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基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生腸内細菌科細菌の直腸保菌の迅速分子スクリーニング法としての Check-Direct ESBL Screen for BD MAX を評価した多施設前向き研究

A multi-centre prospective evaluation of the Check-Direct ESBL Screen for BD MAX as a rapidmolecular screening method for extended-spectrum beta-lactamase-producing Enterobacteriaceae rectal carriage

T. Engel*, B.J. Slotboom, N. van Maarseveen, A.A. van Zwet, M.H. Nabuurs-Franssen, F. Hagen
*Canisius-Wilhelmina Hospital, The Netherlands

Journal of Hospital Infection (2017) 97, 247-253


目的
直腸スワブを直接分析する、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生腸内細菌科細菌(ESBL-E)の定量的 PCR 法(qPCR)を、培養法に基づくプロトコルと比較し、両者の不一致を調べ、このアッセイを臨床現場でルーチンに適用する上での課題を明らかにした。副次的な目的は、qPCR のパフォーマンスを評価することであった。

材料および方法
オランダの教育病院 2 施設で、573 の直腸スワブを前向きに採取した。培養法およびCheck-MDR CT103XL(Check-Points 社)による追加検査を、Check-Direct ESBL Screen for BD MAX(Check-Points 社)と比較した(後者は、ESBL 遺伝子型 CTX-M1、CTX-M2、CTX-M9、および SHV2/5 を検出)。培養法に基づくプロトコル(Brilliance agar を使用)を、qPCR 法のパフォーマンス評価のゴールドスタンダードとした。

結果
573 の直腸スワブ検体のうち 74 検体(12.9%)が培養法陽性、84 検体(14.7%)が qPCR 法陽性であった。培養法陽性/qPCR 法陰性の不一致が 8 検体に、培養法陰性/qPCR 法陽性の不一致が 18 検体に認められた。培養法に対する qPCR 法の感度および特異度はそれぞれ、87.7%(95%信頼区間[CI]79.7 ~ 95.7)および 96.3%(95%CI 94.6 ~ 98.0)であった。

結論
Check-Direct ESBL Screen for the BD MAX は、容易に実施できる迅速分子診断法であり、直腸の ESBL-E 保菌のスクリーニングを有意に迅速化できる可能性がある。検査した検体の 4.5%で、培養法に基づくプロトコルと qPCR 法の不一致が認められた。qPCR 法導入に当たっての課題は、感度が不十分であること、現地の ESBL-E 遺伝子型を熟知する必要があること、および培養法陰性/qPCR 法陽性検体の解釈である。qPCR 法の感度不足は、blaTEM を分子標的に含めること、および検出限界を改善することで、最適化できるかもしれない。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
感染症の検査、中でも原因微生物を迅速に特定することが適切な感染症診療の第 1 歩であり、そのための技術開発は重要さを増している。遺伝子検査のなかでも特定領域の増幅を行うプライマーの設計によってスクリーニングの対象が限定されるため、今後は次世代シークエンサーによる全ゲノムシークエンスに対する期待が高まっている。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.