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レーティング:[監訳者による格付け]
★★…是非読むことをお勧めする論文 ★…読むことをお勧めする論文

抗菌介入へのナノメディシンの使用

Nanomedicines for antimicrobial interventions

F. Cavalieri*, M. Tortora, A. Stringaro, M. Colone, L. Baldassarri
*Universitá degli studi di Roma Tor Vergata, Italy

Journal of Hospital Infection (2014) 88, 183-190


抗菌療法の新たなツールの開発は、多剤耐性微生物やクローンの出現、およびより効果的な抗菌戦略の必要性に対応するために行われる。到達が困難な細菌や静止中の細菌(すなわち、バイオフィルム中の細菌)に対する早期診断や介入を行ううえでの障壁を取り除くことは、困難な課題である。本総説では、医療関連感染の予防・制御に使用可能な有機的、無機的、およびハイブリッド物質について、一連の説明を行う。また、ナノ粒子および微小粒子を用いた抗菌薬に関する最新の知見を報告するとともに、それらの想定される作用機序について記述する。

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監訳者コメント
薬品開発の 1 つとして、Drug Delivery System(DDS;薬物輸送システム)を活用する方法がある。薬剤を脂質膜などで包むことにより、途中で吸収・分解されることなく患部に到達させて治療効果を高めたり、あるいは、副作用の軽減を目的とするものである。本論文では、この DDS を用いた抗菌薬の開発や、ナノテクノロジーの技術を応用した銀イオンなどの金属の微粒子の抗菌活性の活用などについて解説している。特に薬剤師にとっては、現在の開発状況が垣間見える興味深いレビューである。

バンコマイシン耐性腸球菌の拡散の制御:積極的スクリーニングは有用か?★★

Controlling the spread of vancomycin-resistant enterococci. Is active screening worthwhile?

H. Humphreys*
*Royal College of Surgeons in Ireland and Beaumont Hospital, Ireland

Journal of Hospital Infection (2014) 88, 191-198


バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は、医療関連感染の重要な原因となっている。積極的スクリーニング、すなわちリスク患者から直腸スワブや便サンプルを用いて保菌を検出することは、これまでに認知できていなかった症例を特定できるため、予防に寄与すると考えられている。本総説の目的は、VRE スクリーニングが予防・制御、その費用対効果、および最近の検出検査法に及ぼす影響を明らかにすることである。2000 年以降に公表された英語の研究のレビューを行った。種々のガイドライン類が利用・調査されていた一方で、原著論文・研究が重視されていた。スクリーニング対象とすべきと考えられる患者集団は、重症管理室、血液腫瘍内科、および移植部門への入院患者、長期透析患者、ならびに長期滞在型施設から急性期病院への入院患者であることが判明した。積極的スクリーニングは、一部の研究では VRE 保菌・感染の減少および費用の節減との関連が示されていたが、これらはランダム化研究ではなかった。選択培地により検出感度が上昇し、検出時間が短縮するが、分子的手法の意義をさらに検討する余地がある。結論として、積極的スクリーニングは、おそらくは隔離などの制御策に対する意識を向上させることによって、VRE 予防に寄与する。しかし、さらなる研究によって、スクリーニングを必要とする高リスク集団をより明確にし、臨床的・経済的有益性を定量的に評価し、多様な患者集団における最適な検査方法を特定する必要がある。

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監訳者コメント
VRE のリスク因子、スクリーニングとそのインパクト、検査方法についての公表論文のレビューである。知りたいところが「まるっ」とまとめられている。

手指乾燥法の微生物学的比較評価:環境、使用者、および第三者の汚染の可能性

Microbiological comparison of hand-drying methods: the potential for contamination of the environment, user, and bystander

