JHIサマリー日本語版トップ

レーティング:[監訳者による格付け]
★★…是非読むことをお勧めする論文 ★…読むことをお勧めする論文

Clip to Evernote

オランダの 3 次医療施設におけるクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症リボタイプ 027 アウトブレイクの費用分析★★

Cost analysis of an outbreak of Clostridium difficile infection ribotype 027 in a Dutch tertiary care centre

Y.H. van Beurden*, M.K. Bomers, S.D. van der Werff, E.A.P.M. Pompe,S. Spiering, C.M.J.E. Vandenbroucke-Grauls, C.J.J. Mulder
*VU University Medical Centre, The Netherlands

Journal of Hospital Infection (2017) 95, 421-425


背景
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)が医療制度に及ぼす経済的影響は甚大である。2013 年 5 月から 2014 年 5 月まで、オランダの 3 次病院で C. difficile リボタイプ 027 アウトブレイクが起こり、患者 72 例がこれに関わった。本研究の主要な目的は、この CDI アウトブレイクが当病院にもたらした経済的負担に関する知見を提供することである。

方法
後向き解析を実施し、1 年間の C. difficile リボタイプ 027 アウトブレイクの費用を推定した。診療録レビューによって患者データを得た。さらに、このアウトブレイク制御策に関連する全費用のデータを収集した。

結果
アウトブレイク全体に起因する費用は 1,222,376 ユーロと推定された。主な要因は、CDI 患者の入院期間延長および CDI 患者の接触隔離を可能にするための病床閉鎖により逃した収益(逸失利益)であった(36%)。第 2 の重要な費用の要素は、余分なサーベイランスと Department of Medical Microbiology and Infection Control の活動であった(25%)。

結論
著者の知る限り、本研究は、アウトブレイクが生じた状況で CDI に起因する費用に関する知見を提供し、主な費用項目を明確にした最初の研究である。CDI による経済的帰結が甚大であることは明らかである。CDI アウトブレイクに関連する高額な費用は、CDI 予防および制御のために追加的資源を使用することの正当な理由づけに有用になるはずである。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
強毒株のリボタイプ 027 によるアウトブレイク(72 例)の費用に関する詳細な報告である。アウトブレイクにより発生した余分な費用は、発生前の諸費用と比較して、日本円(1ユーロ = 120円)で患者 1 例あたり、検査費約 12 万円、余分な労働費約 52 万円、追加清掃費約 48 万円、12 回の会議約 6.5 万円、接触予防策のための物品費用約 6.8 万円、入院制限による損失約 62 万円、CDI 罹患による入院日数超過による損失約 11.7 万円、余分な抗菌薬治療費用約 3.7 万円、合計約 204 万円がかかったとして報告されている。日本においても、CDI は今後重大な院内感染の原因菌となることが予測され、CDI が疑われる下痢患者への早期の接触予防策による封じ込めと診断治療は患者の予後だけでなく医療経済的にも重要である。

JHIサマリー日本語版トップ

サイト内検索

Loading

アーカイブ

最新のコンテンツ

Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.