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2007 年から 2014 年までのクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症患者の死亡率の上昇:フランスの健康保険データベース分析

Excess mortality between 2007 and 2014 among patients with Clostridium difficile infection: a French health insurance database analysis

F. Barbut*, S. Bouée, L. Longepierre, M. Goldberg, C. Bensoussan, L. Levy-Bachelot
*National Reference Laboratory for Clostridium difficile, France

Journal of Hospital Infection (2018) 98, 21-28


背景
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)が死亡率に及ぼす影響については議論がある。

目的
フランスにおける CDI による死亡率の上昇を評価すること。

方法
CDI 患者の 2 コホートおよびマッチさせた対照者の 1 コホートを、フランスの一般健康保険システム(Echantillon Généraliste de Bénéficiaires データベース、患者660,000 例)の加入者の 1%代表サンプルから抽出した。CDI 患者は、2007 年から 2014 年(2006 年診断分は除く)に CDI を主診断または関連診断として入院していた患者とした。対照者は、2007 年から 2014 年に入院していた患者で、2006 年から 2014 年に CDI で入院した患者を除いた。2007 年から 2014 年の間について 1 年死亡率を推定し、傾向スコアでマッチさせた CDI のない対照群(症例 1 例当たり対照 2 例)と比較した。傾向スコアの算出は以下の変数について行った:年齢、性別、Charlson 併存疾患指数スコア、入院期間、初回入院の年、および主要な併存疾患。Cox モデルおよび Poisson モデルを用い、傾向スコアを補正して、死亡リスクの上昇を推定した。感度分析(期間、下痢、CDI による再入院)を実施して、結果の頑健性を確認した。

結果
合計で、C. difficile の感染患者 482 例を対照者 964 例とマッチさせた。CDI 患者において有意に高い死亡リスクが認められ、ハザード比は補正前で 1.65(95%信頼区間[CI]1.33 ~ 2.04)、補正後で 1.58(95%CI 1.27 ~ 1.97)であった。補正後の死亡の相対リスクは、28 日時点で1.78(95%CI 1.18 ~ 2.70)、3 か月時点で 1.52(95%CI 1.17 ~ 1.98)、6 か月時点で 1.52(95%CI 1.20 ~ 1.93)、および 12 か月時点で 1.64(95%CI 1.32 ~ 2.03)であった。感度分析では同様の結果が得られ、ハザード比は 1.53 ~ 1.86 の範囲で、いずれも統計学的に有意であった。

結論
年齢、性別、併存疾患および入院期間で補正後、CDI は死亡リスクの上昇の原因であった。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
重症な患者が CDI に罹患するのか、CDI に罹患した結果重症化し死亡リスクが上昇したのかについての評価が難しい。往々にして重症な患者には抗菌薬投与が行われ結果として菌交代症が発生し、CDI に至ると考えられるだろう。しかしこの研究ではそうしたデザインがなされていなのが残念である。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.