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パーキンソン病のαシヌクレインシードは蒸気滅菌に対してプリオンを超える強い耐性を示す

Alpha-synuclein seeds of Parkinson’s disease show high prion-exceeding resistance to steam sterilization

P. Pinder*, A. Thomzig, W.J. Schulz-Schaeffer, M. Beekes
*Robert Koch Institute, Germany

Journal of Hospital Infection (2021) 108, 25-32

背景
折り畳み異常の凝集したαシヌクレイン(αSyn)の大脳沈着は、パーキンソン病の神経病理学的特徴である。パーキンソン病の病理学的に凝集したαSyn 株は、自己鋳型複製能を有するタンパク質性の核(“シード”)として“プリオン様の”様式で作用する。このことは、ヒト間で医原的に伝播するパーキンソン病のαSyn シードによって、レシピエントに病理学的または臨床的に有害なαSyn の作用が惹起される可能性があるという懸念を提起している。医療器具を再処理する際の効果的な汚染除去により、そのようなリスクが著しく低減されるであろう。多くの医療器材再処理ガイドラインにおいて、病原体不活性化の重要な手順として 134°C での蒸気滅菌が推奨されており、蒸気滅菌に最大の耐性を示すと長年考えられている自己増殖性の生物学的因子であるプリオンに対する有効性も示されている。

方法
本研究では、パーキンソン病患者由来の脳組織ホモジネートのαSyn シード活性について、134°C での蒸気滅菌後の低下を特異的なリアルタイムquaking induced conversion 法により分析した。

結果
終点滴定により、パーキンソン病患者の乾熱滅菌された尾状核組織の 50% seeding dose は約 1010/g と算出された。5 分間の蒸気滅菌により、この滴定量はわずか
2.25 ± 0.15 log10 減少し、滅菌時間を 90 分に延長しても、さらなる不活性化が得られなかった。これらの結果により、パーキンソン病のαSyn 株は、シード活性を有する疾患関連の生物学的因子であり、蒸気滅菌に対してプリオンよりも耐性が強いことが示される。

結論
パーキンソン病のαSyn シードは顕著な熱耐性を示すため、医療器材を再処理する場合は、シード活性によるαSyn 凝集によって起こりうる汚染を確実に除去あるいは不活性化することの妥当性が十分に確認されている洗浄法および消毒法が必要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント
なし

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Reproduced from the Journal of Healthcare Infection, Volume 91, © 2015 The Healthcare Infection Society, with permission from Elsevier.
Although the translation was carried out with the permission of Elsevier, the translation has not been reviewed by Elsevier prior to posting online.