03)。すべてのブドウ球菌分離株がメチシリン耐性であった。術後感染患者の死亡率はセファゾリン群のほうが高かった(P=0.02)。著者らのデータから、MRSA有病率が高い施設では、髄液シャント設置時にバンコマイシンを予防投与することにより、シャント感染発生率が低下することが示唆される。

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監訳者コメント:
MRSAのprevalenceが高い施設において、バンコマイシン(VCM)をprophylaxisとして用いることの是非を検討した論文である。確かに全黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの分離比率が“高い”病院では、VCMを積極的に処方することがよさそうではある。しかしながら、“高い”というのは、何%をもっていうのかがいまだ不明な点である。いまだ十分な科学的な考察はされていないので、この点の検討が待たれる。

黄色ブドウ球菌性菌血症の成人における黄色ブドウ球菌性細菌尿症の合併は臨床転帰不良と関連する

Concomitant Staphylococcus aureus bacteriuria is associated with poor clinical outcome in adults with S. aureus bacteraemia

P.J. Huggan*, D.R. Murdoch, K. Gallagher, S.T. Chambers
*Christchurch Hospital, New Zealand

Journal of Hospital Infection (2008) 69, 345-349


2000年1月から2003年12月までに、黄色ブドウ球菌性菌血症により当院を受診した患者における黄色ブドウ球菌性細菌尿の予後予測意義を判定するために、後向きコホート試験を実施した。合計378例が黄色ブドウ球菌の血液培養で1回以上陽性を示し、このうち221例に対して受診後24時間以内に尿培養を実施した。この群の206例の症例記録を調査のために入手することができた。これらの患者のうち、全例がメチシリン感受性黄色ブドウ球菌菌血症(MSSA菌血症)を呈し、35例(17%)の尿培養中に黄色ブドウ球菌が認められた。年齢、泌尿生殖器系の状態、および併存疾患で補正してロジスティック回帰分析を行ったところ、黄色ブドウ球菌性細菌尿症の合併は、ICU入室[リスク比(RR)2.5、95%信頼区間(CI)1.06~4.36、P=0.04]および院内死亡(RR 2.18、95%CI 1.05~3.57、P=0.04)の有意な危険因子であった。さらに、男性の脳血管疾患および両性での高年齢が、院内死亡および1年生存率と関連していることが明らかになった。黄色ブドウ球菌性菌血症患者の臨床転帰と黄色ブドウ球菌性細菌尿症との関連を調べるための前向き試験が必要である。

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被覆によりフォーリーカテーテルの閉塞をもたらす結晶性細菌バイオフィルム形成の観察★★

Observations on the development of the crystalline bacterial biofilms that encrust and block Foley catheters

D.J. Stickler, S.D. Morgan*
*Cardiff University, UK

Journal of Hospital Infection (2008) 69, 350-360


膀胱カテーテルを長期間留置している患者では、カテーテルが被覆により閉塞し、尿流が妨げられる合併症を来すことが多い。この問題は、ウレアーゼ産生菌、特にプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)感染と、これによるカテーテル上の結晶性バイオフィルム形成に起因する。本研究の目的は、P. mirabilisがどのように結晶性バイオフィルム形成を開始するかを解明することである。カテーテルを留置した膀胱の実験室モデルで、各種フォーリーカテーテル上のバイオフィルム形成の初期段階を観察した。オールシリコン、シリコンコーティングラテックス、ヒドロゲルコーティングラテックス、ヒドロゲル/銀コーティングラテックス、およびニトロフラゾン含浸シリコンカテーテルをP. mirabilisおよびアルカリ尿を含む膀胱モデルに挿入したところ、走査型電子顕微鏡写真により、各カテーテル表面は直ちに微結晶性の基層で覆われることが明らかになった。X線微量分析の結果、この物質の成分はリン酸カルシウムであった。次いで基層に細菌が定着し、18時間後には各カテーテルは高密度の結晶性P. mirabilisバイオフィルムで被覆された。今回の観察結果は、被覆抵抗性のカテーテルの開発に重要な影響を与えるものである。例えば銀カテーテルの場合は、細菌細胞は結晶性の基層のために基底の銀に接触することなく増殖し続けることができる。被覆予防のために抗菌薬をカテーテルに含浸させる場合は、抗菌薬を尿中に拡散させること、および結晶形成の引き金となるpH上昇を抑制することが重要である。