E.L. Best*, P. Parnell, M.H. Wilcox
*Leeds Teaching Hospitals NHS Trust, UK

Journal of Hospital Infection (2014) 88, 199-206


背景
病原体伝播を予防するためには効果的な手指乾燥が重要であるが、環境および使用者の汚染に対する影響が最も少ない乾燥法に関する知見はわずかである。

目的
普及している 3 種類の手指乾燥法(ジェット空気乾燥、温風乾燥、およびペーパータオル)による環境、使用者、および第三者に対する汚染状況を比較すること。

方法
洗浄が不十分な汚染手指のシミュレーションとして手指に乳酸菌を塗布し、乾燥させた。本研究では 120 回の空気サンプル採取試験(試験 60 回、対照 60 回)を行い、乾燥作業位置の近傍および 1 m の距離の 2 か所で評価を実施した。別の試験として、飛沫の飛散を視覚化するために手指に塗料を塗布した。

結果
手指乾燥作業位置の近傍での空気中細菌数は、ジェット空気乾燥(70.7 cfu)は温風乾燥機(15.7 cfu)より 4.5 倍多く(P = 0.001)、ペーパータオル(2.6 cfu)より 27 倍多かった(P < 0.001)。ペーパータオルによる乾燥と温風乾燥との空気中細菌数の比較でも、有意差が認められた(P = 0.001)。1 m の距離でも細菌数には同様のパターンが認められた。視覚化実験では、飛沫の拡散はジェット空気乾燥で最も多いことが示された。

結論
ジェット空気乾燥および温風乾燥では、手指乾燥時にエアロゾル化する細菌数が多い。これらの結果から、空気乾燥は、微生物の空気伝播による交差汚染を環境および手洗い所の第三者にもたらす可能性があるため、医療環境では不適切であることが示唆された。

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監訳者コメント
手洗い後の空気乾燥は医療施設では不適切であることを明らかにした論文である。と同時に、たとえペーパータオル使用であったとしても、不十分な手洗いが手洗い場の周囲を汚染することが一目でわかる写真は、とてもインパクトがあった。

内視鏡のすすぎ水および最終すすぎの検査:5 年間の経験

Endoscopy supply water and final rinse testing: five years of experience

A. Marek*, A. Smith, M. Peat, A. Connell, I. Gillespie, P. Morrison, A. Hamilton, D. Shaw, A. Stewart, K. Hamilton, I. Smith, A. Mead, P. Howard, D. Ingle
*Glasgow Royal Infirmary, UK

Journal of Hospital Infection (2014) 88, 207-212


背景
内視鏡の再処理において、最後から 2 番目の過程は、最終消毒後の「水によるすすぎ(リンス)」である。このすすぎ水が微生物学的・化学的に質の保たれているものであるか、管理する必要がある。

目的
内視鏡器具用の最終すすぎ水について、5 年間にわたり水質を検査、報告、管理した経験について報告すること。

方法
3 台の内視鏡再処理ユニット(それぞれが2 機の逆浸透[RO]給水装置と連結された 5 台の内視鏡洗浄・消毒装置からなる)の最終すすぎ水の水質のモニタリングと管理を、週 1 回実施した。内視鏡洗浄・消毒装置は毎夜自動的に加熱消毒を行い、RO 給水装置には定期的に過酢酸による消毒・浄化を施した。最終すすぎ水について、総生菌数、シュードモナス(Pseudomonas)属菌、エンドトキシン、電気伝導度、環境抗酸菌、レジオネラ(Legionella)属菌の定期的な評価を行った。

結果
5 年間(2008 年から 2013 年)の試験期間中に、内視鏡すすぎ水から Pseudomonas 属菌、環境抗酸菌、Legionella 属菌が分離されることはなかった。電気伝導度の測定値はすべて 30 μs/cm 未満であった。エンドトキシンレベルは推奨カットオフ値に設定した 0.25 EU/mL を超えて変動したが、総生菌数との相関はみられなかった。総生菌数の傾向分析に基づいて、警報基準値および介入基準値を設定した。1 台の内視鏡洗浄・消毒装置の給水に Aspergillus 属菌の汚染がみられた以外には、内視鏡再処理ユニットの動作性能に支障は認められなかった。

