JHIサマリー日本語版トップ

レーティング:[監訳者による格付け]
★★…是非読むことをお勧めする論文 ★…読むことをお勧めする論文

管腔内医療器具の汚染除去のための指針: Healthcare Infection Society の作業部会による報告

Guidance for the decontamination of intracavity medical devices: the report of a working group of the Healthcare Infection Society

C.R. Bradley*, P.N. Hoffman, K. Egan, S.K. Jacobson, A. Colville, W. Spencer, S. Larkin, P.J. Jenks
*Hospital Infection Research Laboratory, UK

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 1-10


背景
管腔内医療器具はさまざまな医療現場で使用されている。管腔内医療器具の汚染除去のアプローチや利用可能な資源もさまざまであり、これらの器具による感染症伝播の可能性は考慮すべきものである。

目的
管腔内医療器具の汚染除去を図るために、適応性のある監査ツールを併用する、リスク評価に基づく包括的アプローチを策定すること。

主な推奨事項
-すべての管腔内医療器具は、それらがもたらす感染症伝播のリスクによって分類すること。
-管腔内医療器具の汚染除去に使用されるプロセスは、基本的な品質必須条件に準拠し、より質の高いベストプラクティスへと向上していくものとする。
-すべてのプローブは、それぞれの使用後まず十分に洗浄すること。
-粘膜に接触したプローブは、管理されたプロセスで消毒すること。
-手動消毒は品質必須条件に従うことが望ましく、妥当性が確認された自動消毒がベストプラクティスとなる。
-手術者の汚染された手指と接触したプローブとそれに連結したパーツの領域も汚染除去が必要である。
-無菌の体組織と接触するプローブは滅菌すべきであり、無菌バリア単独の使用は容認できない。
-管腔内医療器具の汚染除去に携わる人々すべてが、汚染除去の訓練を受けること。
-汚染除去は、十分な設備が整い、汚染から清潔への明確な経路を可能にする設備において実施すること。
-プローブが使用された患者の各プローブとその汚染除去に関する各エピソードの追跡と監視を可能にする汚染除去システムを備えること。
-新たな管腔内医療器具を入手する前に、医療従事者による十分な汚染除去の提供の確立を目指すこと。
-管腔内医療器具の汚染除去のプロセスは定期的に監査すること。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
本ガイダンスは概要的な記載にとどまっており、具体的にどのような器具に対してどういった管理を行うべきかの記載を欠いている。今後の展開に期待したい。

滅菌可能な医療器具の再処理における 6 時間推奨を検証する

Challenging the six-hour recommendation for reprocessing sterilizable medical equipment

K. Bundgaard*, E.E. Sorensen, K. Ripadal, A-E. Christensen, H.C. Schønheyder
*Aalborg University Hospital, Denmark

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 13-19


背景
現在、滅菌可能な医療器具の再処理は、器具の品質が低下しないことが保証される手術終了後 6 時間以内に開始するよう推奨されている。文献調査では、医療従事者が 6 時間という標準的な滅菌プロトコールを遵守しない場合に起こりうる結果のエビデンスが不十分であった。

目的
滅菌可能な医療器具の再処理における 6 時間推奨について、再処理前の待機時間に比例して残留蛋白が増加しているか否か、同様に、待機時間に比例して外科用剪刀の腐食が増加しているか否かを測定することにより評価する。

方法
ヒト血液で汚染された外科用器具について、さまざまな待機時間後および洗浄前に、オルトフタルジアルデヒド法により残留蛋白を測定した。ヒト血液で汚染された外科用剪刀について、さまざまな待機時間後および再処理後に、光学顕微鏡・走査型電子顕微鏡により腐食を測定した。

結果
蛋白の残留は 14.0 μg ~ 51.9 μg の範囲内であり、器具表面あたりの許容閾値 100 μg を下回っていた。外科用剪刀 30 本のうち 22 本で、表面の 0.05%に相当する腐食が確認され、30 本のうち 4 本で孔食がみられた。

結論
残留蛋白と待機時間との関連も、腐食の発生と滞留時間との関連も確認されなかった。よって、本研究では、再処理前の最大待機時間 6 時間という推奨を支持する妥当性を検証できた。この結果は、デンマークおよび国際的にも、外科用器具の再処理の取り組みに影響を及ぼす可能性がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
基準を設定した時点での科学的な根拠について、最先端の科学でその正当性を評価することは重要である。

医療関連感染症:文献レビューによる中東呼吸器症候群コロナウイルスの特徴

Healthcare-associated infections: the hallmark of Middle East respiratory syndrome coronavirus with review of the literature