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監訳者コメント:
Proteus mirabilisに限った実験室レベルでの分析結果ではあるが、尿道カテーテルの表面コーティング素材によらず、結晶性バイオフィルムが1日以内で完成してしまうという結果は驚くべきものである。著者らが最後に述べているように、今後の尿道カテーテルの開発方針に大きな影響を与える論文になるかもしれない。


日本における再使用タオル由来のBacillus cereusによる院内感染

Bacillus cereus nosocomial infection from reused towels in Japan

S. Dohmae*, T. Okubo, W. Higuchi, T. Takano, H. Isobe, T. Baranovich, S. Kobayashi, M. Uchiyama, Y. Tanabe, M. Itoh, T. Yamamoto
*Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, Japan

Journal of Hospital Infection (2008) 69, 361-367


2000年から2005年の夏季に、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)による院内感染の増加が認められた。2005年にはカテーテル使用に関連した血流感染が5例で認められた。原因株はそれぞれ異なり、新規のmultilocus sequence type(ST)であるST365、ST366、ST367、およびST368型であった。患者2例に由来する2つのST365株については、さらにパルスフィールド・ゲル電気泳動で判別を行った。再使用(洗浄後に乾燥または蒸気加熱)タオル(タオル1枚あたり>106 cfu)および病院のリネン室の洗濯機にB. cereusによる汚染が認められた。タオル由来のB. cereus株はST167、ST365、ST380、ST382に属し、これらの株の比率は患者由来株と同等または類似していた。B. cereus病院由来株はいずれも食中毒株(ST26、ST142、ST381)ではなかった。シプロフロキサシン耐性は病院由来株のみで認められた。食中毒株で通常みられる嘔吐毒素やサイトトキシンK遺伝子は、患者1例の分離株を除き病院由来株では検出されなかった。これらのデータから、遺伝子型、抗菌薬感受性、および毒性遺伝子のパターンが食中毒由来株とは全般的に異なる特定のB. cereus株が病院内を循環していること、また日本では特に夏季にタオルが重大な汚染源となることが示唆される。

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監訳者コメント:
B. cereusの菌株に関する詳細な分析であり、興味深い文献である。残念なのは、汚染された再使用タオルをどのようにすれば院内感染の増加を食い止めることができるのかが感染対策上関心の高い事項であるが、それについては本論文において言及されていない。

表面におけるエンベロープウイルスおよび非エンベロープウイルスの生存と他の微生物との比較、および不十分な濃度の消毒薬への曝露の影響

Survival of enveloped and non-enveloped viruses on surfaces compared with other micro-organisms and impact of suboptimal disinfectant exposure

R. Howie*, M.J. Alfa, K. Coombs
*University of Manitoba, Canada

Journal of Hospital Infection (2008) 69, 368-376


ポリ塩化ビニル製の試験用キャリアの表面上で、有機基質存在下または非存在下で乾燥させたエンベロープウイルスおよび非エンベロープウイルスの生存を、細菌、酵母、およびマイコバクテリアと比較した。グルタルアルデヒドおよびAccelerated Hydrogen Peroxideによる消毒の効果を検討した。非エンベロープウイルスであるレオウイルスの生存は持続し、30日後の減少係数※※は2であったのに対し、同期間のエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)の減少係数は4であった。その他の試験微生物[シンドビスウイルス、緑膿菌、マイコバクテリウム・ケロナエ(Mycobacterium chelonae)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)]の生存にはばらつきがあったが、30日間にわたり生存したものはなかった。グルタルアルデヒドおよびAccelerated Hydrogen Peroxideは、製造者が推奨する高水準消毒のための希釈濃度で効果を示した。しかし、M. chelonaeのグルタルアルデヒド耐性株を除去できたのは7%Accelerated Hydrogen Peroxideのみであった。すべての試験微生物に対して生存のブレイクスルーがみられた消毒薬の濃度は、グルタルアルデヒド0.1%、Accelerated Hydrogen Peroxide 0.05%であった。これらのデータは、病原体の伝播を予防するためには、院内の効果的な洗浄および消毒が必要であることを示している。

