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成人における手術部位感染症予防の経済的利益:システマティックレビュー

The economic benefits of surgical site infection prevention in adults: a systematic review

A. McFarland*, J. Reilly, S. Manoukian, H. Mason
*Glasgow Caledonian University, UK

Journal of Hospital Infection (2020) 106, 76-101

背景
手術部位感染症(SSI)は、入院期間延長、苦痛、障害、死亡という点で医療および患者にかなりの負担をもたらす。SSI リスクおよび関連する経済的負担は、予防ガイドラインの遵守により、最低限度額は明らかではないものの減少する可能性がある。

目的
あらゆる SSI の予防対策における費用対効果の推定に使用される方法を評価すること。

方法
施設で外科的治療を受けた成人患者における費用・利益に関して、英語で発表された経済的評価研究(経済的評価が含まれる研究)および分析が行われた研究を特定するために、PubMed、Medline、CINAHL、UK National Health Service Economic Evaluation Database で、開始時から 2020 年 1月までのデータベースを検索した。公表されている 2 つのチェックリストを用いてバイアスリスクを評価した。

結果
参加者 24,043 例を含む 32 報の研究を対象とした。ほとんどの研究で整形外科におけるSSI 予防について評価されていた。評価された主な方法は、抗菌薬予防投与、スクリーニング、治療、あるいはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus)および手術創縫合部の除菌であった。費用分析から費用対効果分析、費用効用分析まで方法はさまざまであった。不均一性により結果の統合は不可能であった。すべての研究で、SSI 予防と関連する多少の経済的利益が報告されていたが、利益の指標が報告されていない研究もあり、研究の質は低~中程度であった。QOL に及ぼす SSI の影響に関して確認されたエビデンスは限られていた。

結論
SSI 予防の経済的利益に関する現時点でのエビデンスは限られている。SSI 予防における今後の投資決定について情報を提供するために、経済学的・疫学的に適切な方法を用いた頑健な研究がさらに必要とされる。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
血流感染などがバンドルの効果で低減されると、低減効果の不十分な領域の対策に目がいく。SSI は患者に重大な合併症による危機を招き、機能障害・在院日数の増加による経済的負担など様々な弊害をもたらす。先進国の多くでは出来高払い制度(米国の DRG-PPS や日本の DPC)を医療費抑制の一環として実施しており、収益性の観点ならびに医療の質や患者安全の観点から SSI の発生を抑制することが重要課題である。多施設間で評価比較することでさらなる改善が見込めるため、施設間比較の指標は大変重要である。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.