J.A. Al-Tawfiq*, P.G. Auwaerter
*Johns Hopkins Aramco Healthcare, Saudi Arabia

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 20-29


中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)は、急性呼吸器疾患を引き起こす可能性がある。臨床検査で確認された MERS-CoV 感染症例は、無症状のものから軽症、あるいは生命を脅かす症状を呈し、致死率が高い場合もある。伝播には 3 つのパターンがあり、ヒト以外の推定曝露源からの地域社会における散発症例、家族内の感染初発例との接触による家族内クラスター、患者間および患者から医療従事者への医療関連感染である。医療関連 MERS 感染症は、疾患の特徴や主要な伝播経路についてよく知られるようになった。医療関連アウトブレイクをもたらす主な要因は、発見の遅れ、不十分な感染制御対策、MERS 疑い患者または他の呼吸器疾患患者の不適切なトリアージと隔離、混雑、救急部門に数日間残留する患者などである。文献レビューから、ほとんどの場合、適切な感染制御対策の適応により、病院アウトブレイクの効果的な制御が達成されたことが示唆される。迅速な発見、隔離、疑い例の管理が、MERS 伝播の予防における重要な因子である。感染制御に関する反復評価および是正措置の監視は、アウトブレイクの経過の変化に影響する。接触や受診の回数を制限することも、感染症伝播を低減させる重要な因子である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
中東呼吸器症候群コロナウイルスによる中東呼吸器症候群は、SARS とは異なり、現在も患者が発生しており地域的な感染症として常に年頭におき、感染予防に取り組む姿勢が必要である。超感染性者(Super-spreader)の存在も重要である。

急性期病院環境におけるインフルエンザ B ウイルスの院内アウトブレイクの分子的特性

Molecular characterization of a nosocomial outbreak of influenza B virus in an acute care hospital setting

M. Sansone*, Å. Wiman, M.L. Karlberg, M. Brytting, L. Bohlin, L-M. Andersson, J. Westin, R. Nordèn
*University of Gothenburg, Sweden

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 30-37


目的
2015 年から2016 年のインフルエンザシーズン中のインフルエンザ B ウイルス感染症の院内アウトブレイクについて、臨床的・疫学的データと分子的方法を統合して示すこと。

方法
4 週間にわたる院内アウトブレイク由来のインフルエンザ B と診断された患者 20 例を対象とした。マルチプレックスリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりインフルエンザ B 陽性を示した鼻咽頭サンプルを、系統分類と全ゲノムシークエンス法のために送った。患者特性、入院病棟、曝露、アウトカムに関するデータについて診療記録を後向きにレビューし、時系列にまとめた。院内アウトブレイクと関連している可能性を突き止めるために、期間を延長して、その区域における鼻咽頭サンプルインフルエンザ陽性の全患者もレビューした。

結果
インフルエンザ B の 20 例すべてが、B / Yamagata 系統に分類され、20 例のうち 17 例は、同室または同じ病棟であったことから、相互接触する可能性があった。全ゲノムシークエンスにより、ウイルス分離株 17 株のうち 15 株について解読または一部解読ができ、近縁を裏付ける疫学的関連が実証された。主な感染病棟において、アウトブレイク期間に入院患者 75 例のうち 19 例がインフルエンザ B に感染し、罹患率は 25%となった。インフルエンザ関連死である可能性の高い患者 1 例が確認された。

結論
インフルエンザ B は急性期病院内で伝播する可能性があり、高度な分子的方法が、アウトブレイクの発生源と範囲の評価を容易にするであろう。迅速な診断、アウトブレイクの状況の早期発見、患者管理のための簡易な規定、正規の感染制御対策の使用など多角的なアプローチによって、インフルエンザウイルスの院内感染を防止できると考えられる。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
スウェーデンにある 200 床の急性期病院で発生したインフルエンザ B ウイルスによる集団発生の疫学調査および分子疫学調査をまとめた論文である。主に同一病棟、病室での発生であったが、インフルエンザを発症したものの、休暇を取っていなかった医療従事者が感染源であることが疫学調査から示唆された。院内伝播をどう防ぐかと同時に、発症した医療者への対応が重要である。

インフルエンザ A / B アウトブレイクに対してウイルス検査室に cobas® Influenza A/B & RSV を採用する的を絞った管理

Targeted management of influenza A/B outbreaks incorporating the cobas® Influenza A/B & RSV into the virology laboratory

