JHIサマリー日本語版トップ

レーティング:[監訳者による格付け]
★★…是非読むことをお勧めする論文 ★…読むことをお勧めする論文
コロナウイルスの影響により一部、監修者のコメントおよびレーティングを未監修のまま掲載しておりますので、ご了承ください。

Clip to Evernote

ヒータークーラー装置における非結核性抗酸菌の多様性:前向きサーベイランスの結果

Diversity of non-tuberculous mycobacteria in heater-cooler devices: results from prospective surveillance

M.B. Kaelin*, S.P. Kuster, B. Hasse, B. Schulthess, F. Imkamp, M. Halbe, P. Sander, H. Sax, P.W. Schreiber
*University Hospital Zurich and University of Zurich, Switzerland

Journal of Hospital Infection (2020) 105, 480-485

目的
心臓手術に関連するマイコバクテリウム・キマイラ(Mycobacterium chimaera)感染症の世界的なアウトブレイクは、元をたどるとヒータークーラー装置の汚染水のリザーバーに由来する感染性のエアロゾルに行き着いた。一般に非結核性抗酸菌(NTM)は水道設備に定着することが多く、医療器具を汚染する可能性がある。ヒータークーラー装置から収集されたサンプルにおける M. chimaera 以外の NTM の検出に関するデータは不足している。本研究では、5 台のヒータークーラー装置に関する 4 年以上にわたる抗酸菌の前向きサーベイランスの概要を述べた。

方法
2014 年に購入した新品の LivaNova 3T(ロンドン、英国)のヒータークーラー装置 5 台を前向きに追跡調査した。2014 年の 4 月中旬まで、ヒータークーラー装置は製造業者の推奨に従ってメンテナンスされ、続いて排気の排出を含む強化された院内の手順に従ってメンテナンスされた。抗酸菌のサーベイランスの培養物は、患者用および心筋保護用回路から月 1 回収集された水サンプル、ならびに空気サンプルで構成された。

結果
441 件の水サンプルのうち 170 件(38.6%)が NTM の増殖を示した。最も高頻度に検出された NTM は、M. chimaeraN = 120[67.4%])、マイコバクテリウム・ゴルドナエ(Mycobacterium gordonaeN = 35[19.7%])、Mycobacterium paragordonaeN = 17[9.6%])であった。NTMである M. chimaera および M. paragordonae の増殖は、ヒータークーラー装置の心筋保護用回路よりも患者用回路から採取した水サンプルにおいて有意によく見られた。150 件の空気サンプルのうち 3 件(2.0%)で NTM の増殖が見られた。

結論
ヒータークーラー装置の水サンプルにおける NTM の増殖はよく見られた。多様な NTM の菌種が検出され、M. chimaera が最も多かった。空気サンプルの大部分は陰性のままであった。M. chimaera 以外の NTM とヒータークーラー装置の汚染との関連性は明らかにされていないが、ヒータークーラー装置関連のマイコバクテリウム・アブセサス(Mycobacterium abscessus)のアウトブレイク 1 件の最近の報告により、潜在的な脅威であることが裏付けられた。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
LivaNova 3T は日本を含む世界各国で使用されており、汚染についての報告も複数ある。医薬品医療機器総合機構(PMDA)によると、2018 年までに国内で販売された機器については自主回収、汚染を防ぐための設計変更をおこなった機器との交換が行われている(https://www.info.pmda.go.jp/rgo/MainServlet?recallno=2-8775)。

JHIサマリー日本語版トップ

サイト内検索

Loading

アーカイブ

最新のコンテンツ

Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.