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外科医による手術部位感染症サーベイランス:バイアスのある過少報告か、有用な疫学的データか?★★

Surveillance of surgical site infections by surgeons: biased underreporting or useful epidemiological data?

R. Rosenthal*, W.P. Weber, W.R. Marti, H. Misteli, S. Reck, M. Dangel, D. Oertli, A.F. Widmer
*Basel University Hospital, Switzerland

Journal of Hospital Infection (2010) 75, 178窶・82


手術部位感染症(SSI)によって手術後の罹患率と死亡率は著しく上昇する。SSIサーベイランスは確立されたモニタリング手法であり、SSI発生率を低下させる。この研究の目的は、前向きの病院内SSIサーベイランスを外科スタッフが実施した場合(I)と、それに加えて感染制御チーム(ICT)が行った場合(II)を比較することである。外科チームが作成したデータにICTが補完して、利用可能なあらゆるリソースを投入した術後1年間の追跡による退院後サーベイランスの結果を反映させたものを対照方法(III)とした。24か月間ですべての連続する入院患者が受けた処置(6,283件)を、外科スタッフが患者の退院まで前向きに記録した(I)。SSI発生率をICTが参加したサーベイランス(II)および対照方法(III)と比較した。SSI全発生率(対照方法)は4.7%(293件)で、このうち187件(63.8%)は入院期間に検出されて、106件(36.2%)は退院後に検出された。(I)外科スタッフが検出した病院内SSIは187件中91件(48.7%)(対照方法では293件中91件[31.0%])、(II)ICT による検出は187件中96件(51.3%)(対照方法では293件中96件[32.8%])であった。さらに内臓外科部門でデータ照合を実施したことにより、(I)外科スタッフによる病院内SSI検出率が105件中59件(56.2%)へ上昇した(対照方法では147件中59件[40.1%])。外科スタッフによるSSIサーベイランスによって、すべての病院内SSIのほぼ半数が検出され、データ照合などの簡単な介入により検出率が上昇する可能性がある。このような比較的安価なサーベイランス手法は、感染制御チームを設置していない病院にとって、またリスクの低い外科的処置においては選択肢の1つである。さらにSSI発生率の傾向が容易に判明し、早期介入につながる可能性がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
外科スタッフが自らSSIサーベイランスを実施すれば感染制御担当者は不要となる可能性を示唆している。ふぅむ、コメントしづらい。たしかに外科スタッフの自助努力があれば、人的資源も過剰にかける必要はないのかもしれない。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.