C.F. Lowe*, V. Leung, L. Karakas, L. Merrick, T. Lawson, M.G. Romney, G. Ritchie, M. Payne, Providence Health Care Infection Prevention and Control Team
*Providence Health Care, Canada

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 38-41


2017 年から 2018 年のインフルエンザシーズンの間に、著者のウイルス検査室は、インフルエンザアウトブレイクの管理のために、2 つのシナリオ、すなわち初期のアウトブレイク調査と、アウトブレイクにおいて長期に及ぶ対策を回避する決定において、cobas® Influenza A/B & RSV(Roche Molecular Diagnostics, Pleasanton, CA, USA)を利用した。27 件の調査を実施し、そのうち 11 件はインフルエンザ A / B のアウトブレイク宣言であった。調査の 30%は、検査室が独自策定した、まとめて 1 日 1 回行う標準的な呼吸器検体のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の機会を逸した可能性があり、アウトブレイクの確定が翌日まで遅延した。インフルエンザ A / B 検査の所要時間短縮の平均は 10.2 時間であった。特定のアウトブレイクシナリオにおける迅速分子 PCR によって、インフルエンザアウトブレイクの時宜を得た管理が改善された。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
検査による診断も大切だが、シーズン中にインフルエンザ様症状を呈したら、まず対応し、その後インフルエンザが確実に否定されたら解除することが、拡大防止において重要であろう。そのためにも、検査部門と感染管理部門の密な連携が求められる。

医療従事者における中東呼吸器症候群に対する曝露後予防

Post-exposure prophylaxis for Middle East respiratory syndrome in healthcare workers

S.Y. Park*, J.S. Lee, J.S. Son, J.H. Ko, K.R. Peck, Y. Jung, H.J. Wooe, Y.S. Joo, J.S. Eom, H. Shi
*Hallym University School of Medicine, South Korea

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 42-46


効果的な曝露後予防戦略は感染症の拡散を抑える可能性がある。しかし、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染症に対する曝露後予防に関してコンセンサスは得られていない。本研究は、重症 MERS-CoV による隔離前の肺炎患者に曝露された医療従事者に対する、曝露後予防としてのリバビリンおよびロピナビル・リトナビルの有効性を評価した。曝露後予防レジメンの安全性を評価した。隔離前の肺炎患者の MERS-CoV への高リスクの曝露を認めた医療従事者を、後向きに登録した。曝露後予防療法を受けた医療従事者を、曝露後予防群とした。曝露後予防療法により、感染症のリスクが 40%低下した。曝露後予防療法中に、重度の有害事象は報告されなかった。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
韓国内で MERS 患者の対応を行った医療機関 5 施設での MERS 曝露後予防投与に関する論文である。予防内服として、リバビリン内服(初回 2,000 mg、その後、1,200mg/8 時間毎を 4 日間、続けて、600 mg/8 時間毎を6 日間から 8 日間、あるいは、ロピナビル・リトナビルを 400 mg/100 mg/12 時間毎を 11 日間から 13 日間投与した結果、防護具なしで対応に当たった医療者において、40%発症のリスクを下げることができた。医療者の 2 次感染事例が発生した韓国の医療機関での対応とその評価が示された貴重な論文である。

オランダのナーシングホームにおける医療関連感染症の有病率:2010 年から 2017 年の追跡研究

Prevalence of healthcare-associated infections in Dutch nursing homes: follow-up 2010-2017

A. Eikelenboom-Boskam*, K. Saris, M. van Loosbroek, M.I.J. Drabbe, F. de Jongh, J.W.D. de Jong, P.G.M. Boom-Poels, A. Voss
*Canisius-Wilhelmina Hospital (CWZ), The Netherlands

