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レーティング:[監訳者による格付け]
★★…是非読むことをお勧めする論文 ★…読むことをお勧めする論文

クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)の殺芽胞性検査法の開発★★

Development of a sporicidal test method for Clostridium difficile

A.P. Fraise*, M.A.C. Wilkinson, C.R. Bradley, S. Paton, J. Walker, J.-Y. Maillard, R.L. Wesgate, P. Hoffman, J. Coia, C. Woodall, C. Fry, M. Wilcox
*Queen Elizabeth Hospital, UK

Journal of Hospital Infection (2015) 89, 2-15


背景
抗クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)効果をうたう消毒薬は、患者への環境由来の感染源となる芽胞に対する効果を確認するための評価を受ける必要がある。残念ながら、現時点ではこれらの消毒薬の評価方法として広く認められているものはない。検査室ではそのような方法がない状況で、医療環境で使用する製品のために作成されたわけではないプロトコールを準用せざるを得ないため、検査に用いる微生物、曝露時間、および合格基準が不適切となる可能性がある。

目的
臨床使用に適した曝露時間および合格基準を用いて、C. difficile 芽胞に対する消毒薬の効果を検査する方法を開発・評価すること。

方法
Healthcare Infection Society(HIS)およびイングランド保健省の Antimicrobial Resistance and Healthcare Associated Infections(ARHAI)諮問委員会からなる合同作業部会を招集した。当作業部会は既報にみられる酵素を用いる芽胞精製法(Clospore 法)を改変し、5 分間の曝露時間で 5 log10 の芽胞数減少という合格基準を採用した。

結果
本法の評価を 3 か所の検査室で実施し、本法は実施が容易であること、および結果には再現性があることが確認された。

結論
作業部会が提示した方法により、純度が高い高濃度の芽胞懸濁液が得られた。環境に使用する消毒薬としては、検査の要件である清潔または汚染条件下で 5 分間に 5 log10 の芽胞数減少を示す製剤が推奨される。

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監訳者コメント
C. difficile に対する消毒薬の効果検定で重要なのは、芽胞型菌への消毒効果である。本論文は菌液調整に標準的な方法を規定して安定的な検査を可能にしている点で参考になる。

環境表面に付着する病原菌とそのバイオフィルムと消毒薬感受性:病院の清掃・消毒における対応★★

Surface-attached cells, biofilms and biocide susceptibility: implications for hospital cleaning and disinfection

J.A. Otter*, K. Vickery, J.T. Walker, E. deLancey Pulcini, P. Stoodley, S.D. Goldenberg, J.A.G. Salkeld, J. Chewins, S. Yezli, J.D. Edgeworth
*King’s College London and Guy’s and St. Thomas’ NHS Foundation Trust, UK

Journal of Hospital Infection (2015) 89, 16-27


微生物は身近な表面に付着し、直ちにバイオフィルムを形成する性質があるため、医療環境で問題となる。バイオフィルムはこれまで、濡れているまたは湿潤な表面、例えば留置医療器材や医療器具のチューブとの関連が指摘されてきた。しかし、微生物は病院の乾いた表面上で乾燥状態にあっても長期間生存し、最近はバイオフィルムも病院の乾いた表面上で検出されることが報告されている。表面に付着した微生物やバイオフィルム内の微生物は、殺生物剤、抗菌薬、および物理的ストレスに対する感受性が低い。このような表面付着および/またはバイオフィルム形成という観点から、栄養細菌がいかにして表面上で数週間から数か月(またはさらに長期間)にわたり生存するのか、どのように環境サンプリングでの微生物回収を困難にしているのか、また耐性遺伝子の水平移動が生じる細菌混合集団をどのように生じさせているかについて、説明することができると考えられる。既存の洗浄剤や消毒薬のバイオフィルム破壊能には、それらの製剤の病院環境での有効性を評価するうえで重要かつこれまで認識されていなかった意義があると考えられ、検査基準に含めるべきである。病院の乾いた表面上での微生物の特性や生理学、特にバイオフィルムの存在率や成分を明らかにするために、さらなる研究が必要である。これにより、病院の清掃・消毒のための新たな方法(例えば微生物の付着が減少し、微生物の脱落を促進する新規素材による表面)や、表面付着細菌に対する殺生物剤の活性を向上させる方法(例えばバクテリオファージや抗菌ペプチドなど)の情報がもたらされると考えられる。病院の表面の環境汚染に対処するための今後の戦略では、バイオフィルムも含めて表面付着細菌の存在を考慮するべきである。

