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心臓胸部外科手術患者における基質特異性拡張型β‐ラクタマーゼ産生エンテロバクター・クロアカエの院内アウトブレイク:原因と影響

Nosocomial outbreak of extended-spectrum β-lactamase-producing Enterobacter cloacae among cardiothoracic surgical patients: causes and consequences

A. Noël*, C. Vastrade, S. Dupont, M. de Barsy, T.D. Huang, T. Van Maerken, I. Leroux-Roels, B. Delaere, L. Melly, B. Rondelet, C. Dransart, A.S. Dincq, I. Michaux, P. Bogaerts, Y. Glupczynski
*Infection Control Unit, CHU UCL Namur, Belgium

Journal of Hospital Infection (2019) 102, 54-60


背景
腸内細菌科細菌は、医療関連感染症の主要な病原体として認識されている。

目的
ベルギーの大学病院で心臓胸部外科手術患者において発生した基質特異性拡張型β‐ラクタマーゼ産生(ESBL)エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)の院内アウトブレイクについて報告すること。

方法
repetitive element-based PCR 法および multi-locus sequence typing を用いた分子タイピングを含む疫学的・微生物学的調査に基づき症例を確定した。症例対照研究に続く現地評価により、リザーバである可能性の確認、患者と経済への影響に関する後向き評価を実施した。

結果
3 か月の期間に、患者 42 例で、同一のクローン系列に属する CTX-M-15 産生 E. cloacae 菌株の感染または保菌が認められた。獲得は、主に集中治療室(23 例)、心臓胸部外科病棟(16 例)でみられた。1 例を除く全員で、E. cloacae 獲得の前に、心臓胸部手術歴、手術室における同一の経食道心エコー診断用プローブによる検査歴があった。微生物培養の結果が陰性であったが、疑わしいプローブを排除することで、アウトブレイクが速やかに終息した。全体的に見て、アウトブレイクは、感染患者における高死亡率(40%)および多額の費用(266,550 ユーロ)と関連した。

結論
アウトブレイクの原因と推測される器機の使用中止により、速やかな終息がもたらされたことから、心臓胸部手術中を通して使用される、手動消毒の経食道心エコー診断用プローブの汚染と、アウトブレイクとの関連が間接的に示された。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
経食道心エコー診断用プローブは、しばしば感染対策において見落とされがちな器具である。2018 年 7 月に心エコー図ガイドライン作成委員会から「経食道心エコー図検査実施についての勧告(2018 年改訂版)が出ている。こちらに「プローブはセミクリティカルに分類される」とあり、具体的な洗浄・消毒方法が記載されているので是非参考にされたい。
http://www.jse.gr.jp/contents/guideline/data/TEE_guideline2.pdf(2019 年 5 月アクセス)

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.