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病院内局所環境と医療関連バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)獲得との関連

The local hospital milieu and healthcare-associated vancomycin-resistant enterococcus acquisition

M.J. Zhou*, J. Li, H. Salmasian, P. Zachariah, Y-X. Yang, D.E. Freedberg
*Columbia University Medical Center, USA

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 69-75


背景
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は、米国における全医療関連感染症の原因の4%を占めている。病院内局所環境が VRE 獲得においてどのようなプロセスを介して寄与しているかは、十分に明らかでない。

目的
医療関連 VRE 獲得に対して、病院内局所環境における特定の因子のもつ重要性を明らかにすること。

方法
本後向きコホート研究には、2012 年 1 月から 2016 年 12 月にかけて、大学付属医療センター 1 施設の集中治療室 6 室に入室し、入室時の直腸培養で VRE 陰性であった患者を組み入れた。VRE 獲得は、対象入室期間における初回スワブ陰性後の任意の時点でのサーベイランススワブ陽性と定義した。対象とした曝露は、VRE 保菌圧、VRE持ち込み圧、およびバンコマイシン使用であった。多変量 Cox 比例ハザードモデリングを実施し、患者の追跡を VRE 獲得まで、死亡または最長 30 日まで行った。

結果
最初に VRE 陰性であった患者 8,485 例中、161 例で VRE 獲得が認められた。単変量解析では、VRE 獲得を認めた患者はバンコマイシン投与を受けていた割合、バンコマイシン投与患者の近傍にいた割合、高い VRE 持ち込み圧を認めた割合、または高い VRE 保菌圧を認めた割合が高かった。多変量解析では、高い VRE 保菌圧のみが VRE 獲得の独立予測因子であった(補正ハザード比1.79、95%信頼区間1.19 ~ 2.70)。

結論
VRE 保菌圧は、VRE 持ち込み圧とは関係なく、医療関連 VRE 獲得において最も重要なリスク因子であった。VRE 獲得を低減するための介入は、VRE 保菌が確認されている患者と病院内局所環境との間の伝播を最小限にすることに焦点を当てるべきである。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
VRE は通常腸管内保菌が一般的であり、特に集中治療室においてその感染リスクは米国では4 ~ 30%と高くなる。保菌患者の大半は重篤な感染症を発症しないが、VRE の腸管保菌は正常な腸管細菌叢の定着阻止能力の破綻を意味している。一方で、VRE は環境で数週間から数か月間長期生存するため環境がリザーバーとなり、患者退室後の清掃後にも10 ~ 50%で環境表面から検出され、医療従事者を介して拡散する。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.