結論
内視鏡洗浄・消毒装置の適切な熱消毒・化学的消毒法を組み入れた質管理指針により、最終すすぎ水は微生物学的基準に到達した。このような成功を収めるためには、微生物部門、感染制御部門、内視鏡装置管理者、および設備部門が協調したチームでのアプローチが必要である。

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監訳者コメント
内視鏡の洗浄・消毒の最終過程における手順として、本邦では消毒薬のすすぎの後、アルコールフラッシュを行い、乾燥させる方法が推奨されている。またすすぎに使用する「すすぎ水」についても、上記のような RO 水が用いられることはあまりない。海外と状況は異なっているが、アルコールによる内視鏡部品の劣化や、「すすぎ水」汚染に関する情報の乏しさ、十分な乾燥の確保など、本邦での課題は多い。「すすぎ水」の質的担保とその重要性に関する認識が広まり、さらなる検討が進むことを望みたい。

クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染による入院期間の延長および死亡率の増加:多状態モデルによるアプローチ

Excess length of stay and mortality due to Clostridium difficile infection: a multi-state modelling approach

E. van Kleef*, N. Green, S.D. Goldenberg, J.V. Robotham, B. Cookson, M. Jit, W.J. Edmunds, S.R. Deeny
*London School of Hygiene and Tropical Medicine, London, UK

Journal of Hospital Infection (2014) 88, 213-217


背景
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症などの医療関連感染症によって生じる負荷は、それによる入院期間の延長や死亡率の増加を指標として表すことができる。しかし、これまでの推定値はばらつきが大きく、感染症発症の時期(時間依存性バイアス)を考慮した研究はあるものの、医療関連 C. difficile 感染症(HA-CDI)の重症度の影響を考慮したものはない。これを明らかにすることが本研究の主な目的である。

方法
Cox 比例ハザードモデルを用いて、1 日あたりの院内死亡リスクと退院をモデル化した。このモデルを、英国の大規模教育病院を 2012 年に退院した患者のデータに適用し、HA-CDI までの期間を時間依存性の変数として扱うとともに、交絡因子を補正した。また、非重症の HA-CDI と重症の HA-CDI のそれぞれがもたらす臨床的影響の指標として、退院の遅延日数を推定する多状態モデルを作成した。

結果
42,618 例中の HA-CDI 157 例(このうち重症は48例)のデータを対象とした。HA-CDI によって、1 日あたりの退院率は非 HA-CDI 患者と比較して約 4 分の 1 減少し(ハザード比[HR]0.72、95%信頼区間[CI]0.61 ~ 0.84)、院内死亡率は 75%増加した(HR 1.75、95%CI 1.16 ~ 2.62)。全 HA-CDI による入院期間の平均延長日数は約 7 日(95%CI 3.5 ~ 10.9 日)であったが、重症例での入院期間の平均延長日数は約 11.6 日(95%CI 3.6 ~ 19.6 日)であり、非重症例(約 5 日、95%CI 1.1 ~ 9.5 日)の 2 倍となった。

結論
HA-CDI は入院期間を延長するとともに、死亡リスクを上昇させる。しかしながら、HA-CDI の発症で生じた医療上および経済的な負荷を定量的に評価すれば、その影響の評価でみられたばらつきは説明可能になると考えられる。

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監訳者コメント
医療関連感染としての CDI 発生による入院期間や医療費、医療経済への影響については、これまで多数の検討と報告があったが、CDI の重症度を考慮して層別化した研究は少なかった。今回の結果は臨床的にも合致するものであるが、それを定量的に示し得たという点で、本研究は評価されると思われる。

クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)リボタイプ 027 は長期ケア施設から転院した入院患者での保有率が高い

Clostridium difficile ribotype 027 is most prevalent among inpatients admitted from long-term care facilities

