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イギリスの国民保健サービス(NHS)病院における尿道カテーテル関連感染症の疫学および医療経済的負担:確率モデリング研究

Epidemiology and health-economic burden of urinary catheter-associated infection in English NHS hospitals: a probabilistic modelling study

D.R.M. Smith*, K.B. Pouwels, S. Hopkinsi, N.R. Naylor, T. Smieszek, J.V. Robotham
*National Infection Service, Public Health England, UK

Journal of Hospital Infection (2019) 103, 44-54


背景
イギリスの国民保健サービス(NHS)において、カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)およびカテーテル関連血流感染症(CABSI)は、医療関連感染症の主な原因であるが、予防に対する投資について情報を提供するための医療経済的エビデンスが不足している。

目的
2016/17 年に NHS トラストに入院した成人患者における尿道カテーテル関連感染症の医療経済的負担および予防の価値を定量化すること。

方法
CAUTI および CABSI の年間有病率ならびに、それらが関連する健康上の超過負担(質調整生存年[QALY])および経済的損失(2017 年ポンド)を推定するために、決定分析モデルを開発した。集団構造・モデルのパラメーター・関連する不確定性を推定するために、患者に関するデータセットおよび文献を統合した。カテーテルに対する予防的介入の健康面および経済面での有益性を推定した。シナリオ分析、確率的感度分析を実施した。

結果
本モデルにより、CAUTIは 52,085 件(95%不確定区間[UI]42,967~61,360)、CABSI は 7,529 件(95%UI 6,857 ~ 8,622)、そのうち、院内発症型感染症はそれぞれ、38,084 件(95%UI 30,236 ~ 46,541)、2,524件(95%UI 2,319 ~ 2,956)と推定された。カテーテル関連感染症により、在院日数超過が 45,717 日(95%UI 18,115 ~ 74,662)、死亡が 1,467 件(95%UI 1,337 ~ 1,707)、QALY 損失が 10,471 年(95%UI 4,783 ~ 13,499)となった。直接的な総病院費用は、推定で 5,440 万ポンド(95%UI 3,730 万 ~7,780 万ポンド)で、QALY 損失の経済的数値(1 QALYあたりの標準的な支払意思額閾値が 2 万ポンドと推定されている)は 2 億 940 万ポンド(95%UI 9,570 万 ~ 2億7,000 万ポンド)増であった。CABSI は、直接費用の 47%(95%UI 32 ~ 67%)、QALY 損失の 97%(95%UI 93 ~ 98%)を占めた。予防的介入がなされたすべてのカテーテルで、直接的な病院費用が 30 ポンド(95%UI 20 ~ 44ポンド)、QALY 値において 112ポンド(95%UI 52 ~ 146 ポンド)を節約できた。

結論
病院でのカテーテルに対する予防的介入は、かなりの医療経済的利益が得られる態勢にあるが、市中に向けた介入では、市中発症型感染症によってもたらされる大きな負担に対して的を絞る必要がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
医療経済学的に医療関連感染を分析することは、コスト意識につながり医療費抑制の観点からは重要な取り組みである。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.