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タイの国立第 3 次病院の小児科病棟の医療従事者におけるヒトパルボウイルス B19 の院内アウトブレイク

Human parvovirus B19 nosocomial outbreak in healthcare personnel in a paediatric ward at a national tertiary referral centre in Thailand

S. Sungkate*, W. Phongsamart, S. Rungmaitree, K. Lapphra, O. Wittawatmongkol, V. Pumsuwan, N. Wiruchkul, S. Assanasen, Y. Rongrungruang, N. Onlamoon, N. Horthongkham, W. Lermankul, N. Kongstan, K. Chokephaibulkit
*Faculty of Medicine Siriraj Hospital, Mahidol University, Thailand

Journal of Hospital Infection (2017) 96, 163-167


背景
パルボウイルス B19 の院内アウトブレイクが報告されているが、医療従事者間での発生はまれである。妊娠中の医療従事者の易感染性は重要な懸念事項であった。

方法
医療従事者間のパルボウイルス B19 のアウトブレイクは小児科病棟で報告され、アウトブレイクに曝露した医療従事者および患者全員を対象に横断的な血清学的研究が実施された。急性感染は、ポリメラーゼ連鎖反応またはパルボウイルス B19 IgM 抗体の陽性によって診断された。

結果
アウトブレイク血清学的研究の対象となった医療従事者 48 名(妊婦 3 名)および患者 22 例のうち、医療従事者 11 名(23%)および患者 2 例(9%)で急性感染が認められた。このうち症状が発現した医療従事者は 6 名であったが、患者で症状が発現した者はいなかった。臨床症状には、掻痒性皮疹(100%)、皮疹消失後の関節痛(67%)などがあり、皮疹の発症期間の中央値は 4 日間であった。医療従事者の 40%および患者の 50%は、パルボウイルス IgG 抗体が陽性であり、免疫を獲得していたことを示していた。急性感染の医療従事者および感染していないが易感染性の医療従事者は、免疫を獲得していた医療従事者よりも若かった(平均年齢 32.2 歳対 40.5 歳、それぞれP = 0.003)。発病率は、易感染性の医療従事者で 38%、易感染性の患者で 18%であった。アウトブレイクは、厳格な飛沫予防策および有症状の医療従事者の隔離を実施してから 2 週間以内に終息した。

結論
パルボウイルス B19 感染は、医療従事者の高い発病率を伴う院内アウトブレイクを引き起こす可能性がある。飛沫予防策によるアウトブレイク制御はきわめて有効であった。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
パルボ B19 ウイルス感染症は、「伝染性紅斑」(別名りんご病)と呼ばれ小児では頬に出現する蝶翼状の紅斑を特徴とする。成人の 30 ~ 90 %は既感染である。潜伏期間は 10 から 20 日程度で、発疹出現 7 から 10 日前に微熱や感冒症状があり、ウイルス血症を引き起こし、感染性が最も強い時期である。発疹出現時には感染性(飛沫および接触感染)はほぼ低下している。したがって、微熱や感冒症状があれば、流行状況を考慮して、本感染症の可能性を含め、職員の就業制限などの早期の感染対策が必要である。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.