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 49-52


オランダのナーシングホームにおいて 2007 年から 2009 年の毎年 11 月に実施された最初の点有病率研究を受けて、著者らは 2010 年から 2017 年にかけて毎年 11 月に医療関連感染症の追跡点有病率研究を実施した。以前の研究と同様の方法と基準を用いた。入居者の特性を記録し、データ収集はオンライン調査によって高齢者ケア担当医師が行うとともに、2012 年以降は特別にデザインされたアプリを用いても行った。同年より、失禁に関する情報が追加された。2010 年から 2017 年までに、年あたり平均 1,786 例(範囲 1,571 例 ~ 2,185例)の入居者を組み入れた。医療関連感染症の有病率は、全年度において年齢(平均 83 歳)および性別(男性 31%、女性 69%)にかかわらず同様であった。全体的な平均有病率は、最初の 4 年間の 6.7%に対し、最後の 6 年間では 2.2%であった。最も有病率が高かった医療関連感染症は尿路感染症であった(1.5%)。ほとんどの医療関連感染症が、リハビリテーション施設の入居者で発生していた。医療関連感染症の有病率には、ナーシングホームによってばらつきがあった(0.0 ~ 37.0%)。抗菌薬の平均使用率は、全年度を通じて医療関連感染症の有病率に関わりなく一定であった(6.0%)。失禁用品(おむつなど)の使用は入居者の平均 73.5%でみられ、64.3%は失禁を伴うと報告されていた。新しい環境におけるこうした感染制御およびサーベイランスを改善する取り組みは、その取り組みが成功するまで数年間にわたり継続する必要がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
病院における医療関連感染症の疫学に関しては様々なサーベイランスデータが出そろってきているが、ナーシングホームなどのにおける医療関連感染症の実態は十分に明らかになっていない。改善を行うにはまず現状を知る必要がある。日本でも同様の調査が期待される。

ギリシャにおける小児患者を対象とした全国を代表する中心ライン関連血流感染症サーベイランスデータの確立

Establishing nationally representative central line-associated bloodstream infection surveillance data for paediatric patients in Greece

S. Kouni*, M. Tsolia, E. Roilides, G. Dimitriou, S. Tsiodras, A. Skoutelis, E. Kourkouni, D. Gkentzi, E. Iosifidis, N. Spyridis, I. Kopsidas, P. Karakosta, G.C. Tsopela, I. Spyridaki, G. Kourlaba, S. Coffin, E.T. Zaoutis, for the PHIG Investigators
*Center for Clinical Epidemiology and Outcomes Research (CLEO), Greece

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 53-59


背景
医療関連感染症は、疾患状態と死亡の増加をもたらし、費用の増大を伴う。中心ライン関連血流感染症(CLABSI)は、新生児および小児において最も高頻度でみられる医療関連感染症である。

目的
新生児集中治療室(NICU)および小児集中治療室(PICU)ならびに小児腫瘍科における CLABSI 発生率の全国基準となるデータを確立すること。

方法
CLABSI に対する積極的サーベイランスを 2016 年 6 月から 2017 年 2 月にかけて実施した。NICU 14 施設、PICU 4 施設、および小児腫瘍科 6 施設が共同で本プログラムに参加した。サーベイランスのための中心ライン、中心ライン使用率、CLABSI イベント、および CLABSI 発生率の定義は、米国疾病対策センター(CDC)による 2014 年の全米医療安全ネットワークの基準に基づいた。医療記録の評価を、中心ライン留置日、患者日、および分離微生物の感受性を算出するために毎日行った。

結果
CLABSI エピソード計 111 件が記録された。CLABSI の全発生率は平均で 1,000 中心ライン留置日あたり 4.41、中心ライン使用率は 0.31 であった。CLABSI 発生率は 1,000 中心ライン留置日あたり、NICU で 6.02、PICU で6.09、および小児腫瘍科で 2.78 であった。計 123 の病原体が分離された。最も高頻度に分離された病原菌は腸内細菌科細菌(36%)であり、次いでグラム陽性球菌(29%)、非発酵グラム陰性菌(16%)、および真菌(16%)の順番であった。全体でグラム陰性病原菌の 37%が第 3 世代セファロスポリン系に、また 37%がカルバペネム系に耐性であった。

結論
小児患者における全国を代表する CLABSI 発生率が明らかになった。これらのデータは、感染制御および抗菌薬管理という介入をデザインおよび評価するための基準として利用でき、ベースラインデータとして有用となり得るであろう。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
通常 CLABSI の原因菌は黄色ブドウ球菌をはじめとするグラム陽性球菌が多いことが知られているが、本調査では大腸菌などの腸内細菌科細菌が最も多く、またその 37%がカルバペネム耐性という驚くべき結果であった。もともとギリシャは多剤耐性グラム陰性桿菌が世界的に見ても多い国であることは知られている。日本とはかなり異なる疫学だと思われるが、このようになった原因を知ることや、このような状況を改善することは、今後我々が直面することになるかもしれない多剤耐性菌のまん延の防止に役立つであろう。

ガーナにおける病院獲得感染症に関する多施設共同点有病率調査

Multi-centre point-prevalence survey of hospital-acquired infections in Ghana

A-K. Labi*, N. Obeng-Nkrumah, E. Owusu, S. Bjerrum, A. Bediako-Bowan, G. Sunkwa-Mills, C. Akufo, A.P. Fenny, J.A. Opintan, C. Enweronu-Laryea, S. Debrah, N. Damale, C. Bannerman, M.J. Newman
*Korle-Bu Teaching Hospital, Ghana

