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3 つの医療環境における針刺し切創の原因:ドイツにおいて EU 指令 2010/32/EU 施行後の 6 か月間に記録された事例報告の分析★★

Causes of needlestick injuries in three healthcare settings: analysis of accident notifications registered six months after the implementation of EU Directive 2010/32/EU in Germany

M. Dulon*, B. Lisiak, D. Wendeler, A. Nienhaus
*Statutory Accident Insurance and Prevention in the Health and Welfare Services, Germany

Journal of Hospital Infection (2017) 95, 306-311


背景
針刺し切創は鋭利物による傷害の原因として最も多いものであり、医療従事者に重大なリスクをもたらす。2014 年、鋭利物による障害の予防を促進するためにドイツで 医療福祉施設における病原体への技術的規則Technical rule for biological agents in healthcare and welfare facilities(TRBA 250)が改訂された。

目的
病院、診療所、および入院および外来の医療従事者における針刺し切創の疫学を調査すること、安全装置付きデバイスが用いられていた場合の事例の原因に関する情報を収集すること、ならびにこれらの結果を TRBA 250 の主要原則と比較すること。

方法
2014 年 11 月の 4 週間以内に報告された針刺し切創に関する医療従事者の補償請求に基づいて調査を行った。針刺し切創に関する詳細な情報を、電話調査により収集した。

結果
計 533 名の医療従事者が参加した。医療環境にかかわらず、針刺し切創のほとんどに皮下注射針が関与していた(全針刺し切創の 39%)。入院および外来ケアでは、針刺し切創の 48%にインスリンペンが関与していた。鋭利デバイスの廃棄が切創の 38%を占めていた。針刺し切創の 20%で安全装置付きデバイスが使用されていた。安全装置付きデバイスが使用されていた場合の事例の最も重要な原因は、安全装置を起動させていなかったことであった。

結論
TRBA 250 による拘束力の強い推奨があるにもかかわらず、安全装置付きデバイスの使用における医療従事者の経験を高めるためのさらなる取り組みが必要である。すべての専門家集団に対して、鋭利物の廃棄に伴うリスクに対する意識を高めるよう促すべきである。入院および外来ケア環境において、インスリンペンの廃棄に関する安全な取扱い実践が必要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
針刺し切創に関するドイツの報告であるが、ドイツでは規則として設定された。日本でも似たような状況があると思われる。すなわち、鋭利物廃棄容器の使用現場への携行と使用後の速やかな廃棄、安全器材を確実に動作させていない、インスリンの針による針刺しは共通である。インスリンの針に対しても安全器材が市販されており、コストがかかるがその効果は大きいと思われる。針刺し切創の防止の為には、教育と訓練は勿論必要であるが、安全への法的な規制も必要である。日本では厚労省通達(医政指発第 0201004 号平成 17 年 2 月 1 日)に①リキャップの原則禁止、②安全機材の導入の検討、③廃棄容器の適切な配置等が記載されており、再度見直しをし、通達の遵守が必要である。

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Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.