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クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染による入院期間の延長および死亡率の増加:多状態モデルによるアプローチ

Excess length of stay and mortality due to Clostridium difficile infection: a multi-state modelling approach

E. van Kleef*, N. Green, S.D. Goldenberg, J.V. Robotham, B. Cookson, M. Jit, W.J. Edmunds, S.R. Deeny
*London School of Hygiene and Tropical Medicine, London, UK

Journal of Hospital Infection (2014) 88, 213-217


背景
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症などの医療関連感染症によって生じる負荷は、それによる入院期間の延長や死亡率の増加を指標として表すことができる。しかし、これまでの推定値はばらつきが大きく、感染症発症の時期(時間依存性バイアス)を考慮した研究はあるものの、医療関連 C. difficile 感染症(HA-CDI)の重症度の影響を考慮したものはない。これを明らかにすることが本研究の主な目的である。

方法
Cox 比例ハザードモデルを用いて、1 日あたりの院内死亡リスクと退院をモデル化した。このモデルを、英国の大規模教育病院を 2012 年に退院した患者のデータに適用し、HA-CDI までの期間を時間依存性の変数として扱うとともに、交絡因子を補正した。また、非重症の HA-CDI と重症の HA-CDI のそれぞれがもたらす臨床的影響の指標として、退院の遅延日数を推定する多状態モデルを作成した。

結果
42,618 例中の HA-CDI 157 例(このうち重症は48例)のデータを対象とした。HA-CDI によって、1 日あたりの退院率は非 HA-CDI 患者と比較して約 4 分の 1 減少し(ハザード比[HR]0.72、95%信頼区間[CI]0.61 ~ 0.84)、院内死亡率は 75%増加した(HR 1.75、95%CI 1.16 ~ 2.62)。全 HA-CDI による入院期間の平均延長日数は約 7 日(95%CI 3.5 ~ 10.9 日)であったが、重症例での入院期間の平均延長日数は約 11.6 日(95%CI 3.6 ~ 19.6 日)であり、非重症例(約 5 日、95%CI 1.1 ~ 9.5 日)の 2 倍となった。

結論
HA-CDI は入院期間を延長するとともに、死亡リスクを上昇させる。しかしながら、HA-CDI の発症で生じた医療上および経済的な負荷を定量的に評価すれば、その影響の評価でみられたばらつきは説明可能になると考えられる。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
医療関連感染としての CDI 発生による入院期間や医療費、医療経済への影響については、これまで多数の検討と報告があったが、CDI の重症度を考慮して層別化した研究は少なかった。今回の結果は臨床的にも合致するものであるが、それを定量的に示し得たという点で、本研究は評価されると思われる。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.