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監訳者コメント
近年耐性菌対策の一環で院内環境の浄化の重要性が指摘されている。これらの多くの耐性菌はバイオフィルムを産生することから、環境汚染の対策としてバイオフィルム産生菌に対して効力の高い環境消毒薬の適用が望まれる。

消毒薬擦り込み前の手術部位スクラブに意義はあるか? 臨床研究のレビューおよびメタアナリシス

Is surgical site scrubbing before painting of value? Review and meta-analysis of clinical studies


A. Lefebvre*, P. Saliou, O. Mimoz, J.C. Lucet, A. Le Guyader, F. Bruyére, P.H. Roche, K. Astruc, M. Tiv, D. Lepelletier, L.S. Aho-Glélé on behalf of the French Study
*Service d’Epidémiologie et d’Hygiéne Hospitaliéres, CHU Dijon, France

Journal of Hospital Infection (2015) 89, 28-37


背景
手術部位感染症は重大な手術合併症である。消毒薬擦り込み(painting)前の手術部位スクラブの意義については異論がある。

目的
術前の消毒薬擦り込み+その前の手術部位スクラブと、消毒薬擦り込み単独による手術部位感染症の予防を比較した臨床研究のメタアナリシスを実施すること。

方法
PubMed、ScienceDirect、および Cochrane データベースを用いて、術前の消毒薬擦り込み+その前の手術部位スクラブと消毒薬擦り込み単独とを比較し、かつ評価項目として手術部位感染症、皮膚保菌、または有害作用について報告している臨床研究のシステマティックレビューおよびメタアナリシスを実施した。固定効果モデルとランダム効果モデルを検討した。非ランダム化試験を除外し、感度分析を行った。

結果
システマティックレビューにより、患者 570 例を対象として手術部位感染症を評価した 3 件の研究、および患者 1,082 例を対象として皮膚培養陽性を評価した 4 件の研究を特定した。消毒薬擦り込み+手術部位スクラブと消毒薬擦り込み単独との比較で、手術部位感染症または皮膚培養陽性に関する有意差は認められなかった。

結論
結論を得るにはさらなる研究が必要である。本メタアナリシスにおいては、1 件の研究のみで有害作用の特定を行っていたが、イベント発生数が少なかったため手法間の比較はできなかった。皮膚が肉眼的に清潔である場合や患者が術前にシャワーを浴びている場合は、スクラブを行う必要はないと考えられる。

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監訳者コメント
システマティックレビューを行ったが、リソース不足で十分な評価ができていない。

2003 年から 2011 年のロンドンの国営医育病院におけるクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症発生率低下のための介入の分析

Analysis of interventions to reduce the incidence of Clostridium difficile infection at a London teaching hospital trust, 2003‒2011

O. Marufu*, N. Desai, D. Aldred, T. Brown, I. Eltringham
*King’s College Hospital, UK

Journal of Hospital Infection (2015) 89, 38-45


背景
2008 年以降、英国のクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)発生率は大きく低下したが、地方および政府の介入がこの低下にどのように寄与したかについては明らかではない。

目的
分割回帰モデルおよび一元配置分散分析(ANOVA)を用いた後向き解析により、病院獲得型 CDI 発生率低下のための介入の効果を評価し、その解析法の意義を明らかにすること。