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 60-68


背景
アフリカにおける医療関連感染症(HAI)を記述したデータは少ない。

目的
ガーナの急性期病院における HAI の有病率および分布について記述すること。

方法
2016 年 9 月から 12 月にかけて、本研究に参加した病院において、欧州疾病対策センターのプロトコールを用いて点有病率調査を実施した。適格とされた入院患者の医療記録のレビューを調査日の午前8時またはその以前に行い、調査時点における HAI の存在を同定した。

結果
病院 10 施設に対して調査を行い、これは公立病院の全急性期ベッドの 32.9%に相当した。調査対象とした入院患者 2,107 例中、172 例において HAI 184 件が同定され、これは全有病率 8.2%に相当した。対象病院における有病率の値は、3.5%から 14.4%の範囲で、2 次および 3 次医療関連感染症施設でより高い有病率が認められた。高頻度でみられた HAIは、手術部位感染症(32.6%)、血流感染症(19.5%)、尿路感染症(18.5%)および呼吸器感染症(16.3%)であった。デバイス関連感染症は、HAI の 7.1%を占めていた。HAI の 12.5%では原因微生物が報告されており、最も高頻度で分離されていた微生物は大腸菌(Escherichia coli)であった。調査対象となった全患者の約 61%が抗菌薬療法を受けており、HAI 患者の 89.5%は調査日に少なくとも抗菌薬 1 剤の投与を受けていた。HAI の最も強い独立予測因子は、感染症発症前および入院中における侵襲的デバイスの存在であった。

結論
ガーナにおいては、他の低所得国および中所得国の所見と比べて、HAI の負担が小さいことが明らかになった。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
本論文では、ガーナでは他の低中所得国と比べて HAI の負担が小さいと結論付けられている。確かに HAI の有病率が 8.2%というのは目立って高い数字ではなく、意外に思える。ただし論文のリミテーションとして記載されているが、稼働率が 59%と低いことや、微生物検査が十分に行われていないことなどを考慮しなくてはならない。

病院内局所環境と医療関連バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)獲得との関連

The local hospital milieu and healthcare-associated vancomycin-resistant enterococcus acquisition

M.J. Zhou*, J. Li, H. Salmasian, P. Zachariah, Y-X. Yang, D.E. Freedberg
*Columbia University Medical Center, USA

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 69-75


背景
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は、米国における全医療関連感染症の原因の4%を占めている。病院内局所環境が VRE 獲得においてどのようなプロセスを介して寄与しているかは、十分に明らかでない。

目的
医療関連 VRE 獲得に対して、病院内局所環境における特定の因子のもつ重要性を明らかにすること。

方法
本後向きコホート研究には、2012 年 1 月から 2016 年 12 月にかけて、大学付属医療センター 1 施設の集中治療室 6 室に入室し、入室時の直腸培養で VRE 陰性であった患者を組み入れた。VRE 獲得は、対象入室期間における初回スワブ陰性後の任意の時点でのサーベイランススワブ陽性と定義した。対象とした曝露は、VRE 保菌圧、VRE持ち込み圧、およびバンコマイシン使用であった。多変量 Cox 比例ハザードモデリングを実施し、患者の追跡を VRE 獲得まで、死亡または最長 30 日まで行った。

結果
最初に VRE 陰性であった患者 8,485 例中、161 例で VRE 獲得が認められた。単変量解析では、VRE 獲得を認めた患者はバンコマイシン投与を受けていた割合、バンコマイシン投与患者の近傍にいた割合、高い VRE 持ち込み圧を認めた割合、または高い VRE 保菌圧を認めた割合が高かった。多変量解析では、高い VRE 保菌圧のみが VRE 獲得の独立予測因子であった(補正ハザード比1.79、95%信頼区間1.19 ~ 2.70)。

結論
VRE 保菌圧は、VRE 持ち込み圧とは関係なく、医療関連 VRE 獲得において最も重要なリスク因子であった。VRE 獲得を低減するための介入は、VRE 保菌が確認されている患者と病院内局所環境との間の伝播を最小限にすることに焦点を当てるべきである。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
VRE は通常腸管内保菌が一般的であり、特に集中治療室においてその感染リスクは米国では4 ~ 30%と高くなる。保菌患者の大半は重篤な感染症を発症しないが、VRE の腸管保菌は正常な腸管細菌叢の定着阻止能力の破綻を意味している。一方で、VRE は環境で数週間から数か月間長期生存するため環境がリザーバーとなり、患者退室後の清掃後にも10 ~ 50%で環境表面から検出され、医療従事者を介して拡散する。

