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エンテロコッカス・ヒラエ(Enterococcus hirae)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、およびエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)は消毒に通常用いられる殺生物製剤に対して異なる感受性を示す

Enterococcus hirae, Enterococcus faecium and Enterococcus faecalis show different sensitivities to typical biocidal agents used for disinfection

M. Suchomel* , A. Lenhardt, G. Kampf, A. Grisold
* Medical University of Vienna, Austria

Journal of Hospital Infection (2019) 103, 435-440


背景
エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)およびエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)は、院内感染症の病原体として知られている。しかし、消毒に用いられる殺生物製剤について、エンテロコッカス・ヒラエ(Enterococcus hirae)に対する殺生物活性が明らかにされている。

目的
臨床的に重要な細菌種である E. faecalisおよび E. faecium に対する殺生物製剤の有効性を評価する上で、E. hirae が適した細菌種であるかどうかを明らかにすること。

方法
EN 13727 に従った懸濁試験により、E. faecium ATCC 6057、E. faecalisATCC 47077 および E. hirae ATCC 10541 を用いて殺生物活性を評価した。グルタルアルデヒド、エタノール、塩化ベンザルコニウム、過酢酸および次亜塩素酸ナトリウムを使用し、殺生物製剤ごとに3種類の曝露時間を用いた。3種類の腸球菌について各製剤に対する感受性に大きな差がみられた場合、さらに2回の実験を行った。コロニー形成単位(cfu)数を常用対数値に変換した。複数回の実験の結果は、平均値と標準偏差で記述した。

結果
5 分間の曝露時間において、E. hirae E. faecium および E. faecalisと比較して、0.2%グルタルアルデヒドおよび 0.0125%過酢酸に対する耐性がより高かった一方、40%エタノールおよび 3%次亜塩素酸ナトリウムに対する感受性はより高かった。0.00125%塩化ベンザルコニウム(15 分間)に対してのみ、E. hirae の感受性は E. faecium および E. faecalisの中間であった。

結論
E. hirae は、腸球菌に対するグルタルアルデヒドおよび過酢酸の殺生物活性を評価するのに適した細菌種である。E. hirae は、殺生物活性の標的とする臨床病原体に E. faecium および E. faecalisを含める場合、エタノールまたは次亜塩素酸ナトリウムについては適した細菌種ではない可能性がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
日本でも消毒薬の有効性を評価する際に様々な菌種の菌株が使用されているが、そのうちの一つに本研究対象となっている Enterococcus hirae がある。本研究結果も含め、E. hirae が消毒効果の評価対象菌種として E. faecalisE. faecium の代替となりうるかは今後も検討されるだろう。

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Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.