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膵臓手術後の手術部位感染症のリスク因子:術後のより適正な抗菌対策が可能である

Risk factors for surgical site infection after pancreatic surgery: a better postoperative antibiotic strategy is possible

M. Petit*, G. Geri, E. Salomon, M. Victor, F. Peschaud, A. VieillardBaron, X. Repessé
*University Hospital Ambroise Paré, France

Journal of Hospital Infection (2021) 107, 28-34

緒言
膵臓手術は主に感染性合併症による高罹病率と関連するので、すべての患者に術後抗菌薬を使用する施設が多い。しかし、抗菌薬レジメンは地域によって異なる。本研究の目的は、このような状況下での術後抗菌薬の臨床適応をより明確にするために、膵臓手術後の手術部位感染症(SSI)の発生と術後抗菌薬処方について報告するとともに、術後 SSI のリスク因子を明らかにすることである。

患者および方法
予定された膵臓の大手術を 2007 年 1 月から 2018 年 11月に受けたすべての患者を、この後向き研究の対象とした。SSI およびルーチンの術後抗菌薬処方に準じて、患者を次の 4 グループに分類した。SSI 発症/術後抗菌薬処方あり、SSI 非発症/術後抗菌薬処方あり、SSI 発症/術後抗菌薬処方なし、SSI 非発症/術後抗菌薬処方なし。さらに、SSI 発症および術後抗菌薬と関連するリスク因子(発熱、術前の胆管内瘻術)を、ロジスティック回帰モデルにより分析した。

結果
患者 149 例(膵頭十二指腸切除術 115 例、膵脾合併切除術 34 例)のデータを分析した。30 例(20.1%)が SSI を発症し、42 例(28.2%)が術後抗菌薬を投与された。ルーチンの術後抗菌薬処方は、SSI 発症群と SSI 非発症群で差が認められなかった(それぞれ、26.7%対 28.6%、P=0.9)。ルーチンの術後抗菌薬を投与されなかった患者 107 例のうち 85 例(79.4%)は、SSI を発症しなかった。院内死亡率に感染患者と非感染患者の間で差はみられなかった(それぞれ、7%対 2%、P=0.13)。術後の発熱に SSI 発症群と SSI 非発症群で差がみられたが(それぞれ、73.3%対 34.2%、P<0.001)、術前の胆管内瘻術については両群で同等であった(それぞれ、37.9%対 26.7%、P=0.3)。

結論
膵臓の大手術後にルーチンの術後抗菌薬を投与されなかったことにより、患者 85 例(56%:原文のまま記載。79.4%の誤記載と思われる)が不要な抗菌薬治療を免れるという結果が得られた。これは、ルーチンの術後抗菌薬処方が過剰である可能性を示唆しているが、抗菌薬適正使用支援を強固にするために、さらなる研究が必要である。発熱は個別処方にとって重要な臨床徴候であると考えられるが、胆管内瘻術はそうではなかった。

サマリー原文(英語)はこちら

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Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.