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日本の入院患者におけるカルバペネム耐性腸内細菌科細菌保菌の有病率およびリスク因子

Prevalence of, and risk factors for, carriage of carbapenem-resistant Enterobacteriaceae among hospitalized patients in Japan

N. Yamamoto*, R. Asada, R. Kawahara, H. Hagiya, Y. Akeda, R.K. Shanmugakani, H. Yoshida, S. Yukawa, K. Yamamoto, Y. Takayama, H. Ohnishi, T. Taniguchi, T. Matsuoka, K. Matsunami, I. Nishi, T. Kase, S. Hamada, K. Tomono
*Osaka University Graduate School of Medicine, Japan

Journal of Hospital Infection (2017) 97, 212-217


背景
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)の有病率は、日本では他の多くの国よりも低いと報告されている。しかし、CRE 保菌を対象とした広範なサーベイランスは日本では実施されていない。

目的
日本における CRE 保菌の有病率を、改良型の選択的培地を用いて、CRE 保菌者であるリスクが高いとみなされる回復期の患者において検討すること。

方法
2015 年 12 月 から2016 年 1 月に、大阪府北部の急性期病院 22 施設および長期ケア施設 21 施設において横断調査を実施した。失禁補助、経腸栄養チューブ、または尿道カテーテルを使用している患者を登録した。便検体を、日本において最も高頻度にみられる種類の CRE であるイミペネマーゼ産生 CRE に対して新たに開発された M-ECC培地 を用いて調べた。陽性分離株を PCR によって分析し、遺伝子型決定を行った。保菌に関連するリスク因子をロジスティック回帰により分析した。

結果
患者 1,507 例中 184 例(12.2%)が CRE を保菌していた。陽性患者の割合は、長期ケア施設(14.9%)の方が急性期病院(3.6%)より有意に高かった(P < 0.001)。CRE 保菌のリスク因子は、長期の入院(オッズ比[OR]2.59、95%信頼区間[CI]1.87 ~ 3.60)、経腸栄養(OR 3.03、95%CI 2.08 ~ 4.42)および抗菌薬への曝露(OR 2.00、95%CI 1.40 ~ 2.87)であった。同定された 233 の CRE 分離株のうち 223 はイミペネマーゼ産生株であり、それ以外はカルバペネマーゼを産生しなかった。

結論
本稿は、日本の急性期病院および長期ケア施設の両方において CRE が大幅に拡散していることを、改良型の選択培地を用いて実証した初の報告である。協調的な地域での取り組みが、さらなる拡散を予防する上で有用となろう。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
日本国内の特定地域内の病院を対象とした、CRE サーベイランスの報告である。この論文は、blaIMP の亜型まで調べてあるとより疫学的価値の高い論文に仕上がっただろう。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.