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ICU 以外の院内の血管カテーテル関連血流感染患者における死亡リスク因子:前向きコホート研究

Mortality risk factors among non-ICU patients with nosocomial vascular catheter-related bloodstream infections: a prospective cohort study

P. Saliba*, A. Hornero, G. Cuervo, I. Grau, E. Jimenez, D. García, F. Tubau, J.M. Martínez-Sánchez, J. Carratalà, M. Pujol
* University of Barcelona, Spain

Journal of Hospital Infection (2018) 99, 48-54


背景
血管カテーテル関連血流感染(CRBSI)は予防可能性が高い病院感染であり、また患者安全に対する重大な脅威である。集中治療室(ICU)の患者における CRBSI の転帰に関する重要な情報はあるものの、ICU 以外の患者に関するデータは不足している。

目的
ICU 以外の院内 CRBSI 患者における 30 日死亡率と関連したリスク因子を明らかにすること。

方法
2004 年 1 月から 2014 年 12 月の間に、3 次病院 1 施設における ICU 以外の院内 CRBSI 患者を対象に前向きコホート研究を実施した。主要転帰は 30 日死亡率とし、CRBSI から 30 日以内のあらゆる原因による死亡と定義した。追跡調査は CRBSI の発生から 30 日後に実施した。死亡までの時間を Cox 回帰分析における従属変数とした。

結果
全体で、CRBSI 症例 546 例が特定された。患者の平均年齢は 64.5 歳(四分位範囲[IQR]55 ~ 75 歳)であり、66%は男性、また平均 Charlson スコアは 3.59(IQR 2 ~ 5)であった。546 症例のうち、58.4%は中心静脈カテーテルに、41.6%は末梢静脈カテーテルに起因するものであった。原因病原体はグラム陽性球菌(症例の70.1%)、グラム陰性桿菌(31.1%)、および Candida 属菌(1%)であった。30 日死亡率は 13.9%であり、本試験期間中に有意な変化はなかった。30 日死亡率の独立リスク因子は、Charlson スコア≧ 4(ハザード比[HR]1.80、95%信頼区間[CI]1.19 ~ 2.73)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)感染(HR 2.67、95%CI 1.61 ~ 4.43)、Candida 属菌感染(HR 6.1、95%CI 2.08 ~ 18.04)であった。年齢、入院エリア、血管カテーテルの種類、使用目的、部位、また適切な経験的抗菌薬投与は、30 日死亡率の独立リスク因子ではなかった。

結論
ICU 以外の院内 CRBSI は高い死亡リスクと関連しており、特に Charlson スコアがより高い患者、ならびに黄色ブドウ球菌および Candida属菌による血流感染の患者において顕著である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
感染症の疫学研究は ICU 内のものが多かったが、近年 ICU 外の患者にも目が向けられている。死亡リスクと関連した Charlson スコア、黄色ブドウ球菌ならびに Candida 菌血症は、ICU でも危険因子として挙げられている因子である。いずれにせよ ICU 外で発生している菌血症も死亡リスクが高く、注意しなければならない。

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Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.