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自由生活アメーバ:医療関連感染に果たす役割は何か?★★

Free-living amoebae: what part do they play in healthcare-associated infections?

E. Cateau*, V. Delafont, Y. Hechard, M.H. Rodier
*Laboratoire de parasitologie et mycologie médicale, Faculté de médecine et de pharmacie, Poitiers, France

Journal of Hospital Infection (2014) 87, 131-140


自由生活アメーバはいたるところに存在する原虫であり、生存のために宿主を必要としない。水中や土壌などの自然環境内や、水道水や水泳プールなどの人工環境内に存在しており、そこでは細菌、真菌、およびウイルスなどの他の微生物と相互作用をしていると考えられている。自由生活アメーバは病院の給水システム中に存在する微生物などを内部に取り込むことができるため、そうした微生物を不適切な環境から保護したり、微生物の伝播を媒介したり、マクロファージに貪食された後でも微生物の生存が可能な場を提供したりする。レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)と自由生活アメーバとの相互作用については詳細な研究が行われている。その後の研究から、自由生活アメーバはその他の抗酸菌、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマニー(Acinetobacter baumannii)などの細菌や、真菌、ウイルスのリザーバにもなることが判明している。病院の給水システム内に存在するアメーバは、病原微生物のリザーバとして働くことがあるため、医療関連感染と間接的に関係しているといえる。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
施設内における水系感染は、医療関連感染の中で、その存在と実態の把握が非常に難しいものである。このため十分に理解されず、重要性が認識されにくかったといえる。このレビューは医療環境における自由生活アメーバの生態と医療関連感染への関与、ならびにその内部に包含した病原微生物との相互作用、リザーバとしての伝播について、短いながらも多くの情報を含んでいる。施設内の水系感染について、このような視点から各施設での検討が進むことを期待したい。

侵襲性 A 群レンサ球菌感染症アウトブレイク:耳鼻咽喉科での汚染された病室カーテンおよび交差感染

Outbreak of invasive group A streptococcus infection: contaminated patient curtains and cross-infection on an ear, nose and throat ward

N. Mahida*, A. Beal, D. Trigg, N. Vaughan, T. Boswell
*Nottingham University Hospitals NHS Trust, UK

Journal of Hospital Infection (2014) 87, 141-144


背景
医療環境で A 群レンサ球菌(GAS)感染症のアウトブレイクが発生することがあり、これまでに外科や産科婦人科、熱傷部門から報告がある。環境がリザーバとして働き、汚染器具を介して伝播が促進すると考えられる。

目的
3次紹介病院の耳鼻咽喉科で発生した医療関連 GAS 感染症アウトブレイクに関し、調査結果および実際に行われた制御について報告すること。

方法
咽頭癌患者 2 例が、気管切開部の蜂巣炎を伴う侵襲性 GAS 感染症(菌血症)を 48 時間以内に発症した。アウトブレイク対策チームが GAS 症例の後向きレビュー、前向きの症例発見、医療従事者を対象としたスクリーニング、および病室カーテンからのサンプル採取などの調査を行った。感染対策として症例の隔離、塩素系消毒薬による徹底的な定期的清掃、および患者に使用される器具の過酸化水素による汚染除去などを直ちに実施した。

結果
前向きの患者スクリーニングにより、気管切開創のスワブから GAS 保菌患者がさらに 1 例特定された。職員のスクリーニングでは、アウトブレイク中に GAS を獲得した医療従事者 1 例が特定され、本職員はその後、咽頭炎を発症した。環境のサンプル採取では、病室カーテン 34 枚中 10 枚が GAS で汚染されていることが判明し、すべての分離株が emm-1 型に分類された。

結論
本稿は、病室カーテンが GAS の交差伝播の潜在的な汚染源であることを確認した最初のアウトブレイク報告であり、手指衛生およびカーテンの頻繁な洗濯の意義を示すものである。この報告に基づいて、GAS 感染症アウトブレイク時には汚染除去強化策の一環としてすべての病室カーテンを交換することが推奨される。

