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手術室における温度制御気流換気システムと、層流換気システムおよび乱流混合気流換気システムとの比較

Temperature-controlled airflow ventilation in operating rooms compared with laminar airflow and turbulent mixed airflow

M. Alsved*, A. Civilis, P. Ekolind, A. Tammelin, A. Erichsen Andersson, J. Jakobsson, T. Svensson, M. Ramstorp, S. Sadrizadeh, P-A. Larsson, M. Bohgard, T. Šantl-Temkiv, J. Löndahl
*Lund University, Sweden

Journal of Hospital Infection (2018) 98, 181-190


目的
手術室用の 3 種類の換気システムを対象に、空気清浄度(コロニー形成単位[cfu/m3]を測定)、エネルギー消費量、職場環境の快適さ(騒音および通風、手術チームメンバーが報告)に関して評価すること。

方法
2 種類の一般的に用いられる換気システムである、垂直層流(LAF)および乱流混合気流(TMA)を、新たに開発した換気技術である温度制御気流(TcAF)と比較した。Cfu 濃度は手術室において、45 件の整形外科手術中に、創部近傍(< 40 cm)、器械台、および室内周辺の 3 カ所で測定した。職場環境の快適さは、手術チームが質問票へ回答して評価した。

結果
TMA を除いて LAF と TcAF は手術中、すべての測定箇所で 10 cfu/m3 未満となった。創部近傍(250 サンプル)における cfu/m3の中央値は、LAFでは 0、TcAF では 1、TMA では 10 であった。室内周辺では、cfu 濃度は TcAF が最も低かった。cfu 濃度は風速に応じて比例的に増減することはなかった。LAF と比較して、TcAF の消費電力は 28% 小さく、また騒音や通風による障害は有意に少なかった。

結論
TcAF および LAF は、TMA と比較してより効率的に空気中から細菌を除去し、特に創部近傍および器械台で顕著であった。新型の TcAF 換気システムは、LAF と同様に空気中の cfu を非常に低値に保ったが、TcAF は LAF と比較して消費電力は大幅に小さく、また、より快適な職場環境をもたらした。TcAF により空気清浄度を維持したまま節電することが可能となる。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
手術室における清潔な空調、特に手術創部周辺の無菌状態の確保は、術後創部感染(SSI)と関連するとされ、手術室の空調(風量、風向)と浮遊菌数は重要であるが、空気清浄度を上げるために空気交換回数(風量)を増やすと、患者の低体温や、風量による騒音や術者の不快感に加え、電気代などの費用もかさむ。TcAF では、従来の LAFと比較し、手術室環境において遜色がなく、手術場環境においても高い評価が得られている。しかしながら、SSI の発生率は不明である。最近、通常の空調と LAF による空調との間に人工関節置換手術での SSI 発生率に差がなかったとするメタアナリシスの結果が報告されている(Lancet Infect Dis. 2017;17(5):553-561.)が、新規の TcAF と SSI 発生抑制効果との関連は未解決である。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.