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人工関節感染症患者の治療不成功のリスク因子★★

Risk factors for treatment failure in patients with prosthetic joint infections

J. Lee*, C.-I. Kang, J.H. Lee, M. Joung, S. Moon, Y.M. Wi, D.R. Chung, C.-W. Ha, J.-H. Song, K.R. Peck
*Sungkyunkwan University School of Medicine, Republic of Korea

Journal of Hospital Infection (2010) 75, 273-276


人工関節感染症の発生率および臨床的・微生物学的所見を明らかにし、その治療不成功に関連するリスク因子を評価するために後向き観察コホート研究を実施した。1994年から2008年に、当施設で人工膝関節全置換術または人工股関節全置換術を実施した全患者のカルテを後向きにレビューした。当施設は1,950床の大学附属3次紹介病院である。合計93例の人工関節感染症患者を特定したが、このうち当院で人工関節置換術を受けていた患者は68例のみであった。全感染率は0.63%であった。検出頻度が最も高い微生物はメチシリン耐性ブドウ球菌属を含むグラム陽性菌(76.5%)であった。48例(51.6%)の患者で二期的関節形成術、34例(36.5%)でデブリードマンと人工関節温存を実施した。患者43例を治療後2年以上追跡し、治療転帰を解析したところ、全体の治療不成功率は41.8%(43例中18例)であった。その他の変数を補正した後の治療不成功と関連する臨床的変数は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のみであった(オッズ比11.9、95%信頼区間1.07~133.9、P = 0.044)。結論として、黄色ブドウ球菌は人工関節感染患者からの検出頻度が最も高い病原体であり、人工関節感染症患者の治療不成功の独立リスク因子であった。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
サムソンメディカルセンターのSong教授は、アジア太平洋地区でもよく知られたClinical Microbiologistであり、Infection Control Directorでもあり、Infectious Disease Physicianでもある。彼の書く論文は、アジア太平洋地区の院内感染研究の最先端を表しており、同じアジアの我が国にも非常に参考になる。特にmedical economicsについては、infection controlの強烈なドライビングフォースになることに着目しており、我が国のICDたちも見習うべき研究者である。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.