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アシネトバクター・バウマニー(Acinetobacter baumannii)の保菌または感染に対するクロルヘキシジン浴の効果:システマティックレビューとメタアナリシス

Effect of chlorhexidine bathing on colonization or infection with Acinetobacter baumannii: a systematic review and meta-analysis

C.-Y. Fan*, W.-T. Lee, T.-C. Hsu, C.-H. Lee, S.-P. Wang, W.-S. Chen, C.-H. Huang, C.-C. Lee
*National Taiwan University, Taiwan

Journal of Hospital Infection (2019) 103, 284-292


多剤耐性グラム陰性桿菌(MDRGNB)に起因する医療関連感染症(HAI)は、集中治療室(ICU)において罹患率が上昇している。HAI 予防のための一般的な戦略は、クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)を用いて患者を全身清拭することである。しかし、多剤耐性アシネトバクター・バウマニー(multidrug-resistant Acinetobacter baumannii;MDRAB)に対する CHG 浴の有効性は依然として議論の余地がある。本研究の目的は、ICU における A. baumanniiの保菌および感染に対する CHG 浴の有効性に関して、システマティックレビューとメタアナリシスを実施することであった。開始日から 2018 年 6 月まで、PubMed、EMBASE、Web of Science および CINAHL で系統的な文献検索を実施した。ランダム化比較試験(RCT)、前後比較試験または分割時系列研究が含まれた。実験群または対照群で A. baumanniiを保菌している患者または A. baumannii に感染している患者と、保菌も感染もしていない患者の人数を、各研究より抽出した。国立衛生研究所の関連尺度によって質評価を実施した。変量効果モデルを用いて統合リスク比を算出した。18,217 例の患者から成る RCT 1 件と前後比較試験または分割時系列研究 12 件が含まれ、そのうち 8,069 例は CHG 浴群、9,051 例は対照群であった。CHG 浴は A. baumannii の保菌の減少に関連していた(統合リスク比 0.66、95%信頼区間[CI]0.57 ~ 0.77、P < 0.001)。4%のクロルヘキシジンは 2%のクロルヘキシジンより高い効果を示した(メタ回帰 P = 0.044)。CHG 浴は感染の非有意な減少に関連していた(統合 RR 0.41、95%CI 0.13 ~ 1.25)。本研究により、CHG 浴は ICU における A. baumannii の保菌を有意に減少させることが示唆された。しかし、CHG 浴が A. baumannii 感染症を減少させることができるかどうかを裏付けるためには、さらなる試験が必要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
日本ではほとんど見かけることがない多剤耐性アシネトバクター属菌に対する CHG 浴の有効性に関するシステマティックレビューである。有効性が認められたと報告している一方で、評価された研究の内容にはかなりの heterogeneity(異質性)があったとしている。CHG 浴の有効性は様々な研究で報告されているが、その実際の方法も含めて引き続き検証が続けられるであろう。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.