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監訳者コメント
病室のカーテンは様々な微生物に汚染されていることが知られ、これまでにも黄色ブドウ球菌、Clostridium difficile、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などの報告がある。本事例では耳鼻咽喉科の病棟の入院患者・スタッフに GAS 感染症が生じ、全病室のカーテンを調査したところ、特に気管切開部に感染を生じた認知症患者の病室のカーテンからは最も多くの GAS が検出された。GAS 感染症を多く経験する診療部門であること、飛沫感染・接触感染を容易に生じ得る微生物であること、カーテンは多くの患者・スタッフが日常的に接触する代表的な場所であることがアウトブレイクの要因と考えられる。感染の媒介となるリスクに対する対応を考えるうえで貴重な報告といえる。

USA300 に関連するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)新規変異株による健常新生児におけるアウトブレイク

Outbreak among healthy newborns due to a new variant of USA300-related meticillin-resistant Staphylococcus aureus

H. Lee*, E.S. Kim, C. Choi, H. Seo, M. Shin, J.H. Bok, J.E. Cho, C.J. Kim, J.W. Shin, T.S. Kim, K.H. Song, K.U. Park, B.I. Kim, H.B. Kim
*Seoul National University Bundang Hospital, Republic of Korea

Journal of Hospital Infection (2014) 87, 145-151


背景
市中獲得型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(community-associated meticillin-resistant Staphylococcus aureus;CA-MRSA)の分離頻度は世界中で増加しており、小児および新生児の皮膚・軟部組織感染症の重要な原因となっている。

目的
新生児室での CA-MRSA の新規株によるアウトブレイクの制御の成功について記述すること。

方法
2012 年 7 月に発生したアウトブレイクに関する調査について、実施した制御策と併せて報告する。MRSA 分離株の分子タイピングも行った。

結果
CA-MRSA による皮膚・軟部組織感染症のアウトブレイクが新生児室で発生した。1 か月間に 6 例の新生児が感染した(感染率 8.5%、71 例中 6 例)。原因は CA-MRSA の新規変異株であり、その特性としては、USA-300 と関連しており、Panton-Valentine 型ロイコシジン(PVL)陽性、アルギニン異化可動性要素(ACME)陰性、シークエンス型(ST)8、ブドウ球菌カセット染色体 mec(SCCmec)IVa 型、agr I 型、および spa t008 型であった。満期産新生児のアウトブレイクは急速な伝播パターンを示し、すべての新生児に対するクロルヘキシジンによる清拭などの種々のアウトブレイク制御策の実施によって制御に成功した。

結論
本稿は、韓国での USA300 に関連する CA-MRSA クローンによる病院アウトブレイクの最初の報告である。病院環境で CA-MRSA 伝播の減少を図るためには、アウトブレイクの早期検知と感染制御策の強化が重要である。

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監訳者コメント
898床を有する韓国の病院の新生児室で発生した CA-MRSA のアウトブレイク(1 か月以内に 71 名の新生児のうち 6 名が皮膚・軟部組織感染症を発症した)に関する記述疫学研究である。どの病院でも起こり得る比較的シンプルなアウトブレイクに対して、菌株の解析と行った感染対策について丁寧に記述・考察しており、その内容はともかく、記述の方法や考察については目の前で起きる日常の感染対策について、それを研究報告の形に仕上げたいと考えている感染管理担当者には参考になるはずである。

集中治療室感染症、およびその転帰の 80 歳以上の患者と 80 歳未満の患者との比較

Comparison of intensive-care-unit-acquired infections and their outcomes among patients over and under 80 years of age

J-M. Maillet*, E. Guérot, A. Novara, J. Le Guen, H. Lahjibi-Paulet, G. Kac, J-L. Diehl, J-Y. Fagon
*Hôpital Européen Georges-Pompidou, France

Journal of Hospital Infection (2014) 87, 152-158


背景
80 歳を超える患者の集中治療室(ICU)への入室が増加している。しかし、この患者集団の ICU 感染症についてはほとんど知られておらず、また侵襲的処置の実施率は増加している。

