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集中治療室におけるメタロ β-ラクタマーゼ産生クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)アウトブレイクからの教訓:リスク期間および併用療法の重要性

Lessons from an outbreak of metallo-β-lactamase-producing Klebsiella oxytoca in an intensive care unit: the importance of time at risk and combination therapy

S. Vergara-López*, M.C. Domínguez, M.C. Conejo, Á. Pascual, J. Rodríguez-Baño
*Hospital La Merced, Spain

Journal of Hospital Infection (2015) 89, 123-131


背景
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)による院内感染のアウトブレイクは、主に Klebsiella 属菌によるものであり、世界的に発生がみられている。

目的
その特性が明確にされているアウトブレイク中の、メタロ β-ラクタマーゼ IMP-8 産生および染色体性 OXY-2 β-ラクタマーゼ過剰産生のクローン性多剤耐性クレブシエラ・オキシトカ(multidrug-resistant Klebsiella oxytoca;MDRKO)感染のリスク因子を調べること、および MDRKO による感染症の臨床的特性について述べること。

方法
スペインの病院の集中治療室で 2009 年から 2011 年に、4 波からなる MDRKO のアウトブレイクが発生した。症例対照研究を実施し、Cox 回帰およびロジスティック回帰分析を用いて、第 1 波および第 2 波の期間中(保菌患者が流行株の主要なリザーバとなった期間)の MDRKO 感染のリスク因子を解析した。また、MDRKO 感染患者の臨床データおよび治療についても分析を行った。

結果
症例 26 例と対照 45 例におけるリスク因子の研究を行った。Cox 回帰分析で評価した因子は、MDRKO 感染との関連が認められなかった。しかし、ロジスティック回帰分析では、リスク期間は MDRKO 感染と関連する唯一の因子であった。保菌圧は、早期感染との関連が認められなかった。全体で、MDRKO 感染患者は 14 例であり、最も頻度の高い感染症のタイプは人工呼吸器関連肺炎(7 例)であった。単剤療法は併用療法と比較して、死亡率が高い傾向が認められた(60%[5 例中 3 例]対 16.6%[6 例中 1 例]、P = 0.07)。

結論
今回の疫学的状況では、リスク期間が CRE 感染の最も重要な決定因子であり、多剤耐性菌感染のリスク因子の研究の対象とするべきである。CRE 感染の治療としては、単剤療法よりも併用療法のほうが優れていると考えられる。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
この論文においては、CRE 感染は、ICU に在室する = リスクに曝露される期間がリスク因子として有意であった。また、グラム陽性菌においても、グラム陰性菌においても、標準予防策、接触予防策、手指衛生の重要性は同様だということがよくわかった。記述や解析手法が丁寧にまとめられているので、アウトブレイク調査のまとめをするときの参考になると思われた。

監訳者注:
リスク期間(time at risk):本研究での定義は、ICU 入室から症例患者の保菌・感染までの日数、および対照患者の退室または死亡までの日数。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.