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新生児集中治療室において、事前に汚染されていた市販の 0.5%クロルヘキシジン溶液により引き起こされたバークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)による偽性菌血症のアウトブレイク

Outbreak of Burkholderia cepacia pseudobacteraemia caused by intrinsically contaminated commercial 0.5% chlorhexidine solution in neonatal intensive care units

J.E. Song*, Y.G. Kwak, T.H. Um, C.R. Cho, S. Kim, I.S. Park, J.H. Hwang, N. Kim, G-B. Oh
*Inje University Ilsan Paik Hospital, Republic of Korea

Journal of Hospital Infection (2018) 98, 295-299


背景
バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)は、本来、特定の消毒薬に抵抗性を持つ。著者らは大学附属病院 1 施設 1 カ所の新生児集中治療室(NICU)における、血液培養由来の B. cepacia の分離頻度の急激な上昇を認めた。

目的
感染源を特定し、進行中の感染に介入すること。

方法
症例の定義は、2014 年 11 月から 2015 年 1 月の間に、NICU において血液培養で B. cepacia 陽性を示した患者とした。診療記録をレビューし、NICU の医療従事者に聞き取りを行った。NICU において使用され、疑いがもたれた消毒薬、血液培養用ボトル、綿球、ガーゼ、および針のサンプルが微生物学的に分析された。

結果
アウトブレイクの期間中、患者 21 例から採取された血液培養 25 件より B. cepacia が特定された。患者の臨床的特徴は偽性菌血症を示唆していた。環境サンプルに関して、B. cepacia は、NICU において採血時の皮膚消毒に使用されてきた 0.5%グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)溶液製品から培養された。B. cepacia の臨床分離株および 0.5% CHG より分離された 2 株は、同一のパルスフィールド・ゲル電気泳動パターンを示した。CHG 製品の使用中止後、アウトブレイクは終息した。

結論
この偽性菌血症の症例は、単一の製造業者が製造し汚染されていた 0.5% CHG が引き起こした。消毒薬の製造時の汚染を防ぐためには、より厳格な政府規制が必要である。さらに、入院患者において B. cepacia のアウトブレイクが生じた場合、消毒薬の微生物汚染を疑うべきである。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
市販の消毒剤は,一部を除いて一般的に「無菌製剤ではない」ため、作成工程において汚染が発生し、このような事態が発生する可能性がある。過去に消毒剤汚染による偽性アウトブレイクは多数の報告があり、製造過程でのセパシア菌汚染が発生すると消毒薬抵抗性があるため、薬剤内で生存し、汚染薬剤を使用することで感染が拡大する。本事例では、わずか1か月半の間に79 例の血液培養のうち、21 例、実に 26.6%の高率で分離されており、汚染源の発見が遅れたため患者数が増加したものである。患者への実害はなかったが、このような状況が発生した場合に消毒剤汚染の可能性をも考慮して対応をすることが必要である。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.