目的
高齢(80 歳以上)患者およびこれより若年の患者の ICU 感染症の頻度と影響を比較評価すること。

方法
大学病院の 18 床の ICU に 3 年間で 3 日以上入室した連続症例を後向きに評価した。

結果
研究対象集団の 18.9%が高齢患者であった。入室時の臓器機能不全の平均有病率は、高齢患者と若年患者で同等であった。侵襲的処置の実施状況も高齢患者と若年患者で同等であり、2 日を超える侵襲的人工呼吸 67.4%対 55%、中心静脈カテーテル留置 56.9%対 51.4%、腎代替療法 17.6%対 17.8%であった。ICU 感染症発生率は高齢患者 16.5%、若年患者 13.9%(P = 0.28)、1,000 ICU 日あたりの ICU 感染症エピソード数は 20.5 対 18.9 であった(P = 0.2)。Cox モデルにより、ICU 感染症の独立リスク因子として中心静脈カテーテル留置および 2 日以上の侵襲的人工呼吸が特定された。ICU 感染症と、ICU への長期入室、看護師の仕事量増加、ICU および病院死亡率との関連は、高齢患者と若年患者で同等であった。

結論
ICU 感染症発生率は高齢患者と若年患者で同等であり、ICU 感染症と、ICU 入室期間、看護師の仕事量、侵襲的処置の実施率が高い ICU での死亡率との関連も、高齢患者と若年患者で同等であった。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
平均寿命の増加により、高齢者、特に 80 歳以上の患者の集中治療室(ICU)への入室頻度は増加し、入室者の 10%以上との報告もある。それにもかかわらず、高齢者への治療は、若い患者に較べ、集中治療の程度が低いともいわれている。さらに 80 歳以上の高齢者の ICU 入室患者の感染症に関する研究はほとんどない。日本においては、医療制度と高齢化により、高齢者の ICU 入室は増加の一途をたどっている。本研究は、80 歳以上の高齢者の ICU 入室関連の感染症(人工呼吸器関連感染、中心静脈カテーテル関連感染、尿路感染など)についての研究であり参考になる。ただし、高齢者においては ICU 入室前のバイアスがかかっている可能性がある。

ワークフロー統合ソフトウェアを用いて構築したデータウェアハウスの解析による集中治療室のオーダーメードの感染症サーベイランスシステムの妥当性分析

Validity analysis of a unique infection surveillance system in the intensive care unit by analysis of a data warehouse built through a workflow-integrated software application

L. De Bus*, G. Diet, B. Gadeyne, I. Leroux-Roels, G. Claeys, K. Steurbaut, D. Benoit, F. De Turck, J. Decruyenaere, P. Depuydt
*Ghent University Hospital, Belgium

Journal of Hospital Infection (2014) 87, 159-164


背景
当集中治療室(ICU)では、意思決定支援コンピュータープログラムを開発・導入している。これによって感染に関連するすべての患者データを概観することが可能であり、また ICU の医師が回診中に臨床情報を追加できるため、データベースを前向きに構築することができる。

目的
本データベースの解析によって、ICU 感染に関するコンピューター支援サーベイランスの妥当性を評価すること。

方法
36 床の内科・外科 ICU で 4 か月間にわたり、ICU 獲得型の呼吸器感染症(RTI)、血流感染症(BSI)、および尿路感染症(UTI)を対象としてコンピューター支援サーベイランスと文書ベースの前向きサーベイランスの比較を行った。第三者委員会がコンピューター支援サーベイランスと文書ベースの前向きサーベイランスで一致しない症例のデータを精査した。

結果
876 件の ICU 入室から、文書ベースの前向きサーベイランスにより 89 件の ICU 感染症(BSI 13 件、UTI 18 件、RTI 58 件)、コンピューター支援サーベイランスにより 90 件の ICU 感染症(BSI 14 件、UTI 17 件、RTI 59 件)が特定された。コンピューター支援サーベイランスと文書ベースの前向きサーベイランスの一致例は、BSI 13 件(100%)、UTI 14 件(77.8%)、RTI 42 件(72.4%)であった。全体では69 件(77.5%)の感染症が一致し、κスコアは 0.74 であった。不一致の原因となったデータの記録に関する過誤の件数は、文書ベースの前向きサーベイランスでは 11 件、コンピューター支援サーベイランスでは 14 件であった。観察者間の不一致は合計 16 件発生し、その理由は感染症の基準(RTI 13 件)および感染部位(RTI 2 件、UTI 1 件)であった。コンピューター支援サーベイランスによる情報収集の所要時間は、文書ベースの前向きサーベイランスの 30%未満であった。

