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同種造血幹細胞移植レシピエントの RS ウイルス感染症に対し経口リバビリンの使用が効果的

Effective use of oral ribavirin for respiratory syncytial viral infections in allogeneic haematopoietic stem cell transplant recipients

C.M. Gorcea*, E. Tholouli, A. Turner, M. Saif, E. Davies, E. Battersby, F.L. Dignan
*Manchester Royal Infirmary, UK

Journal of Hospital Infection (2017) 95, 214-217


背景
RS ウイルスは、呼吸器感染症の原因ウイルスの中でも頻度が高く、同種造血幹細胞移植を受けた患者が罹患すると、合併症の発生率や死亡率が高くなる。この免疫不全者における最適な管理法についてはほとんど分かっておらず、経口リバビリン療法に関するデータはきわめて少ない。

目的
同種造血幹細胞移植レシピエントの RS ウイルス感染症に対する、経口リバビリンの有効性を評価すること。

方法
経口リバビリン投与を受けた RS ウイルス感染症例 23 例を後向きに分析した。RS ウイルス感染症の診断は PCR アッセイにより確認した。経口リバビリンは15 mg/kg/日 3 回分割投与で開始して 10 日間続行としたが、治療施設の方針に従い、その後の増量は行わなかった。

結果
診断時に 7 例は下気道感染を呈していたのに対し、16 例は上気道感染を呈していた。経口リバビリンの忍容性は良好で、有害作用は軽微であった。治療期間中央値は 10 日間(範囲:5 ~ 47)であった。中央値で 17 か月(範囲:4 ~ 48)の追跡調査期間後、17 例が生存していた。RS ウイルス関連死亡が 1 例、非関連死亡が 5 例認められた。

結論
筆者らの知る限り、本研究は成人同種造血幹細胞移植レシピエントの RS ウイルス感染症に対し経口リバビリン投与の有効性を検討した、これまでで最大規模の単一施設研究である。治療の速やかな開始が重要であり、これにより入院が回避される可能性がある。当院での経験は、経口リバビリンの使用を支持しているが、この患者集団における至適治療を明らかにするためには大規模前向き研究が必要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
RS ウイルス感染症の治療薬として、リバビリンが認可されている国は非常に少ない。本検討は罹患によって重症となり、死亡率が増える同種造血幹細胞移植後の患者において、本剤の有効性を明らかにしたものである。RS ウイルス感染は、病棟内での伝播も容易に生じうるため、治療および感染対策の両面において、今後の有用性に関する検討が進むことを期待したい。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.