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脳神経外科用器具の洗浄の改善による医原性クロイツフェルト・ヤコブ病のリスク低減

Reducing the risk of iatrogenic Creutzfeldt-Jakob disease by improving the cleaning of neurosurgical instruments

A. Smith*, S. Winter, D. Lappin, A. Sherriff, I. McIvor, P. Philp, N. Suttner, S. Holmes, A. Stewart
*,University of Glasgow, UK

Journal of Hospital Infection (2018) 100, e70-e76


背景
英国において変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を診断された患者は計 178 例で、保存された虫垂・扁桃組織に基づく有病率は最大で2,000 人あたり 1 人と推定されている。このことにより、感染症はまれだが、保菌は比較的多いことが示唆される。以前の研究の著者らは、手術器具を使用後と洗浄前に湿潤環境に保持することが、洗浄効果に有用であることを確認している。近年、英国の保健省・危険な病原体に関する諮問委員会(Department of Health/Advisory Committee on Dangerous Pathogens)は、洗浄後の手術器具の清浄度の閾値を、器具あたり蛋白質量 5 µ g 未満とすることを推奨している。

目的
脳神経外科用器具の清浄度を定量化すること、および洗浄の改善のための費用対効果策を検討すること。

方法
器具の蛋白質定量化のための 2 つの方法を使用した。1 つはドデシル硫酸ナトリウム溶出法とオルトフタルアルデヒド反応を用いた国際規格(ISO15883 規格)に基づくもので、もう 1 つは in-situ での蛋白質蛍光検出システム(商品名:ProReveal)で、器具あたりの蛋白質量が得られる。市販の屋内用の洗浄前湿潤剤の有効性に関する in-vitro 試験を、標準条件下で、人為的な試験用汚染物質とステンレススチール製のディスクを用いて実施した。in-vitro でのもっとも優れた洗浄剤の in-vivo 評価を、開頭術用器具一式で実施した。

結果
ProReveal 技術により、脳神経外科用器具 187 個のうち 163 個(87%)で、器具あたりの残存蛋白質が 5 µg 未満であることが確認された。英国国営医療サービス事業(National Health Service;NHS)の独自の商品であるプラスチック製バッグと滅菌湿潤創傷パッドの使用は、有効性に関して市販の洗浄前湿潤剤と同等であり、有意に安価であった。

結論
脳神経外科用器具の in-situ での蛋白質量低値、ならびに器具の湿潤状態保持における有益な効果が確認されたが、それ以外に器具の負荷パターンなど洗浄の重要な管理点も観察する必要がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
脳神経外科用器具の清浄度について Synoptics Health 社製の『ProReveal』検査は蛍光での微量蛋白質測定装置と従来法により残留蛋白質を測定した検証研究である。この方法で精度高く維持しつつ測定の経費が削減できると報告している。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.