結論
日常的なワークフローを通じて構築したデータベースの解析によって、ICU 感染症のコンピューター支援サーベイランスは実施可能なサーベイランス手法であり、文書ベースの前向きサーベイランスとの一致は良好であることが示された。コンピューター支援サーベイランスと文書ベースの前向きサーベイランスの不一致は、主として観察者間変動によるものであった。

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監訳者コメント
日本における電子カルテシステムの進歩は著しいが、いまだに満足できる感染症データベースソフトはない。これまでのサーベイランスは人的判断による部分が多く、観察者により判定が異なるため、サーベイランスには専門的判断が必要となる。継続することが困難となる原因ともなっている。一方、コンピューターデータベースによるサーベイランスは労力が少なく、その有用性が期待される。日本でも統一された電子データに基づくサーベイランスソフトが開発され、労力をかけずにできることが期待される。

カテーテル関連血流感染症:3 次病院における疾患負荷

Catheter-related bloodstream infection: burden of disease in a tertiary hospital

H.R. Martínez-Morel*, J. Sánchez-Payá, M.J. Molina-Gómez, P. García-Shimizu, V. García Román, C. Villanueva-Ruiz, M. González-Hernández, A. Nolasco-Bonmatí
*Alicante University General Hospital, Spain

Journal of Hospital Infection (2014) 87, 165-170


背景
サーベイランスプログラムは、カテーテル関連血流感染症(CRBSI)の制御のための最も効果的なツールとされている。しかし、あらゆる病院環境を対象としているプログラムを調査した研究はほとんどない。

目的
カテーテルの挿入と維持に関する推奨事項の遵守を基本とする CRBSI 制御プログラムの結果を、3 次病院での 1 年間の疾患負荷を指標として報告すること。

方法
あらゆる病院環境を対象とする CRBSI 制御プログラムを実施した。このプログラムは、CRBSI のサーベイランス、遵守成績の評価のためのカテーテル挿入・メンテナンスの直接観察、および医療従事者に対する教育により構成されるものであった。

結果
全体で、短期型カテーテルの挿入は 1,546 例に対して 2,043 本、18,570 カテーテル日であり、長期型カテーテルの挿入は 243 例に対して 279 本、40,440 カテーテル日であった。1 年間の 1,000 カテーテル日あたりの CRBSI 発生率は、短期型カテーテル 5.98 件(第 1 期 6.40 件、第 2 期 5.64 件)、長期型カテーテル 0.57 件(第 1 期 0.66 件、第 2 期 0.43 件)であった。挿入手順を 140 回観察し、平均挿入時間は 13 分(標準偏差 7 分)であった。推奨事項の遵守率は手指衛生 86.8%、クロルヘキシジン・アルコール溶液による皮膚消毒 35.5%、マスク着用 93.4%、手袋着用 98.7%、ガウン着用 75.0%、滅菌クロス使用 93.8%、帽子着用 92.2%、ドレッシング使用 62.7%、無菌操作 89.5%であった。メンテナンスのための処置を 45 回観察し、遵守率は手指衛生 42.1%、手袋着用 78.1%、クロルヘキシジンのアルコール溶液によるポート消毒 32.5%であった。

結論
当院で実施した CRBSI 制御プログラムにより CRBSI 発生率が低下し、全体的な疾患負荷に関する重要な情報が得られ、今後の介入改善につながると考えられる方法が判明した。

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監訳者コメント
医療関連感染サーベイランスの内の CRBSI の発生動向と実際の関係する処置手順が適切かどうかを同時並行して確認し分析している論文である。観察されているという影響(Hawthorne 効果)も手伝い、効果的な反面、持続性が課題となる。

