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感染源の特定におけるSARS-CoV-2に対する全ゲノムシークエンシングの臨床的有用性★★

Clinical utility of SARS-CoV-2 whole genome sequencing in deciphering source of infection

T. Takenouchi*, Y.W. Iwasaki, S. Harada, H. Ishizu, Y. Uwamino, S. Uno, A. Osada, K. Abe, N. Hasegawa, M. Murata, T. Takebayashi, K. Fukunaga, H. Saya, Y. Kitagawa, M. Amagai, H. Siomi, K. Kosaki k, Keio Donner Project
*Keio University School of Medicine, Japan

Journal of Hospital Infection (2021) 107, 40-44

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)により引き起こされる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界的な問題である。院内感染制御の観点から、感染源の特定が極めて重要である。著者らは、感染者との明らかな接触歴のない入院患者の感染源の特定における全ゲノムシークエンシング使用の有効性を評価するため、本研究を実施した。3 次病院 1 施設において最近発生した、見たところ異なる2つの COVID-19 クラスターを観察した。ウイルスの全ゲノムシークエンシングにより、ウイルスのハプロタイプから 2 つのクラスターが識別された。しかし、クラスター 1 および2とは臨床的に関係がないと思われる COVID-19 患者 14 例では感染源が不明であった。これらの患者では、院内で感染者との明らかな接触歴はなく(感染源不明)、クラスター 2 の患者と類似したハプロタイプが認められたが、クラスター 2 を特徴付ける変異のうち 2 つを保有しておらず、これらの「感染源不明」の患者 14 例はクラスター 2 に由来しないことが示唆された。ウイルスの全ゲノムシークエンシングは、感染源不明の COVID-19 の散発症例が、実際に施設内のレベルで既存のクラスターの一部ではないことを確認するうえで有用となる可能性がある。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
慶應義塾大学病院の報告。市中流行時においては病院内のクラスターが発生すると、病院感染に関連したクラスターか、市中感染による紛れ込みか判断が難しい場合があり、全ゲノムシークエンシングにより経路が推定できる可能性がある。日本からの報告であり、一読を奨める。

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.