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ナーシングホーム入居者および介護なし住宅施設居住者における黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)と大腸菌(Escherichia coli)にみられる分子疫学の違い

Differences in molecular epidemiology of Staphylococcus aureus and Escherichia coli in nursing home residents and people in unassisted living situations

M. Olofsson*, A. Matussek, R. Ehricht, P-E. Lindgren, C.J. Östgren
*Ödeshög Health Care Centre, Sweden

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 76-83


背景
保菌圧を感染症伝播の作業モデルおよび代理指標として用いる場合、変化し得る環境内における特定のリスクをグレード判定または定量化できないためにその有用性が限られる。

目的
ナーシングホーム入居者および介護なし住宅施設居住者において、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)および大腸菌(Escherichia coli)という 2 種類の細菌の分子疫学を比較することで、より高性能の保菌圧モデルを検討すること。

方法
スウェーデン南中央部の 1 都市の高齢居住者 73 例を対象に横断研究を実施した。これらの居住者のうち、同じ地理的地域において35 例はナーシングホーム入居者、34 例は自身の住居で生活していた。2 つの代表的な細菌種のサンプルを、複数の身体部位から採取し、分子学的多様性について分析した。

結果
すべての身体部位を合わせると、参加者の 47%が黄色ブドウ球菌、93%が大腸菌を保菌していた。ナーシングホーム群、介護なし住宅施設群、および両群を合わせた場合に、それぞれ 16、17、および 29 の異なる黄色ブドウ球菌の spa 型が認められた。同じ群に対応して、異なる大腸菌血清型の数は、それぞれ 34、28、および 48 であった。糖尿病は、黄色ブドウ球菌保菌の割合が高いことと関連していた。

結論
異なる形態の居住設備において認められた細菌の分子学的多様性は、同様の範囲内であった。病院における質の高い衛生環境が、ナーシングホーム群において分子的多様性に均質性がみられなかったことに寄与していた可能性がある。高齢という特徴により選択した患者では、糖尿病が影響を及ぼした可能性がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
共同生活をおこなうナーシングホーム入居者は、しばしば抗菌薬が投与されたり、病院への入退院を繰り返すため、特定のクローンが定着しやすい状況が発生し、保菌圧が高まる結果、自宅で自立した生活を営んでいる人に較べると、菌に多様性がなくなり、一定の株が優位になることが予測される。本論文では、小さな集団ではあるが多様性の違いを検討した。結果は 2 群間では差がなかった。さらに耐性菌については、MRSA や ESBL 産生大腸菌の保菌率は極めて少ないスウェーデンでの研究であり、2015 年の推計では人口 10万人あたり 39 人と 99 人と推計されている、人口が 1,000 万人であり、国内年間 4,000人と1万人程度の患者数である。実際黄色ブドウ球菌 69 株から MRSA は 1 株、大腸菌 136 株でESBL 産生株は 5 株であった。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.