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中国における医療関連感染の負担:東莞市の 2015 年点有病率調査の結果

Burden of healthcare-associated infections in China: results of the 2015 point prevalence survey in Dong Guan City

J. Wang*, J. Hu, S. Harbarth, D. Pittet, M. Zhou, W. Zingg
*University of Geneva Hospitals and Faculty of Medicine, Switzerland

Journal of Hospital Infection (2017) 96, 132-138


背景
医療関連感染(HCAI)は、健康への重大な脅威である。中国での HCAI および抗菌薬の使用に関するデータは、英語文献ではほとんど報告されていない。

目的
東莞市における 2015 年点有病率調査(PPS)で得られた HCAI 有病率および抗菌薬の使用状況を記述し、考察すること。

方法
2015年、Dong Guan (City) Nosocomial Infection Control and Quality Improvement Centre は、東莞市の 2 次および 3 次病院において、年 1 回の PPS を実施した。調査は 1 暦日に行った。

結果
37 の 2 次病院および 14 の 3 次病院が、それぞれ 9,679 例および 11,641 例の患者を評価した。計 616 例の患者が 681 件の HCAI を有した。2 次病院、3 次病院、および全病院におけるプールした HCAI 有病率(95%信頼区間)はそれぞれ、2.3%(2.0 ~ 2.6)、3.4%(3.0 ~ 3.7)、および 2.9%(2.6 ~ 3.1)であった。下気道感染症、尿路感染症(UTI)、手術部位感染(SSI)、および血流感染を合わせると、HCAI の 73.1%を占めた。下気道感染症は、最も多く診断された HCAI であり(35.5%)、次いで UTI(17.0%)、SSI(15.1%)であった。グラム陰性菌が最も多く分離され(68.1%)、次いでグラム陽性菌(19.3%)、真菌(10.9%)であった。最も多くみられた病原菌は大腸菌(Escherichia coli)で(14.8%)、アシネトバクター・バウマニー(Acinetobacter baumannii)は10.9%を占めた。計 34.8%の患者が、1 剤以上の抗菌薬投与を受けていた。

結論
プールした有病率は、最近の中国での他の研究でみられた範囲内であったが、欧州および米国での先行報告と比較すると低かった。治療目的での抗菌薬の使用は、欧州と同様であったが、中国での先行報告よりも少なく、また米国よりも少なかった。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
有病率調査(PPS;point prevalence survey)は、ある時点での感染症患者、抗菌薬使用状況、デバイス使用状況などを複数の施設や地域で一斉に調査し、過去のデータや施設・地域間で比較する手法である。Snap Shot survey ともよばれる。一定期間継続してデータを集める通常のサーベイランスに比較し、調査者の負担が軽くなることがメリットである。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.