ナーシングホーム入居者および介護なし住宅施設居住者における黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)と大腸菌(Escherichia coli)にみられる分子疫学の違い

Differences in molecular epidemiology of Staphylococcus aureus and Escherichia coli in nursing home residents and people in unassisted living situations

M. Olofsson*, A. Matussek, R. Ehricht, P-E. Lindgren, C.J. Östgren
*Ödeshög Health Care Centre, Sweden

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 76-83


背景
保菌圧を感染症伝播の作業モデルおよび代理指標として用いる場合、変化し得る環境内における特定のリスクをグレード判定または定量化できないためにその有用性が限られる。

目的
ナーシングホーム入居者および介護なし住宅施設居住者において、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)および大腸菌(Escherichia coli)という 2 種類の細菌の分子疫学を比較することで、より高性能の保菌圧モデルを検討すること。

方法
スウェーデン南中央部の 1 都市の高齢居住者 73 例を対象に横断研究を実施した。これらの居住者のうち、同じ地理的地域において35 例はナーシングホーム入居者、34 例は自身の住居で生活していた。2 つの代表的な細菌種のサンプルを、複数の身体部位から採取し、分子学的多様性について分析した。

結果
すべての身体部位を合わせると、参加者の 47%が黄色ブドウ球菌、93%が大腸菌を保菌していた。ナーシングホーム群、介護なし住宅施設群、および両群を合わせた場合に、それぞれ 16、17、および 29 の異なる黄色ブドウ球菌の spa 型が認められた。同じ群に対応して、異なる大腸菌血清型の数は、それぞれ 34、28、および 48 であった。糖尿病は、黄色ブドウ球菌保菌の割合が高いことと関連していた。

結論
異なる形態の居住設備において認められた細菌の分子学的多様性は、同様の範囲内であった。病院における質の高い衛生環境が、ナーシングホーム群において分子的多様性に均質性がみられなかったことに寄与していた可能性がある。高齢という特徴により選択した患者では、糖尿病が影響を及ぼした可能性がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
共同生活をおこなうナーシングホーム入居者は、しばしば抗菌薬が投与されたり、病院への入退院を繰り返すため、特定のクローンが定着しやすい状況が発生し、保菌圧が高まる結果、自宅で自立した生活を営んでいる人に較べると、菌に多様性がなくなり、一定の株が優位になることが予測される。本論文では、小さな集団ではあるが多様性の違いを検討した。結果は 2 群間では差がなかった。さらに耐性菌については、MRSA や ESBL 産生大腸菌の保菌率は極めて少ないスウェーデンでの研究であり、2015 年の推計では人口 10万人あたり 39 人と 99 人と推計されている、人口が 1,000 万人であり、国内年間 4,000人と1万人程度の患者数である。実際黄色ブドウ球菌 69 株から MRSA は 1 株、大腸菌 136 株でESBL 産生株は 5 株であった。

重症肺炎患者における環境細菌汚染に対する高流量式鼻カニューレと酸素フェイスマスクの比較:無作為化対照クロスオーバー試験

Comparison of high-flow nasal cannula versus oxygen face mask for environmental bacterial contamination in critically ill pneumonia patients: a randomized controlled crossover trial

C.C.H. Leung*, G.M. Joynt, C.D. Gomersall, W.T. Wong, A. Lee, L. Ling, P.K.S. Chan, P.C.W. Lui, P.C.Y. Tsoi, C.M. Ling, M. Hui
*The Chinese University of Hong Kong, Hong Kong

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 84-87


高流量式鼻カニューレの使用が増えつつあるが、気体の流量が大きいため、感染性粒子のエアロゾル化および感染症の拡散について懸念が生じている。本無作為化対照クロスオーバー非劣性試験(N = 20)では、グラム陰性菌による肺炎の重症患者に対する高流量式鼻カニューレと従来の酸素フェイスマスクの使用について、生きた細菌による環境汚染の程度を比較評価した。本研究の結果から、高流量鼻カニューレの使用により、グラム陰性菌または総細菌による空気中または接触表面の汚染(落下細菌)に増加は認められないことが示され、このことから、さらなる感染制御策は必要ないことが示唆される。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
高流量式鼻カニューレは、10 ~ 60 L/分の高流量を流すことで、呼吸不全患者への酸素療法としてその使用頻度が増加している。酸素マスクが6 ~ 8 L/分でることと比較すると、高流量酸素により呼吸器分泌物のエアロゾル化がおこり、空気感染の危険性が考えられる。本論文では、グラム陰性菌による肺炎患者においてどちらの酸素療法においても飛散する細菌数は変わらず、高流量式鼻カニューレ使用時の感染対策は従来と変わらないとしている。しかしながら、高流量酸素投与での SARS ウイルスやインフルエンザウイルスによる空気感染は報告されており、この論文からの結論には限界がある。

