JHIサマリー日本語版トップ

レーティング:[監訳者による格付け]
★★…是非読むことをお勧めする論文 ★…読むことをお勧めする論文
コロナウイルスの影響により一部、監修者のコメントおよびレーティングを未監修のまま掲載しておりますので、ご了承ください。

Clip to Evernote

集中治療室 2 室における基質特異性拡張型β- ラクタマーゼ産生腸内細菌目細菌(extended-spectrum β-lactamase-producing Enterobacterales)およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus)の獲得に対する保菌圧の影響:19 年間の後向きサーベイランス

Impact of colonization pressure on acquisition of extended-spectrum β-lactamase-producing Enterobacterales and meticillin-resistant Staphylococcus aureus in two intensive care units: a 19-year retrospective surveillance

S. Jolivet*, I. Lolom, S. Bailly, L. Bouadma, B. Lortat-Jacob, P. Montravers, L. Armand-Lefevre, J-F. Timsit, J-C. Lucet
*Bichat University Hospital, France

Journal of Hospital Infection (2020) 105, 10-16

背景
保菌圧は集中治療室(ICU)獲得型多剤耐性菌(MDRO)のリスク因子の 1 つである。

目的
ICU 獲得型基質特異性拡張型β- ラクタマーゼ産生腸内細菌目細菌(extended-spectrum β-lactamase-producing Enterobacterales;ESBL-PE)およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)に対する保菌圧の長期的な個別の影響を評価すること。

方法
この後向き観察研究には、1997 年 1 月から 2015 年 12 月の間に ICU(内科および外科)2 室に入院したすべての患者が含まれた。入院時とその後毎週、直腸および鼻腔の監視培養を採取した。保菌または感染患者に対し、接触予防策が適用された。保菌圧は、全患者日に対する各 MDRO の陽性患者の患者日の比率として定義した。シングルレベルの負の 2 項回帰モデルを用いて、毎週の MDRO 獲得の発生率を評価した。

結果
対象患者 23,423 例のうち、ESBL-PE の保菌患者は 2,327 例(10.0%)で 660 例(2.8%)の獲得を含み、MRSA の保菌患者は 1,422 例(6.1%)で 351例(1.5%)の獲得を含んでいた。ESBL-PE の獲得は、1997 年の 0.51/1,000 患者曝露日から 2015 年の 6.06/1,000 患者曝露日へ増加していた(P < 0.001)。対照的に、MRSA の獲得は 3.75/1,000 患者曝露日から 0.08/1,000 患者曝露日へと着実に減少していた(P < 0.001)。期間レベルの共変数を調整すると、前の週の保菌圧は ESBL-PE に関しては MDRO の獲得に関連していたが(P < 0.001[内科 ICU]、P = 0.04[外科 ICU])、MRSA に関しては関連していなかった(P =0.34[内科 ICU]、P = 0.37[外科 ICU])。ESBL-PE に関して、保菌圧の上昇は 100/1,000 患者日を超えると有意であった。

結論
保菌圧は ESBL-PE 獲得の発生率の上昇に関与していたが、MRSA には関与していなかった。本研究は、感染制御策は MDRO に合わせて特化すべきであることを示唆している。

サマリー原文(英語)はこちら

JHIサマリー日本語版トップ

サイト内検索

Loading

アーカイブ

最新のコンテンツ

Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.