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早発型人工弁感染性心内膜炎のリスク因子:症例対照研究

Risk factors for early onset prosthetic valve endocarditis: a case-control study

R.Q. Garrido*, B. Pessanha, N. Andrade, M.G. Correia, C. Weksler, W. Golebiovski, G.F. Barbosa, M.M. Garrido, I.S. Martins, C.C. Lamas
*Infection Control Department, Instituto Nacional de Cardiologia, Brazil

Journal of Hospital Infection (2018) 100, 437-443


背景
早発型人工弁感染性心内膜炎は心臓弁手術のまれな合併症の 1 つであり、移植中または術後早期における人工弁の汚染が原因の医療関連感染症とみなされている。

目的
どの因子が早発型人工弁感染性心内膜炎の罹患に関連する可能性があるか評価すること。

方法
2006 年から 2016 年にかけてコホート内症例対照研究を実施した。症例は心臓弁置換から 12 か月以内に、修正版 Duke 診断基準に基づいて、人工弁心内膜炎に明らかに罹患した患者であった。症例および対照は、年齢、性別、手術日および手術の種類によってマッチさせた。

結果
2,496 件の弁手術において、症例は 26 例であり、対照は 78 例であった。早発型人工弁感染性心内膜炎の発症率の中央値は 1.1%であった。特定された手術中のリスク因子は、クリオプレシピテートの 2 単位以上の使用(オッズ比[OR]5.95、95%信頼区間[CI]1.31 ~ 27.0)、ならびに血漿の 2 単位以上の使用(OR 2.73、95%CI 1.0 ~ 7.5)であった。術後期においては、関連する因子は血流感染症(OR 14.00、95%CI 1.49 ~ 131.77)、肺炎(OR 4.38、95%CI 1.21 ~ 15.84)、あらゆる感染症(OR 4.46、95%CI 1.63 ~ 12.21)、2 週間以上の中心静脈ライン(OR 5.33、95%CI 2.06 ~ 13.78)、透析カテーテルの存在(OR 3.22、95%CI 1.15 ~ 9.03)、新規の開胸手術(OR 3.89、95%CI 1.28 ~ 11.78)であった。12 か月時点での死亡率は、症例では 34.6%、対照では 6.4%(OR 7.73、95%CI 2.3 ~ 26.06)であった。

結論
早発型人工弁感染性心内膜炎の症例では、術後早期における感染症、侵襲的手技、外科的再介入がより多く、これらは新たに移植された人工弁の汚染を助長する。感染管理実践の強化を伴う予防的アプローチにより、早発型人工弁感染性心内膜炎の発症頻度が抑制される可能性がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
早発型人工弁感染性心内膜炎は、術後 12 か月以内に発生する症例と定義されている。そのリスク因子の候補が本論文では紹介されているが、やはり周術期の血流感染や肺炎などの遠隔部位感染の OR が高く、手術部位感染症の予防では、創部だけでなく、遠隔部位の感染対策も重要であることを再認識させてくれる結果と言えよう。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.