方法
8 年間にわたって大規模国営医育病院が実施した 28 件の介入の後向き時系列解析。一元配置 ANOVA を用いて、CDI 発生率と、抗菌薬使用状況の変化および手指衛生遵守率データとの関連を分析した。

結果
いくつかの介入は CDI 発生率低下と関連していたが、介入と介入の間のデータ収集ポイントが不十分であったため、全データについて意義のある解釈ができなかった。セファロスポリン系およびキノロン系薬の使用量減少が、CDI 発生率の低下と関連していた。手指衛生遵守率のばらつきと CDI 発生率との間には、ほとんど関連が認められなかった。

結論
いくつかの介入は CDI 発生率の低下と関連していたが、本研究からは、短期間に多数の介入を実施している場合に感染制御策を評価するための手法としては、後向き時系列解析には限界があることが示された。一元配置 ANOVA により、CDI の減少と高リスクの抗菌薬使用の制限との間に関連があることが示された。研究期間を通じて手指衛生遵守率は比較的高かったが、手指衛生の監査により記録された遵守率と CDI との間には関連はほとんど認められなかった。

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監訳者コメント
感染管理においては、行う介入を 1 つだけに絞ってその効果をみることは難しく、多くの場合で複数の介入を順次、あるいは同時に行うことが一般的である。したがって有効なアウトカムが得られた場合でも、結局どの介入が有効であったのかはわからないことが多い。本研究は英国における CDI の減少に、何の介入が寄与したのかを明らかにすることを目的とし、限界があることを指摘しつつもセファロスポリン系薬とフルオロキノロン系薬の抗菌薬使用制限と CDI の減少に相関があるとしている。ただ一方で、同期間中にはアモキシシリン・クラブラン酸、ピペラシリン・タゾバクタム、メロペネムの使用量は増えていることにも注意が必要かもしれない。これらは ESBL 産生菌やカルバペネム耐性腸内細菌科細菌の増加に寄与しているかもしれないからである。

理髪師および剃刀が原因と考えられたセラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)術後感染症のアウトブレイク

Outbreak of Serratia marcescens postoperative infection traced to barbers and razors

P. Leng*, W.L. Huang, T. He, Y.Z. Wang, H.N. Zhang
*Affiliated Hospital of Qingdao University, China

Journal of Hospital Infection (2015) 89, 46-50


背景
2,640 床の病院の神経外科病棟および脊椎外科病棟で 2012 年 12 月 26 日から 2013 年 6 月 5 日に、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)による術後感染症が 14 例に認められた。

目的
アウトブレイク発生源の調査、リスク因子の特定、および感染制御対策の実施。

方法
医療従事者および想定される環境感染源からの培養を実施した。S. marcescens 分離株の特性を抗菌薬感受性試験およびパルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)法により評価した。後向き症例対照研究を実施し、リスク因子を特定した。

結果
患者 14 例にアウトブレイクが発生し、このうち 5 例は 1 回以上の外科的処置が必要となった。脳脊髄液、脳組織、痰、およびその他の分泌物から S. marcescens が分離された。S. marcescens は理髪師 2 名の手指および剃刀から採取したサンプルでも培養陽性であった。この 2 名の理髪師への曝露(オッズ比[OR]78.0、P < 0.0001)および創部ドレナージ(OR 4.889、P = 0.028)がリスク因子であり、これらの理髪師による術前の剃毛が唯一の独立リスク因子であった(OR 78.0、P < 0.0001)。患者、理髪師、および剃刀からの S. marcescens 分離株は PFGE および抗菌薬感受性パターンでは区別できなかった。関係した理髪師の休職、感染制御手順の大幅な強化、および再教育の後にアウトブレイクは終息した。

結論
これらの結果は、術前のウェットシェービングの術後感染症リスクを明示するものである。

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監訳者コメント
術前の理髪師の剃毛が原因と考えられた S. marcescens による術後感染アウトブレイクの報告である。原因となった理髪師は退職し、新たな理髪師が雇われ、手指衛生・手袋装着のうえ、剃毛を行い、術前日に術野を丁寧にヨードで消毒をすることでアウトブレイクは終息したとあるのだが、やはり中国では理髪師による剃毛そのものを廃止することは難しいのだろうか。

