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複雑植込み型心臓電気デバイス感染症に対する皮膚消毒のバンドル:傾向スコアマッチングコホート研究

Bundled skin antiseptic preparation for complex cardiac implantable electronic device infection: a propensity-score matching cohort study

H.-C. Chen*, W.-C. Lee, Y.-L. Chen, T.-H. Tsai, K.-L. Pan, Y.-S. Lin, M.-C. Chen
*Kaohsiung Chang Gung Memorial Hospital, Chang Gung University, Taiwan

Journal of Hospital Infection (2019) 103, 311-320


背景
植込み型心臓電気デバイス感染症は、植込み型心臓電気デバイスの植込み手技の主要な合併症の 1 つであり、入院を延長させ死亡を引き起こす可能性がある。

目的
複雑植込み型心臓電気デバイス植込み後の感染症を予防するための、皮膚消毒のバンドルの有効性を評価すること。

方法
本研究では、2012 年 7 月から 2017 年 12 月に植込み型心臓電子デバイスの植込み前に皮膚消毒のバンドルが実施された連続患者 1,163 例を分析した。植込み型心臓電子デバイスの植込み手技の複雑度にしたがって、患者を複雑植込み型心臓電気デバイス群(N = 370)と非複雑植込み型心臓電気デバイス群(N = 793)に分けた。複雑な手技は、ペースメーカーの交換、植込み型除細動器の植込みおよび心臓再同期療法、デバイスのアップグレード、またはリード修正と定義した。

結果
平均 2.9 ± 1.7 年の追跡期間中に、患者 15 例(1.3%)が植込み型心臓電気デバイス感染症を発症し、軽度の感染症の発生率は 1.1%、重度の感染症の発生率は 0.2%であった。植込み型心臓電気デバイス感染症の発生率は、複雑植込み型心臓電気デバイス群と非複雑植込み型心臓電気デバイス群の間で有意差はなかった(それぞれ 1.1% vs 1.4%、非有意)。多変量解析により、手技の複雑度は植込み型心臓電気デバイス感染症の独立予測因子ではないことが示された。2 : 1 の傾向スコアマッチングの後、マッチさせた非複雑植込み型心臓電気デバイス群とマッチさせた複雑植込み型心臓電気デバイス群は、植込み型心臓電気デバイス感染症の発生率において、依然として有意差を示さなかった。

結論
皮膚消毒のバンドルは、複雑植込み型心臓電気デバイス植込み後の感染リスクの低下に効果的であり、広く適用できる戦略である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
近年、ペースメーカーや除細動器などのデバイス挿入が増加しており、挿入後の感染症は時に致命的となるため、これを予防するために周術期の皮膚消毒についてバンドルを作成して、発生率を抑えたとする報告である。皮膚消毒のバンドルとは、前夜にまず石けんを使用してシャワー入浴を実施後、①75%エタノールで前胸部全面を皮膚消毒し、前胸部全面を滅菌ガーゼで覆う。②皮切を加える 10 分前にポビドンヨード(PVP)で皮切予定部全体を中心から外へ円を描くように消毒し、乾燥させる。③75%エタノールで 2 回消毒し、さらに 3 回 PVP で消毒するという 3 段階のバンドルである。このバンドル作成にあたって、消毒効果の残存が認められるクロルヘキシジングルコン酸塩を使用することを考慮しなかったのはなぜであろうか?

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.