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フランスの病院における基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生腸内細菌科細菌の保菌:PORTABLSE 研究

Carriage of ESBL-producing Enterobacteriaceae in French hospitals: the PORTABLSE study

B. Pilmis*, V. Cattoir, D. Lecointe, A. Limelette, I. Grall, A. Mizrahi, G. Marcade, I. Poilane, T. Guillard, N. Bourgeois Nicolaos, J-R. Zaha, A. Le Monnier
*Groupe Hospitalier Paris Saint-Joseph, Paris, France

Journal of Hospital Infection (2018) 98, 247-252


背景
現在、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生腸内細菌科細菌の保菌または感染を有する患者に対して接触予防策が推奨されている。最近の研究により、この戦略に疑問が投げかけられている。本研究の目的は、入院患者における ESBL 産生腸内細菌科細菌の糞便保菌率を病棟の種類に従って評価すること、また糞便保菌に関連するリスク因子を特定することであった。

方法
点有病率調査を、フランスの 8 病院の 5 つの異なる病棟(内科病棟、外科病棟、集中治療室、治療後リハビリテーション病棟、老人科病棟)で実施した。本研究に組み入れた全患者で新鮮便検体が得られた。

結果
本研究に計 554 例を組み入れ、年齢中央値は 73 歳(範囲 60 ~ 82 歳)であった。全体の ESBL 産生腸内細菌科細菌の糞便保菌率は 17.7%であった。ESBL 産生腸内細菌科細菌で最も多く認められた細菌種は、大腸菌(Escherichia coli)(71.4%)、次いで肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)(14.3%)であった。単変量解析で ESBL 産生腸内細菌科細菌の糞便保菌に関連したリスク因子は、パリ地域の居住(P < 0.01)および老人科病棟への入院(P < 0.01)であった。興味深いこととして、スクリーニング前の累積入院期間は、病棟の種類にかかわらず、ESBL 産生腸内細菌科細菌の有意に高い保菌率とは関連しなかった。ESBL 産生腸内細菌科細菌の保菌率は、老人科病棟(28.1%)および集中治療室(21.7%)の入院患者の方が、外科病棟(14.8%)、内科病棟(12.8%)または治療後リハビリテーション病棟(11.2%)の入院患者よりも大幅に高かった。

結論
ESBL 産生腸内細菌科細菌の全体の糞便保菌率は 17.7%で、それまでに保菌が確認されていた患者はわずか 21%であった。入院からスクリーニング実施までの遅延は、ESBL 産生腸内細菌科細菌の糞便保菌率の上昇と関連しなかった。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
ESBL 産生腸内細菌科細菌のリザーバーとして急性期病院ではなく、高齢者の集団生活や慢性期医療を提供している施設に焦点があてられている。こうした施設には感染症の専門家や疫学調査の専門家、感染管理認定看護師等がいるわけではないので地域連携で支援を行う必要がある。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.