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監訳者コメント:
病原体により環境中の残存期間が異なることを明確に示した論文。知見そのものはさほど新しくはないと思われるが、消毒薬の効果とともに見ており、結果がわかりやすくなっている。

監訳者注:
Accelerated Hydrogen Peroxide:カナダのVirox Technologies社製の消毒薬。過酸化水素をベースに界面活性剤などを含む。
※※減少係数(reduction factor):log10RB-log10Tで算出される消毒薬の効果の指標。RB:消毒薬を使用しない対照群の生存微生物数、T:消毒薬処理後の生存微生物数。

内視鏡洗浄消毒器由来の細菌分離株の酸化剤耐性および交差耐性

Resistance and cross-resistance to oxidising agents of bacterial isolates from endoscope washer disinfectors

D.J.H. Martin*, S.P. Denyer, G. McDonnell, J.-Y. Maillard
*Cardiff University, UK

Journal of Hospital Infection (2008) 69, 377-383


高水準消毒薬として二酸化塩素を使用していた洗浄消毒器から分離した細菌株を、過酢酸、二酸化塩素、および過酸化水素などの反応性の高い酸化殺生物剤に曝露し、分離株の感受性および交差耐性を調べた。各酸化殺生物剤に強い抵抗性を示した分離株2種[枯草菌(Bacillus subtilis)およびミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)]に対する殺菌率を、標準的な懸濁試験により評価した。懸濁試験では、推奨「使用中」濃度では推奨曝露時間内に必要な殺菌効果が得られない場合があり、細菌数を105分の1に減少させるには60分間の曝露が必要な例がみられた。In vitroでは栄養型のグラム陽性菌分離株が酸化剤耐性を示すことがあり、類似化合物への交差耐性が生じる可能性がある。調査した2種類の細菌は反応性の高い殺生物剤に感受性を示すと考えられていることから、これらの分離株の生存を説明する耐性機序について、さらなる研究を行う必要がある。

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監訳者コメント:
日本の医療現場において内視鏡の洗浄消毒の際に用いられる消毒薬は、過酢酸、グルタラール、フタラールである。しかし最近、電解酸性水などを用いる方法も徐々に普及しつつある。いずれの方法においても、本研究で述べられているような消毒滅菌耐性菌の問題は発生しうる。現場レベルで行えることは、洗浄消毒装置の生産者が定めた手順を遵守し、消毒薬に関しては濃度と消毒時間が守られているかどうかを確認することであり、定期的な耐性菌に関するサンプリングなどは必要ないと思われる。

修正版prEN 14563検査による二酸化塩素含浸ワイプの殺抗酸菌活性測定

Mycobactericidal activity of chlorine dioxide wipes in a modified prEN 14563 test

A. Hernandez*, M. Carrasco, V. Ausina
*Universidad Autonoma de Barcelona, Spain

Journal of Hospital Infection (2008) 69, 384-388


Tristel Sporicidal Wipesは、非管腔型の半侵襲的医療器材を対象とした二酸化塩素ベースの消毒薬含浸ワイプである。本研究では、清潔条件下のマイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)に対する本製品の殺抗酸菌活性を、欧州標準prEN 14563検査の修正版により評価した。ワイプの活性化状態の二酸化塩素濃度は200 ppmであった。検査結果から、二酸化塩素含浸ワイプは清潔条件下において、拭き取り操作ありで30秒、なしで60秒の接触時間で殺抗酸菌性を発揮することが示された。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.