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院内獲得によるインフルエンザ A(H1N1)pdm09 ウイルス感染を有する集中治療室入室患者の特徴

Characteristics of patients with hospital-acquired influenza A (H1N1)pdm09 virus admitted to the intensive care unit

F. Álvarez-Lerma*, J. Marín-Corral, C. Vilà, J.R. Masclans, I.M. Loeches, S. Barbadillo, F.J. Gonzàlez de Molina, A. Rodríguez on behalf of the H1N1 GETGAG/SEMICYUC Study Group
*Hospital del Mar, Spain

Journal of Hospital Infection (2017) 95, 200-206


背景
集中治療室(intensive care unit;ICU)に入室した重症患者における、院内獲得によるインフルエンザ A(H1N1)pdm09 ウイルス感染については、十分に特徴づけられていない。

目的
重症患者における、院内獲得によるインフルエンザ A(H1N1)pdm09 ウイルス感染の臨床的影響を評価すること。

方法
重症のインフルエンザ A を有した ICU 入室患者を収集したスペインのレジストリ(2009から 2015年)の後向きデータベースを分析した。院内獲得による感染は、診断および治療開始が入院の 7日目以降、かつ入院時に感染の疑いがなかった場合とし、市中獲得による感染は、入院後 48時間以内に診断が確定された場合とした。

結果
インフルエンザ A(H1N1)pdm09 感染患者 2,421 例のうち、224 例(9.3%)が院内獲得、1,103 例(45.6%)が市中獲得に分類された(残る症例は未分類)。ICU 内での死亡率は、院内獲得群の方が高かった(32.9%対 18.8%、P < 0.001)。死亡に関連する独立因子は、院内獲得によるインフルエンザ A(H1N1)pdm09 感染(オッズ比[OR]1.63、95%信頼区間[CI]1.37 ~ 1.99)、ICU 入室時の APACHE II スコア(OR 1.09、95%CI 1.06 ~ 1.11)、血液疾患の基礎疾患(OR 3.19、95%CI 1.78 ~ 5.73)、腎外血液浄化法の必要(OR 4.20、95%CI 2.61 ~ 6.77)、および機械換気(人工呼吸器)の必要(OR 4.34、95%CI 2.62 ~ 7.21)であった。

結論
院内獲得によるインフルエンザ A(H1N1)pdm09 感染は、重症の ICU 入室患者において、死亡の独立因子である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
入院後の H1N1pdm09 の感染は、重症化により ICU 入室を余儀なくされるが、基礎疾患が重症化を助長することは周知の事実である。インフルエンザによる院内感染は、市中獲得よりも予後を悪化させる可能性が示唆され、インフルエンザ流行中は感染制御の強化は極めて重要であることが改めて確認された。入院時の症状スクリーニングと入院後の早期発見と早期対策により患者間の院内伝播を防止することが極めて重要であるとともに、医療従事者からの患者への伝播も同時に注意が必要である。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.