L.R. Archbald-Pannone*, J.H. Boone, R.J. Carman, D.M. Lyerly, R.L. Guerrant
*University of Virginia, Charlottesville, VA, USA

Journal of Hospital Infection (2014) 88, 218-221


クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症を有する入院成人患者 196 例を対象として、長期ケア施設(LTCF)でのリボタイプ 027 の影響を明らかにするために便中ラクトフェリンおよびリボタイプを用いて腸管の炎症の評価を行った。LTCF からの入院患者(28 例)は、自宅からの入院患者と比較して抗菌薬使用量が多く(P = 0.049)、リボタイプ 027 感染が多くみられた(オッズ比[OR]4.87、95%信頼区間[CI]2.02 ~ 11.74、P < 0.01)。リボタイプ 027 株感染患者は、非 027 株による感染患者と比較して 6 か月死亡率が高く(OR 1.90、95%CI 1.08 ~ 3.34、P = 0.03)、腸管の炎症レベルが高かった(95.26 対 36.08 μg/mL、P = 0.006)。本研究は感染を受けた場所を特定するためにデザインしたものではなかったが、本研究の対象集団からは、患者が入院する前にいた場所は、リボタイプ 027 および重度の C. difficile 疾患と強く関連することが示唆される。

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監訳者コメント
切断酵素分析によって BI、パルスフィールド・ゲル電気泳動解析によってNAP1(North American PFGE Type 1)、そして PCR によるリボタイピングによって 027 に分類されるC. difficile(BI/NAP1/027)が、欧米を中心に流行している。この株はフルオロキノロン耐性を示し、患者の死亡率も高いことが報告されている。本論文は、リボタイプ 027 の C. difficile が長期ケア施設からの転院患者に多く、またその予後も不良であることを示したものである。幸い日本では今のところ、このような C. difficile はまれとされている。

住居型介護施設におけるクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)リボタイプ 027 のアウトブレイク

Outbreak of Clostridium difficile ribotype 027 in a residential home

J.J. Clayton*, J. McHale-Owen
*Royal Surrey County Hospital NHS Foundation Trust, UK

Journal of Hospital Infection (2014) 88, 222-225


本稿では、英国の住居型介護施設で発生したクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)リボタイプ 027 感染の重大なアウトブレイクについて報告する。感染した入居者 6 例中 5 例が、診断から 1 か月以内に死亡した。発生施設の調査により、手指衛生および環境清掃に問題があることが明らかになった。感染した入居者は、診断前の 2 か月間に平均 2.7 コースの抗菌薬療法を受けていた。住居型介護施設では C. difficile アウトブレイクが発生する可能性があることを認識することが重要である。ケアを受けている人々の安全を確保するために、医療ケアおよび社会的ケアの両システムが緊密に協働する必要がある。

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監訳者コメント
住居型介護施設における毒性の高いリボタイプ 027 の C. difficile によるアウトブレイクの報告である。6 名の発症者のうち 5 名が死亡(うち C. difficile が直接の死因となった患者は 2 名)であった。手指衛生と環境整備に問題があったとされているが、それに加えて、これらの患者が過去 2 か月間に平均 2.7 コースの抗菌化学療法を受けていた。本報告は、住居型介護施設でもこのようなアウトブレイクが起き得るということよりも、C. difficile 感染症のコントロールには抗菌薬の適正使用が重要であるということが、重要なメッセージだと考える。

新生児室の乳児におけるプロバイオティクス微生物の交差保菌

Cross-colonization of infants with probiotic organisms in a neonatal unit

L. Hickey*, S.M. Garland, S.E. Jacobs, C.P.F. O’Donnell, S.N. Tabrizi on behalf of the ProPrems Study Group
*Royal Children’s Hospital, Australia