ロンドンの病院におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)保菌に対する入院時の選択的スクリーニングと普遍的スクリーニングの意義の比較

Implications of targeted versus universal admission screening for meticillin-resistant Staphylococcus aureus carriage in a London hospital

J.A. Otter*, Olga Tosas-Auguet, M.T. Herdman, B. Williams, D. Tucker, J.D. Edgeworth, G.L. French
*King’s College London, and Guy’s and St Thomas’ Hospital NHS Foundation Trust London, UK

Journal of Hospital Infection (2014) 87, 171-174


イングランドでは 2010 年以降、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)に対する入院時の普遍的スクリーニングが実施されている。著者らは、MRSA 検出のための入院時の普遍的スクリーニングの初年度データに基づく回帰モデルの予測能を評価した。従来の選択的スクリーニング方針を適用した場合は、スクリーニング対象の患者数は 75%少なかったと推定された(1 年間で 21,699 例)。しかしこれによって特定できたのは、全 MRSA 保菌者の約 55%、医療関連 MRSA 株の 65%、市中獲得型 MRSA 株の 40%のみであったと推定された。入院時に MRSA 保菌患者の約 45%(1 年間で 262 例)を特定できないことは、MRSA 制御にとって重要な意義があると考えられる。

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監訳者コメント
この論文では MRSA をどのようにスクリーニングしたのか書かれていない。極めて質の低い論文だと考える(おそらく培養法であろう)。

American Type Culture Collection(ATCC)株および集中治療室の患者から最近分離した微生物で汚染させた表面の消毒に関する GlosairTM 400 の有効性の定量的評価

Quantifying GlosairTM 400 efficacy for surface disinfection of American Type Culture Collection strains and micro-organisms recently isolated from intensive care unit patients

R. Herruzo*, M.J. Vizcaíno, I. Herruzo
*Universidad Autónoma de Madrid, Spain

Journal of Hospital Infection (2014) 87, 175-178


病院の環境表面の微生物汚染は入院患者の感染源となることがある。著者らは、ガラス製担体に付着させた American Type Culture Collection(ATCC)株 2 株と臨床分離株 18 株に対する GlosairTM 400 の有効性を評価した。残存微生物の検出に先立ち、担体を 60 分間空気乾燥させ、その後、一連の処理に供した。抗菌薬感性グラム陰性桿菌は、抗菌薬耐性グラム陰性桿菌、抗菌薬耐性グラム陽性桿菌、および酵母様真菌と比較して本法に対する感受性が低かった(それぞれ 3 log10、3.4 log10、および 4.6 log10 低下、有意差はなし)。結論として、エアロゾル化過酸化水素により、非清浄表面の患者由来微生物が平均 3 log10 以上減少した。

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監訳者コメント
エアロゾル化過酸化水素発生装置である GlosairTM 400 の評価に関する論文である。経時的にどのくらいの曝露時間があれば効果的かは検証されていない。

人工股関節全置換術後の熱帯感染症の一例

Tropical infection after a case of total hip arthroplasty

C. Joseph*, A. Meybeck, H. Melliez, T. Boyer, L. Fortin-Lebraud, V. Lovi, M. Douaud, M. Pradier, E. Senneville
*Dron Hospital, France

Journal of Hospital Infection (2014) 87, 179-181


マラリアは、地域的流行がみられない地域では主として輸入感染症である。本稿では、地域的流行がみられない地域における熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)による輸血関連マラリアの 1 症例を報告する。初期臨床症状はマラリアと一致するものであったが、疫学的リスク因子が特定されなかったためにマラリアの診断には至らなかった。本症例は、地域的流行がみられない国でも依然として輸血によるマラリアが発生することを示唆している。マラリアの地域的流行がみられない国では、輸血によるマラリアの予防・診断のためには臨床検査の役割が極めて重要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
輸血によるマラリア感染事例は国内でも症例報告がある。企業戦士や旅行者の多くがこうした感染症の流行地域に旅行する機会も増えており、用心が必要である。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.