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黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)皮膚感染症に対するヨウ化リチウムαデキストリン(ILαD):in vitro での ILαD とポビドンヨードの殺菌活性および細胞毒性の比較研究

Iodine-lithium-alpha-dextrin (ILαD) against Staphylococcus aureus skin infections: a comparative study of in-vitro bactericidal activity and cytotoxicity between ILαD and povidone-iodine

A.P. Zisi*, M.K. Exindari, E.K. Siska, G.G. Koliakos
*Aristotle University of Thessaloniki, Greece

Journal of Hospital Infection (2018) 98, 134-140


背景
抗菌薬耐性が増加し続けているため、従来の抗菌薬を再検討して、有効性および安全性を高めるために修飾することが重要となっている。ヨードは 150 年以上にわたって創傷および皮膚の消毒剤として広く用いられており、効果的な広域の殺菌活性を有し、耐性株の発生を促進しない。最も重要なヨードベースの製剤はポビドンヨード(PVP-I)で、優れた抗菌活性を有する。しかし、その安全性プロファイルには疑問が呈されている。

目的
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対するヨードベースの新規化合物であるヨウ化リチウムαデキストリン(ILαD)の in vitro での殺菌効果と薬力学特性を評価すること、また ILαD と PVP-I の in vitro での細胞毒性を比較すること。

方法
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)およびメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(meticillin-sensitive Staphylococcus aureus;MSSA)の臨床分離株それぞれ 12 株および 8 株に対して、ILαD および PVP-I を用いて最小発育阻止濃度(MIC)微量液体希釈法を実施した。ILαD の時間‐殺菌試験および持続性抗菌効果試験により、殺菌率の情報を得た。3 つの細胞系列を用いて、MTT 細胞毒性試験を ILαD および PVP-Iの MIC 用量で処置して実施した。

結果
MRSA 株 に対する ILαD および PVP-I の MIC 値は、それぞれ 125 mg/L および 31.25 mg/L であった。ILαD の時間‐殺菌試験および持続性抗菌効果試験により、2 倍の MIC 用量での曝露 8 時間以内に 3 倍の対数減少率が示され、持続性抗菌効果は 5±0.3 時間と算出された。細胞の生存は MIC 用量の ILαD ではわずかに影響を受けたのに対し、MIC 用量の PVP-I は 90 ~ 95%という強い細胞増殖阻止効果を発揮した。

結論
ILαD は、効果的で、耐性株の発生を促進せず、また in vitro 試験では PVP-I より安全である可能性が示されたため、ブドウ球菌感染症に対する有望な解決法となり得る。ILαD が PVP-I の臨床的限界を上回るかどうかを明らかにするために、さらなる研究を行うべきである。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
2 つのヨード製剤の MRSA に対する効果と細胞毒性を調べた論文である。結果は限定的であり、実際の現場での使用に対して検討するのは、限界があるように思われた。
Iodine-lithium-alpha-dextrin(IlαD)のようにポビドンヨード(povidone-iodine, PVP-I)の配合剤として我が国では褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)の治療薬として、白糖・ポビドンヨード配合軟膏『イソジンシュガーパスタ軟膏®』が発売されている。いずれの場合にせよ多くの消毒薬において抵抗性を示す細菌が発生する場合があり、注意が必要である。

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Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.