Journal of Hospital Infection (2014) 88, 226-229


本研究の目的は、臨床試験で早産児に対してプロバイオティクスを投与した新生児室における乳児間のプロバイオティクス交差保菌について調査することである。臨床試験中および臨床試験終了後の 2 つの時点で、新生児室の乳児から得た便サンプルの検査を行った。臨床試験中に乳児 43 例のサンプルの検査を行い、プロバイオティクス投与を受けた全 5 例および投与を受けていない 38 例中 3 例が保菌していた。臨床試験後の検査では 44 例中 1 例のみが保菌していた。本研究の交差保菌率は、これまでのプロバイオティクスの研究と比較して低値であった。

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監訳者コメント
細菌の定着は、手指や環境を介した伝播により発生することは周知の事実であり、耐性菌による場合はその伝播はアウトブレイクにつながり重大な状況となる。整腸剤として知られるプロバイオティクスは時に菌血症を合併することがあり、注意が必要である。本論文では Bifidobacterium infants、B. lactis、Streptococcus themophilus の 3 菌からなるプロバイオティクスを指標に、交差感染による保菌状況を調査し、非投与群での保菌率は 8%と低値であった。過去の報告 35%~40%に較べて極めて低く、交差感染が少ないことが示唆されたが、その理由として、①コット間の間隔や配置における環境面、②80%以上の手指衛生コンプライアンスが、その要因であるとしている。

監訳者注:
プロバイオティクス(probiotics):腸内細菌と種々の疾患の発生メカニズムとの関連で、プロバイオティクスは注目され、生体への有用性と有害性の両面で議論されている。「プロバイオティクス(probiotics)は、抗生物質(antibiotics)に対比される言葉で、共生を意味するプロバイオシス(probiosis)(pro:共に、~のために、biosis:生きる)を語源としている。英国の微生物学者 Fuller による 1989 年の定義「腸内フローラのバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物」が広く受け入れられている(ヤクルト中央研究所ウェブサイトより)。

長期入院中の患者を対象としたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)およびバンコマイシン耐性腸球菌の積極的サーベイランス方針の意義★★

Value of an active surveillance policy to document clearance of meticillin-resistant Staphylococcus aureus and vancomycin-resistant enterococci amongst inpatients with prolonged admissions

A. Ghosh*, L. Jiao, F. Al-Mutawa, C. O’Neill, D. Mertz; Hamilton Health Sciences Infection Prevention and Control Team
*McMaster University, Canada

Journal of Hospital Infection (2014) 88, 230-233


本稿では、隔離予防策の終結を目的とした、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)またはバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の保菌が確認されている長期入院中の患者からのそれらの菌の消失を判定するための積極的サーベイランス方針の効果を報告する。30 日を超えて入院中の保菌患者 365 例からの中央値 23 日後の MRSA 消失率は 11%、中央値 26.5 日後の VRE 消失率は 18%であり、これによって 1 年間にわたって 2,152 患者日の接触予防策を節減することができた。この方針は費用対効果が高いことが示された。

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監訳者コメント
MRSA や VREの保菌者に対して接触予防策(CP)を実施しているが、CP による患者への弊害もある。したがって、できる限り早期に CP を解除したいが、「抗菌薬終了して 1 週間経過した後、最低 7 日間空けた 3 回の検査において連続 3 回陰性を確認後解除する」のが一般的である。本論文では自然に排菌がなくなる時期を積極的サーベイランスにより検討し、隔離解除の時期を決めることで費用対効果があるとしている。しかし、保菌者の自然除菌率が 10%~20%と低く、そのうちの再保菌率が MRSA で 20%、VRE で 7%ある。「検出されない≠菌の消失」であり、検査の検出感度以下であることも理解しておかねばならない。ちなみに他の報告では、MRSA 25%~60%(8.5 か月)、VRE 54%(4.7 週)であり、これらを考慮すると、解除のための積極的サーベイランスの是非についてはまだまだ議論の余地があり、データの集積が必要である。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.