セフロキシム前房内予防投与の導入前後での白内障手術後の眼内炎における細菌学的特徴およびセフロキシム耐性:後向き単一施設研究

Bacteriology and cefuroxime resistance in endophthalmitis following cataract surgery before and after the introduction of prophylactic intracameral cefuroxime: a retrospective single-centre study

E. Friling*, P. Montan
*St Erik Eye Hospital, Sweden

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 88-92


背景
St Erik Eye Hospital では白内障手術後の術後眼内炎予防を目的として、セフロキシム前房内投与が 1996 年に導入された。セフロキシム前房内投与の導入直後に、術後眼内炎の発生率が劇的に低下し、眼内炎の原因に変化が認められた。

目的
セフロキシム前房内投与の導入前後における眼内炎の細菌学的特徴およびセフロキシム耐性を分析すること。

方法
St Erik Eye Hospital において、20 年間にわたり実施された白内障手術後に培養で確認されたすべての眼内炎症例を対象に、後向き観察研究を実施した。

結果
セフロキシム前房内投与の導入前(期間 1)には白内障手術 34,390 件において眼内炎症例 62 例(0.18%)が発生したのに対し、導入後(期間 2)には手術 75,144 件において 33 例(0.044%)が発生し、2 期間の間で有意差が認められた(P < 0.001)。細菌の検出率は期間 2 において大幅に低下し、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(1/1,400 対 1/15,000、P < 0.001)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(1/2,000 対 1/30,000、P < 0.001)、腸球菌以外のレンサ球菌(1/2,500 対 1/25,000、P < 0.001)およびプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)(1/16,000 対 0/75,000、P = 0.04)という結果であった。セフロキシム感受性株は、期間 2 では検出率が低下した(P < 0.001)。期間 2 において、腸球菌は有意ではなかったが主要な細菌種となり(P = 0.13)、他方でセフロキシム耐性株の検出率はほぼ有意に上昇した(P = 0.05)。

結論
セフロキシム前房内投与により、白内障手術後の眼内炎の発生率が低下し、病原菌にはセフロキシム感性菌からセフロキシム耐性菌への変化が認められた。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
白内障術後の感染には、主にコアグラーゼ陰性ブドウ球菌やPropionibacterium、黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、次いでグラム陰性桿菌が関与する。第 2 世代セファロースポリンに属するセフロキシムの前房内投与について、欧州ではランダム化比較試験が行われ、投与の有無によって術後眼内炎の発生頻度には 5 倍の違いが認められた(Am J Health Syst Pharm 2013;70(3):195-283.)。しかしこの結果にはいくつかの点で疑義が呈されており、スペインからはセファゾリンの前房内投与の追加で発生率が大きく低下したとの報告が複数ある。ただし薬剤選択のみならず、その投与法、そして併用する他法が様々であることが、標準化を行っていくうえでこれまで障害になっていたことは否めない。本邦では高齢化に伴い手術件数は今後も増加の一途をたどるであろう。本手術に関わる周術期感染症予防の方策について進展を期待したい。

菌血症の検出増加は敗血症プログラムの成功によるものである

Sepsis programme successes are responsible for the increased detection of bacteraemia

M.D. Simmons*, S. Daniel, M. Temple
*Public Health Wales Microbiology, UK

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 93-99


背景
大腸菌(Escherichia coli)菌血症の減少という目標は困難であるが、これは西ウェールズでウェールズ政府の目標の導入より前に、2013 年に地域の衛生局が定めた感染症の重要なサロゲート(代用)マーカーであった。初期にみられた事例の横ばい状態は継続せず、今回の再調査が促された。

目的
2002 年から 2016 年の間に提出された、すべての血液培養(陽性および陰性の両方)を再調査すること。

方法
ウェールズの微生物学データウェアハウスにアクセスしてすべての血液培養結果を収集し、Excel の表に抽出し、変化点分析を用いて分析した。

結果
200,000 弱の血液培養結果を解析した。血液培養の提出数増加が明らかになったが、陽性率は期間を通して一定のままであり、大腸菌数の増加は採取された血液培養数の増加を反映した。このことにより、敗血症に関する認識に加え、迅速な診断と管理を目指した敗血症バンドルの使用による成功が明らかになった。

