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地域病院および遠隔地病院において抗菌薬適正使用支援プログラムの提供に影響を及ぼす因子に関する定性的研究

Qualitative study of the factors impacting antimicrobial stewardship programme delivery in regional and remote hospitals

J.L. Bishop*, T.R. Schulz, D.C.M. Kong, K.L. Buising
*Peter Doherty Research Institute for Infection and Immunity,Australia

Journal of Hospital Infection (2019) 101, 440-446


背景
多くの地域および遠隔地([地方])病院には、大都市の病院のような抗菌薬適正使用支援を実施する専門サービスがない。こうした状況は、地方病院において抗菌薬適正使用支援を実施する能力に影響を及ぼす可能性がある。

目的
地方病院において抗菌薬適正使用支援プログラムの提供に影響を及ぼす因子を明らかにすること。

方法
Australian Statistical Geography Standard の遠隔性分類における地域内、地域外、遠隔地または超遠隔地内の 1 つの医療施設または複数の医療施設において抗菌薬適正使用支援の主たる責任を有する、または抗菌薬適正使用の支援を提供する臨床家を作為的にスノーボールサンプリングを用いて募集した。一連のフォーカスグループおよび面接を実施し、議論の内容を録音して文字化した。文字化した記録を 2 名の研究者がコード化し、フレームワーク法を用いてテーマ分析を行った。

結果
4 回のフォーカスグループと 1 回の面接を実施した(参加者 22 名)。抗菌薬適正使用支援プログラムの提供に影響を及ぼしていた以下の 6 つの主要テーマが特定された:施設の臨床家における独立性および自立性の文化、人間関係、抗菌薬の選択に影響を及ぼす病院の地理的立地、施設内の事情、成績について基準に基づいた意味のある評価ができないこと、ならびにリソースの不足。地方病院において抗菌薬適正使用支援プログラムの提供を実施するために考えられる戦略として参加者から提案されたものは、以下の 2 つの主要テーマに分類された:中央機関により最適に開発または管理されると考えられる戦略、ならびに各施設の責任において開発または管理されるべき戦略。

結論
地方病院における抗菌薬適正使用支援プログラムの提供は、大都市の病院には存在しない因子によって影響を受ける。本研究の結果は、地方病院が持続可能な抗菌薬適正使用支援プログラムを実施するための戦略を開発する上で、強力な基盤となるものである。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
専門家の存在しない地方の病院における ASP に関する質的研究で興味深い内容である。本研究はオーストラリアにおける研究であるが、微生物検査が外注で結果が返ってくるまでに時間がかかることや薬剤師の交代が激しいことなど、ASP に関する問題は世の東西を問わず共通していることが分かる。日本での課題抽出や研究の参考になるのではないだろうか。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.