手指衛生モニタリング技術:有効性のシステマティックレビュー

Hand hygiene monitoring technology: a systematic review of efficacy

J.A. Srigley*, M. Gardam, G. Fernie, D. Lightfoot, G. Lebovic, M.P. Muller
*Hamilton Health Sciences, Canada

Journal of Hospital Infection (2015) 89, 51-60


電子的モニタリングシステム(EMS)および映像モニタリングシステム(VMS)は、フィードバックやリアルタイムの注意喚起を行うことにより、またホーソン効果を介して、手指衛生を改善すると考えられる。今回のシステマティックレビューの目的は、EMS/VMS による手指衛生改善効果、または医療関連感染(HCAI)の発生率低下効果を評価することである。手指衛生に関する何らかのアウトカムまたは HCAI 発生率の評価を実施している実験的研究および準実験的研究を対象とした。対象とした研究のうち、7 件はシステムを用いて評価した遵守状況(system-defined compliance;SDC)(6 件)または手指衛生イベント発生率(1 件)をアウトカムとしていた。SDC はすべてのシステムで異なっていた。単一の病棟での研究がほとんど(6 件)であった。音声ガイダンス付きの EMS を評価した 2 件の非対照前後比較研究では、SDC の改善が認められたが、バイアスのリスクが高かった。集計結果のフィードバックを行う VMS を評価した 2 件の非対照時系列分析では、SDC の大幅かつ持続的な改善が認められ、バイアスのリスクは中等度であった。集計結果のフィードバックを行う EMS を評価した非ランダム化対照試験 1 件では手指衛生頻度の差は認められなかったが、バイアスのリスクが高かった。個人ごとのフィードバックおよびリアルタイムの注意喚起を行う EMS を評価した研究は 2 件であった。バイアスリスクの高い前後比較研究では、SDC の改善がみられた。バイアスリスクの低いランダム化試験では介入群のほうが SDC が 6.8%高かったが、その原因の一部は対照群の SDC 低下であった。結論として、全体的に研究の質は低かった。バイアスリスクの最も低い研究では、SDC 改善はわずかであった。バイアスリスクが中等度の VMS の研究では、迅速かつ持続的な SDC 改善が認められた。EMS/VMS を推奨するにはデータは不十分であった。今後の研究では、対照群を設定し、システムに依存しない、検証を受けた手指衛生評価法を用いる強固な研究デザインによる VMS の試験を重視するべきである。

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監訳者コメント
手洗いおよび手指消毒などの手指衛生の遵守率(コンプライアンス)の改善による医療施設内感染の減少は、永遠の課題である。WHO が提唱した「手指衛生の5つの場面」では、「いつ、どんな場面で手指衛生をするのか?」が明確化され、世界中でこの提唱に基づき手指衛生遵守率向上への多くの試みがなされている。遵守率の評価には、直接観察法が現時点では最も信頼性が高いが、訓練された評価者による標準的な評価ができないとその信頼性は低くなる。また、常時観察ができないことも欠点である。それに対して、電子的モニタリング(EMS)や映像モニタリング(VMS)は、常時監視ができ、かつ客観的に判断できるという利点をもつが、これまでの報告では研究デザイン、アウトカムの設定等に問題があり、EMS と VMS の効果を証明するにはエビデンスとして不十分であるとしている。今後、VMS の器材は多数開発されてくることが予測されるが、有効性を証明するためには適切な研究デザインを設定する必要があり、また解決策についても論じている。

レミフェンタニルによる麻酔は術後の手術部位感染症発生率を上昇させる★★

Remifentanil-based anaesthesia increases the incidence of postoperative surgical site infection