結論
敗血症管理という一分野における成功は、大腸菌菌血症の減少の「失敗」と矛盾している。目標はすべての入手可能な情報に照らし合わせて慎重に検討する必要があると言え、今のところ英国の National Health Service(NHS)を失敗に終わらせている。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
本検討では血液培養提出数が増加し、大腸菌菌血症の件数も増加していたが、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)の増加分は大腸菌よりも低かった(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌はやや低下)。なお 2 セット採取数は明らかにされておらず、また血液培養陽性率はおよそ 16%で横ばいである。このため大腸菌が増加した理由として、対象集団の特性の変化、感染症診断の向上、2 セット採取の推進、いずれが寄与したのか把握するのは実は難しいように思える。ただし採取数が増えれば陽性率は下がる傾向にあるため、さらに採取数が伸びれば、診断率もより向上する余地はあるであろう。また今後、高齢者の尿路感染症、胆道感染症の症例が増加すれば、大腸菌菌血症例のさらなる増加が認められるかもしれない。

病院におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin resistant Staphylococcus aureus;MRSA)の入院時スクリーニングに対する障壁と対応策:混合研究法

Barriers and enablers to meticillin-resistant Staphylococcus aureus admission screening in hospitals: a mixed-methods study

K. Currie*, C. King, K. McAloney-Kocaman, N.J. Roberts, J. MacDonald, A. Dickson, S. Cairns, N. Khanna, P. Flowers, J. Reilly, L. Price
*Glasgow Caledonian University, UK

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 100-108


背景
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin resistant Staphylococcus aureus;MRSA)の伝播リスクを低下させるため、国際ガイドラインでは保菌リスクのある入院患者の特定を目的とする入院時スクリーニングを推奨している。しかし、スクリーニングの最適な遵守レベルが常に達成されているわけではないことが、ルーチンのモニタリングにより示された。遵守を強化するため、我々は職員のスクリーニング行動に影響を及ぼす因子に関して、もっとよく理解する必要がある。

目的
病院の MRSA スクリーニングの方針に対する職員の遵守に影響を及ぼす因子を特定すること。

方法
データ収集および分析の指針とするため、正規化プロセス理論と理論的ドメイン・フレームワークから構築した逐次二段階混合法デザインを用いた。初めに得られた定性的所見のデータに基づいて、看護職員の全国的横断調査(N = 450)の内容を決定し、実施した。多変量回帰分析により、どの障壁と対応策が職員の遵守に関して最もよく予測するかを明らかにした。

結果
MRSA スクリーニングの最適な遵守(90%超)予測において、3 つの因子(MRSA スクリーニングを入院時のルーチンとして組み込むこと、実施する場所・診療部門、実施場所・診療部門における MRSA スクリーニングの遵守に関するフィードバック)が有意であった。データセットの統合により、「正しい行動をしやすくする」組織体制は、病棟での行動様式と同じように遵守に影響を与えることが示された。MRSA スクリーニングの優先度の決定(相対的な優先順位の上げ下げ)においては、深く根付いた価値観および信条が重要な関わりを持っていた。

結果
我々の知る限り、本研究は MRSA スクリーニングに対する障壁と対応策に関して独自のエビデンスをもたらす初めての研究であり、社会学的理論と心理学的理論の両方を応用している。抗菌薬耐性は世界的な保健衛生上の懸念であるため、今回の知見は世界中のスクリーニングプログラムにおいて重要であるといえる。本稿で示した洞察に基づき、将来、指針や推奨、行動を変化させることができれば、スクリーニングの遵守向上に大きな影響がもたらされるであろう。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
スコットランドでは、外来受診時、あるいは直接病棟に入院する際に、すべての患者に MRSA 保菌の臨床的リスクアセスメントを推奨している。これには MRSA 保菌や感染症の既往、施設入所の有無、他院からの転院であるかどうか、創傷・潰瘍・デバイスの有無といった項目が含まれ、看護記録としても記載される。リスク評価を行った後、鼻腔や会陰のスクリーニング、収容病室の決定や除菌といった対応が行われる。非常に細かく設定されており、90%以上遵守することは患者・スタッフ双方において相当の負担になることは予想できる。今回の社会学的、心理学的アプローチは、他の感染対策の実施の際の人間の行動様式を解析する場合においても、有効であるかもしれない。

サイト内検索

Loading

アーカイブ

最新のコンテンツ

Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.