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小児長期ケア施設における抗菌薬使用

Use of antibiotics in paediatric long-term care facilities

M.T. Murray*, C.L. Johnson, B. Cohen, O. Jackson, L.K. Jones, L. Saiman, E.L. Larson, N. Neu
*Columbia University Medical Center, USA

Journal of Hospital Infection (2018) 99, 139-144


背景
成人長期ケア施設では抗菌薬使用の割合が高く、抗菌薬耐性に関する懸念を引き起こしている。小児長期ケア施設における抗菌薬使用を検討した研究はほとんどない。

目的
小児長期ケア施設 3 施設における抗菌薬使用を記述すること、および抗菌薬使用に関連する因子を記述すること。

方法
2012 年 9 月から 2015 月 12 月にかけて、小児長期ケア施設 3 施設において後向きコホート研究を実施した。医療記録を、人口統計学的データ、医療関連感染症(HAI)、抗菌薬使用および診断検査について精査した。ロジスティック回帰を用いて、抗菌薬使用の予測因子を特定した。感受性検査の結果と抗菌薬による適切なカバーとの関連を、カイ二乗検定により明らかにした。

結果
入居者の 58%(717 例中 413 例)が少なくとも 1 件の HAI を有し、またこれらの入居者の 79%(413 例中 325 例)が少なくとも 1 回の抗菌薬療法コースを受けており、合計で入居者 1,000 人日当たり 2.75 回の抗菌薬療法コースが実施された。1 年を超える登録期間、神経学的疾患の存在、気管切開の存在、および研究期間中における少なくとも 1 回の入院が、施設で補正後、抗菌薬療法を受けることと有意に関連した(すべて P < 0.001)。抗菌薬療法を受けていた HAI の 40%で診断検査が実施されていた。病原体として同定された細菌に対する抗菌薬療法コースの 86%(233 例中 201 例)では、適切なカバーが提供されていた。感受性検査の利用可能性は、適切な抗菌薬の選択と関連しなかった(P = 0.26)。

結論
小児長期ケア施設において抗菌薬の使用が広がっている。小児長期ケア施設における抗菌薬使用のさらなる評価が必要とされる。小児長期ケア施設における不適切な抗菌薬使用に関連する有害転帰(耐性微生物の検出率など)の評価が極めて重要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
小児長期ケア施設における抗菌薬処方の背景には、臨床検査診断の不足とエビデンスの構築自体も遅れている。また、個々の患者は身体的にハンディを背負っており誤嚥性肺炎、ウロセプシス等の合併時には速やかな対応が必要となる。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.