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英国・イーストミッドランドの国民保健サービス(NHS)の急性期病院における黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)菌血症発生率に対する感染制御介入効果の分割時系列分析

Impact of infection control interventions on rates of Staphylococcus aureus bacteraemia in National Health Service acute hospitals, East Midlands, UK, using interrupted time-series analysis

S. Newitt*, P.R. Myles, J.A. Birkin, V. Maskell, R.C.B. Slack, J.S. Nguyen-Van-Tam, L. Szatkowski
*Nottingham City Hospital, UK

Journal of Hospital Infection (2015) 90, 28-37


背景
医療関連感染の減少は英国の国家的優先課題である。減少を目的とした複数の全国的および地域的介入が全国保健サービス(NHS)の急性期病院で実施されているが、その効果の評価は方法論的に困難であった。

目的
イーストミッドランドの急性期病院で2004 年から 2008 年に行われた全国的および地域的介入が、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)およびメチシリン感性黄色ブドウ球菌(meticillin-sensitive S. aureus;MSSA)菌血症の発生率に及ぼした影響を、分割時系列分析を用いて評価すること。

方法
急性期病院 8 施設で複合的介入を実施し、介入前、介入中、および介入後の各期間の MRSA および MSSA 菌血症発生率を、セグメント回帰を用いて比較した。

結果
MSSA および MRSA 菌血症発生率の変化は、多くの施設で介入中に認められた。介入中、急性期病院 8 施設中 7 施設で MRSA 菌血症は有意に低下し、四半期ごとにみた場合でも、4 施設では介入前に比較して急峻な低下がみられた。1 施設では介入前に上昇傾向であったものが逆転した。MSSA については 4 施設で有意な正の効果が認められ、このうち 1 施設では介入前の上昇傾向が逆転し、2 施設では上昇傾向がプラトーに到達し、1 施設では増減がはっきりしなかったものが有意に減少した。しかし、4 施設では介入中または介入後において、四半期ごとの菌血症発生率に有意な上昇傾向がみられた。

結論
介入の効果は施設によってばらつきがみられたが、全体的な結果からは、全国的および地域的キャンペーンはイーストミッドランドでの MRSA および MSSA 菌血症に対して有益な効果があったことが示唆される。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
全国的・地域的なキャンペーンと介入が、黄色ブドウ球菌菌血症の発生に及ぼした効果を明らかにした研究である。MRSA 菌血症では減少効果がみられたが、その反面、MSSA 菌血症では減少、不変、増加を含むより多様なパターンが認められた。この理由として、筆者らは MSSA 菌血症では市中感染由来が多いためと推測している。本試験で用いられた介入方法の特性がこの差異に及ぼした影響について、さらなる追究が必要かもしれない。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.