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脳神経外科患者における表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)のメチシリンおよびリネゾリド耐性クローンに起因する院内脳室炎

Nosocomial ventriculitis caused by a meticillin- and linezolid-resistant clone of Staphylococcus epidermidis in neurosurgical patients

C. Rodríguez-Lucas*, J. Fernández, J.A. Boga, L. López-Amor, L. Forcelledo, E. Lázaro-López, M.R. Rodicio
*Universidad de Oviedo, Spain

Journal of Hospital Infection (2018) 100, 406-410


背景:
脳神経外科手術後の脳室炎は主にコアグラーゼ陰性ブドウ球菌に起因する。リネゾリド耐性表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)の出現率は世界的に増加傾向にある。

目的:
スペインの病院における 2013 年から 2016 年までのリネゾリド耐性表皮ブドウ球菌に起因する連続する脳室炎症例の臨床的、疫学的、微生物学的データを報告すること。

方法:
スペインの病院 1 施設におけるリネゾリド耐性表皮ブドウ球菌による脳室炎症例を、4 年間にわたり後向きにレビューした。感染患者の臨床的・疫学的データをレビューし、関与する分離株をパルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)と multi-locus sequence typing 法により分類し、リネゾリド耐性の分子基盤を究明した。

結果:
リネゾリド耐性表皮ブドウ球菌による脳室炎の 5 例を検出した。患者は、体外脳室ドレーンの留置を必要とする脳出血や頭部外傷を有し、集中治療室(ICU)に比較的長期にわたり入室し(10 日から 26 日)、5 例のうち 3 例はリネゾリドによる治療歴があった。リネゾリド耐性表皮ブドウ球菌はすべて、同一の PFGE パターンを示し、ST2 に属し、同一のリネゾリド耐性メカニズムがみられた。具体的には、すべての分離株で、23S rRNA 遺伝子の 6 コピーそれぞれのドメイン V 領域に G2576T 変異がみられ、さらに、リボソーム蛋白質である L3 に Q136L と M156T の変異、L4 に 71GGR72 の挿入変異がみられた。

結論:
ICU におけるリネゾリドの高使用率(100 患者・日あたり 1 日投与量 7.72 ~ 8.10)によって、この耐性クローンが選択された可能性があり、おそらく、このクローンは、入院患者に定着できたであろう ICU において拡散するようになったと思われる。治療が困難なこの病原体の拡散を防止するため、そしてリネゾリドの治療効果を維持するために、感染制御と抗菌薬適正使用支援介入が必須である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
スペインの病院における、2013 年から 2016 年までの脳神経外科手術後に発生したリネゾリド耐性表皮ブドウ球菌による感染症のレビューを行った論文である。今後の対策として、感染制御と抗菌薬適正使用の強化はもっともであるが、1 施設での後向き調査からは、もう少し具体的な対応策について検討されてもよかったと思われる。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.