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中心静脈カテーテル関連グラム陰性菌菌血症患者に対するカテーテル抜去遅延の臨床的影響

Clinical impact of delayed catheter removal for patients with central-venous-catheter-related Gram-negative bacteraemia

Y-M. Lee*, C. Moon, Y.J. Kim, H.J. Lee, M.S. Lee, K-H. Park
*Kyung Hee University Hospital, Kyung Hee University School of Medicine, Republic of Korea

Journal of Hospital Infection (2018) 99, 106-113


背景
グラム陰性菌は、カテーテル関連血流感染症(CRBSI)の原因菌となることが増えており、多剤耐性菌の保菌率も急上昇している。本研究では、中心静脈カテーテル(CVC)抜去の遅延がグラム陰性菌による CRBSI 患者の臨床アウトカムに及ぼす影響を評価した。

方法
2007 年 1 月から 2016 年 12 月までに第 3 次病院の 2 施設において、CVC 留置後のグラム陰性菌菌血症患者をレトロスペクティブに集計した。菌血症発症から 3 日を超えた後に CVC を抜去した例と、抜去しなかった例を CVC 抜去遅延例として分類した。

結果
計 112 例が対象となった。そのうち 78 例が CRBSI(43 例が確定、35 例が推定)であり、34 例が別の感染源によるグラム陰性菌菌血症(非 CRBSI)であった。腸内細菌科が原因である頻度は、非 CRBSI 患者と比較し、CRBSI 患者において低かった(11.5%対 41.3%、P < 0.001)。CVC 抜去の遅延は、グラム陰性 CRBSI 患者では 30 日時点の死亡率上昇と関連した(40.5%対 11.8%、P = 0.01)が、非 CRBSI 患者でこの関連性は認められなかった(25.0%対 14.3%、P > 0.99)。CVC 抜去遅延(オッズ比[OR]6.8)、多剤耐性(MDR)グラム陰性菌菌血症(OR 6.3)および慢性腎不全(OR 11.1)は、CRBSI 患者において 30 日時点での死亡率と関連していた。早期 CVC 抜去の死亡予防効果は MDR 群(48.3%対 18.2%、P = 0.03)で明らかであったが、非 MDR 群ではそうではなかった(11.1%対 0%、P = 0.43)。

結論
多剤耐性菌が流行している場合は特に、グラム陰性 CRBSI 患者の臨床アウトカムを改善するため、CVC を早期に抜去すべきである。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
グラム陰性菌菌血症による CRBSI を疑う場合、血管内カテーテルの扱いをグラム陽性菌と同様に考えるべきか、臨床的に悩ましい場合がある。加えて、尿路・腸管・胆道など他の感染巣からグラム陰性桿菌菌血症を来たした際、既に挿入されていた血管内カテーテルに二次的に菌が付着する例もある。CRBSI 関連のグラム陰性桿菌菌血症で早期の血管内カテーテル抜去が有効なのは本研究でも支持されたが、アウトカムは(30 日)死亡率であった。菌血症からの早期回復、臓器不全への進展予防といった指標においても、カテーテル抜去による違いについてデータがほしいところである。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.