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バイオフィルム関連のカテーテル感染症治療を目的とするエタノールロック療法の至適レジメン:in vitro 試験

The optimal ethanol lock therapy regimen for treatment of biofilm-associated catheter infections: an in-vitro study

B. Alonso*, M.J. Pérez-Granda, A. Rodríguez-Huerta, C. Rodríguez, E. Bouza, M. Guembe
*Instituto de Investigación Sanitaria Gregorio Marañón, Spain

Journal of Hospital Infection (2018) 100, e187-e195


背景
エタノールロック療法は、カテーテル関連血流感染症の保存的な管理を目的とする抗菌薬の代替治療の 1 つとして用いられている。しかし、レジメンまたは用量に関して明確な合意には達していない。

目的
細菌および真菌のバイオフィルムの代謝活性低下を目的とする、十分に低濃度のエタノールを含むエタノールロック溶液を見つけること。

方法
in vitro モデルを用いて、24 時間であらかじめ形成した黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC29213、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis、臨床分離株)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)ATCC33186、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)ATCC14058、大腸菌(Escherichia coli)ATCC25922 のバイオフィルムに対し、6 つの異なる時点で、60 IU のヘパリン含有および非含有の 3 つの濃度のエタノール(25%、40%、70%)を試験した。バイオフィルムの代謝活性低下はテトラゾリウム塩アッセイを用いて測定し、エタノールロック療法は代謝活性が 90%を超えて低下した場合に成功とみなした。その後、最も成功したレジメンのエタノール濃度のみについて、エタノールロック療法の各レジメンの終了から 24 時間以内と 7 日後に、再成長の阻害を調査した。

結果
40%エタノール+60 IU のヘパリンを、24 時間、72 時間、および24 時間を 7 日間施行するレジメンにおいてのみ、エタノールロック療法の最大の効果が達成された(P < 0.05)。しかし、いずれのレジメンも 7 日間の治療の間に 45%の再成長阻害に達することはなかった。

結論
我々の in vitro データによれば、細菌および真菌のバイオフィルムの代謝活性をほぼ根絶するために、40%エタノール+ 60 IU のヘパリンの 72 時間投与は十分なものである。エタノールロック療法後の菌の再増殖を検討するため、今後も研究が必要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
本研究では 5 菌種について、エタノールロック(エタノール濃度25%、40%、70%)を単回施行(2 時間施行、24 時間施行、72 時間施行)、複数日施行(1 日2 時間を 7 日間施行、1 日 3 時間を 7 日間施行、24 時間を 7 日間施行)した結果を比較したものである。総じて、エタノール濃度を 40%以上に保ち、さらに長い接触時間を取ることがバイオフィルム抑制に有効といえた。しかしながら再成長阻害に対する効果は十分でなかった。つまり連続して長時間接触させても取り除けるわけではないので、抑制が弱まれば容易に増殖しうることを意味する。本研究はヒト血清を用いてはいるものの in vitro の検討であり、抗菌薬ロックとの併用を含む、実臨床への応用とその効果については、まだ予測しがたい面が大きい。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.