T. Inagi*, M. Suzuki, M. Osumi, H. Bito
*Nippon Medical School, Japan

Journal of Hospital Infection (2015) 89, 61-68


背景
大腸手術後の手術部位感染症(SSI)は術後死亡の主要な原因である。オピオイドは白血球に発現したμオピオイド受容体の活性化およびオピオイド離脱を介して免疫抑制を引き起こす。手術中にレミフェンタニルとして投与される高用量オピオイドが免疫抑制を引き起こし、SSI の発生をもたらす可能性がある。

目的
本研究の目的は、SSI 発生に対するレミフェンタニルの影響を調べることである。

方法
2009 年 1 月から 2012 年 12 月に待機的大腸手術を施行した成人患者(286 例)を、米国疾病対策センター(CDC)のガイドラインに従って前向きに調査した。51 例を除外し、235 例を対象として傾向スコアマッチングを行った。SSI の選択の影響を減少させるために、レミフェンタニルで麻酔維持した患者とフェンタニルで麻酔維持した患者の傾向スコアのペアワイズマッチングを行った。

結果
傾向スコアマッチング前に SSI が発生した患者数は、レミフェンタニル麻酔後のほうがフェンタニル麻酔後より多かった(レミフェンタニル群 11.6%[146 例中 17 例]、フェンタニル群 3.4%[89 例中 3 例]、P = 0.03)。傾向スコアマッチングによりレミフェンタニルまたはフェンタニル麻酔を受けた患者ペア 61 組を作り、術前の患者特性のいくつかのバイアスを補正した。傾向スコアマッチング後の SSI 発生患者数も、レミフェンタニル麻酔後のほうがフェンタニル麻酔後より多かった(レミフェンタニル群 16.4%[61 例中 10 例]、フェンタニル群 3.3%[61 例中 2 例]、P = 0.029)。

結論
レミフェンタニル麻酔により SSI 発生率が上昇した。理由として、オピオイドによる免疫抑制あるいはオピオイド離脱による免疫抑制が考えられる。

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監訳者コメント
レミフェンタニルは麻酔導入および覚醒が早いことから、使用機会が非常に多くなった麻酔薬である。SSI の発生率が高い大腸手術においては、これまでも多くのリスク因子が同定されてきたが、今回各交絡因子を補正しても本剤が SSI の発生率を増加させている可能性が指摘されたことは、非常に興味深い。レミフェンタニル群では術後の好中球数が低いことも判明しており、使用中の内分泌・糖代謝の変化とあわせ、免疫低下に関する詳細な解析が望まれる。

職業感染による急性 C 型肝炎と診断された医療従事者の治療成功

Universal treatment success among healthcare workers diagnosed with occupationally acquired acute hepatitis C

S.E. Tomkins*, B.D. Rice, K. Roy, B. Cullen, F.M. Ncube
*Centre for Infectious Disease Surveillance and Control, Public Health England, UK

Journal of Hospital Infection (2015) 89, 69-71


医療従事者には C 型肝炎の職業感染リスクがある。英国では、2002 年から 2011 年に 17 例が職業感染による急性 C 型肝炎と診断された。17 例はいずれも中空針による経皮的損傷が原因であり、16 例では血液汚染が確認された。これらの医療従事者 17 例のうち、15 例は抗ウイルス療法を受け、14 例はウイルスの消失を確認することができた。治療成功は遺伝子型とは無関係であった。医療従事者の治療が成功したことから、職業感染による急性 C 型肝炎の管理に関する英国のガイドラインの必要性が示された。

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監訳者コメント
針刺しによる経皮的な曝露後の HCV の感染発生率は約 2%といわれているが、職業感染による急性 C 型肝炎例について、その治療成績を示した報告は少ない。なお本報告では、曝露時とその後の血中 HCV RNA を測定し、陽転したものを急性肝炎例と定義している。C 型肝炎における近年の診断・治療上の進歩は著しく、それらをかんがみた曝露後の急性感染例のマネジメントに関する指針が望まれる。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.