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血液内科患者のバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の保菌および感染:クローン関連性、病原性および耐性のプロファイル

Vancomycin-resistant enterococci isolates colonizing and infecting haematology patients: clonality, and virulence and resistance profile

A.P. Marchi*, L.V. Perdigão Neto, R.C.R. Martins, C.F. Rizek, C.H. Camargo, L.Z. Moreno, A.M. Moreno, M.V. Batista, M.S. Basqueira, F. Rossi, U. Amigo, T. Guimaraes, A.S. Levin, S.F. Costa
*Universidade de São Paulo, Brazil

Journal of Hospital Infection (2018) 99, 346-355


背景
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は、血液内科患者においても保菌・感染がみられる重要な微生物である。しかしながら、VRE の病原性がその保菌および感染に果たす役割については議論がある。

目的
感染あるいは保菌している VRE 株の系統、病原性および耐性のプロファイルの特徴を明らかにすること、ならびにそれらが血液内科患者の転帰に及ぼす影響をロジスティック回帰モデルを用いて明らかにすること。

方法
患者 76 例から得た分離株 86 株(エンテロコッカス・フェシウム[Enterococcus faecium]80 株およびエンテロコッカス・フェカーリス[Enterococcus faecalis]6 株)を評価した。耐性および病原性遺伝子については PCR 法を行い、さらにパルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)と主要なクラスターに対しては全ゲノムシークエンシングを実施した。二変量および多変量解析を実施して、患者の転帰における病原性遺伝子の役割を評価した。

結果
すべての分離株が vanA 遺伝子を保有していた。病原性遺伝子に関しては、分離株の 96.5%が esp 遺伝子を、69.8%が gelE および asa1 遺伝子を保有していた。VRE 感染症患者の分離株は、保菌患者の分離株より病原性が強く、gelE 遺伝子を保有する割合が高かった(P = 0.008)。asa1 遺伝子を保有する VRE による感染症では死亡率が高かったが(P = 0.004)、多変量モデルにおいては優勢なクローンのみが依然として保護的因子であった。E. faecium 分離株は、CC17 に属する 7 つの ST 型(ST78、ST412、ST478、ST792、ST896、ST987、ST963)に分類された。E. faecalis はシークエンシングの結果、ST9(CC9)に属していた。

結論
E. faecium が優勢で、感染症患者の分離株は保菌患者の分離株より病原性が強く、gelE 遺伝子を保有する割合が高かった。asa1 遺伝子を保有する VRE による感染症は、致死的な転帰と関連するようであった。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
血液疾患患者での腸球菌感染症、特に VRE 感染症は、治療上も感染対策上も非常に大きな問題である。血液疾患患者から分離された VRE の病原性、分子疫学を、感染症例と保菌例で比較したのが本検討である。検討範囲を広げたり、他の地域で追試する必要性があるが、本テーマにおいては不明な点が多く、その解明の嚆矢となる貴重な情報と思われる。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.